日経平均株価が2万6000円台に乗せ、1991年5月以来、29年半ぶりの高値を更新しました。バブル崩壊後では事実上、最も高い水準にまで回復したことになります。

 コロナ感染が再び拡大している中での株価上昇を意外に感じる人もいるかもしれませんが、これには米大統領選でバイデン氏の勝利が確定して閣僚人事が発表されるなど政権移行作業が進んでいること、米国や英国の製薬会社が開発中のコロナ・ワクチンの有効性が確認できたとのニュースが相次いだことなどが要因です。
 このため、11月に入ってから米国の株価が一気に上昇し始め、それに連動して日経平均も急ピッチで上昇しました。先週、NYダウがコロナ前につけていた高値を抜いて史上最高値を付けたのに続き、24日には3万㌦の大台乗せを実現。これを受けて日経平均も先週、2万6000円台に乗せた後、今週も今日までに2日続伸となっています。

 あまりにも株価上昇のペースが速いので、今後はその反動が出て相場が調整に入ることも十分考えられます。しかしそれでも中長期的には株価上昇は続くと見ています。
 その理由は、日本企業の力が戻ってきているからです。先ごろ発表された上場企業の今年4-9月期決算と2021年3月期の業績予想を見ると、コロナ禍にあっても増収や増益となっている企業が数多くあります。
 中には「巣ごもり需要」によって業績が好調だったという例もありますが、それだけではありません。根本的には、バブル崩壊後の長い経済低迷という厳しい経営環境の中で懸命の経営努力を積み重ねてきた成果によるものです。
 それは単に合理化という次元にとどまらず、独自の技術を磨くとともに、本来の意味でのリストラ(Restructuring、事業の再構築)を実行するなど、構造改革を進めて収益力を強化してきたことを意味します。
 日本企業のこうした力が今後も日本経済の回復を支える原動力になるでしょう。株価の上昇はそれを読んでいると言えるのです。

 詳しくは、このほど『マイナビニュース』に連載中のコラム「コロナ禍に打ち克つためにできること」の第11回「コロナ禍で株価が29年ぶりの高値となったワケ」(11月24日掲載)に書きました。
  https://news.mynavi.jp/article/covid-19-11/
 この原稿は先週末までの株価をもとに執筆したもので、今週もその流れが続いていますので、ご一読いただければと思います。