定年の延長について、人事院からの「60歳定年を65歳に延ばすように」という意見に対して、それは受け入れずに、60歳で一旦定年退職して退職金を払う。その後は、「再任用」という形で、1年契約で65歳まで任用を延ばしていくと。そういう考え方を取ることは、すでに政府として決めたわけです。

60歳でいったん退職していただきますから、その後の勤務状況については再度協議をすると。それまで引っ張られることはない。場合によっては、課長補佐だった人が平社員並みの待遇になるということもあり得ると。もちろん、しっかり能力もあり、力量を発揮してこられた課長補佐は課長補佐として留まることもある。こういうことで、制御をさせていただきました。民間の実態に合わせて考えさせていただいたわけです。

退職金の官民格差が約400万円あるという人事院の調査結果が出ています。これの対応も急がなければなりません。

その他、年金は、公務員とサラリーマンは同じ年金制度になるという法案を、国会に4月の上旬に出しますが、そのときに「職域加算」といって、半分くらいの企業は同様の制度を持っていますが、その「2階建」の上に「3階建」の年金制度を公務員は持っています。もちろん、その源泉(事業者負担分)は税です。この扱いをどうするべきかという議論も、既にスタートしました。

現時点では、(職域加算を)廃止するとも廃止しないとも私は申し上げていません。しっかりとした議論を踏まえて、また国民の皆さんにご説明しなければならないと思っています。

その他、総人件費抑制に関して考えなければいけないことが、仕事のやり方を変えるということです。

今の仕事を前提にして、「もうこれ以上削れません」など、いろいろなご意見を聞きますが、やはり役所の幹部であれば、どうやったら仕事の負担を減らせるか、効率化できるか、ということは常に考えていなければ、管理職とは言えません。そういう発想がないまま、今のやり方を続けて、そして「人が足りない、人が切れない」というのは、私は管理職としては失格だと思います。

今ある有能な人材をいかに効率的に使って、しかも、やり甲斐を持ってやってもらえるか。そして、ここにムダがないようにするかということは、やはり課長以上の管理職であれば、常に考えていなければならないと思います。残念ながら、霞が関全体にそういう風潮が乏しいと私は思っていますので、そういった管理職の意識改革も併せてやっていかなければいけないと思っています。