このほど、『マイナビニュース』に「コロナ危機を乗り切るため、問われるメディアの姿勢」を掲載しました。
https://news.mynavi.jp/article/20200330-1007050/

コロナウイルスをめぐるメディア報道についてはこれまでこのブログでも何度か書きましたが、それらも含め改めて「マイナビニュース」でこれまでの報道内容を検証するとともに、あるべきメディアの姿について書いています。

一方、昨日、東京メトロポリタンテレビ(MX2)などで放送している「東京マーケットワイド」(制作・ストックボイス)に出演しました。
番組では、1918年のスペイン・インフルエンザの教訓(本ブログの前回までの原稿を参照してください)を紹介したうえで、今がコロナウイルスの感染爆発を許すかどうかの重大な局面であること、だからこそ外出自粛などの対応策を強化すべきだと強調しました。
また経済対策については、第1段階として経済的打撃を受けている中小零細企業や個人事業主などの救済・支援を手厚く迅速に行うこと、続いて第2段階として経済全体の落ち込みに対応して大規模な景気回復策を講じるべきだとお話ししました。

ただ一部では、この第1段階の対策と第2段階の対策がごちゃ混ぜになって議論されています。たとえば、10万円の現金給付という案が出ていることについて、「貯金に回るだけで消費が増えない」という批判がありますが、この現金給付はあくまでも売り上げや収入が落ち込んで生活が成り立たない恐れがある人を緊急に救済することが目的で、それが消費に回らないと言って批判するのは、次元の異なることを混同した議論です。
今すぐに実施すべきなのは、この第1段階の対策です。今は「自粛」「人の移動を抑える」ことが最優先ですから、それによって打撃を受けている人を緊急に救済しなければなりません。逆に言えば、今の段階で消費を刺激するような対策は「自粛」が台無しになってしまいますから、今は取るべきではありません。
そのうえでコロナ感染の収束が見えてきたら、第2段階として消費を刺激して景気を回復させるための対策を実施するという組み立てを明確にする必要があります。このように、第1段階と第2段階は目的も実施時期も違うものだということを強調しておきたいと思います。

しかしだからと言って第2段階は後回しでいいと言うことではありません。その内容を早くまとめないと不安感が高まってしまいますから、早くまとめて、第1段階とセットにして発表する必要があります。
第1段階と第2段階の対策は、これまですでに報道されている具体的内容を個別に見ると、大筋においては評価できる内容がかなり含まれていると思います。ただまだ不十分なものもありますので、一段の拡充を期待したいところです。事業規模はリーマン・ショック時の経済対策(56兆8000億円)を上回ることが必要でしょう。それによって国民が安心して感染拡大防止に取り組めるようにすることが何よりも重要です。

なお、番組は下記のURLで視聴が可能です。
https://www.youtube.com/watch?v=1K0H8btINOE