今年は「明治150年」の節目の年にあたります。明治維新によって日本は近代化を成し遂げ、今日の日本経済の基礎を作りました。明治維新には、平成の日本経済がバブル崩壊以来の長期間にわたる低迷に終わりを告げて復活を遂げていくためのヒントが詰まっています。
 このブログでは、明治維新前後に活躍して日本の近代化に大きな役割を果たした人たちに焦点を当て、彼らのゆかりの地を巡ります。
 まず、明治維新と言えばこの人、今年のNHK大河ドラマでも話題の西郷隆盛です。西郷さんの生まれ故郷、鹿児島に行ってきました。
 鹿児島の表玄関、鹿児島中央駅からほど近いところ、甲突川沿いの所に西郷隆盛誕生の地があります。

  西郷隆盛誕生の地は、甲突川の土手から降りた所にある。今は小さな公園となっている。

 この一帯は加治屋町という地名で、江戸時代から現在に至るまで同じ町名で、通りや区画も江戸時代当時のままだそうです。鹿児島の城下町の一角ではありますが、お城からは少し離れていて、主に下級武士が住む町だったようです。
 ここに西郷家の家があり、西郷隆盛のほか、従道など弟たちも生まれました。近所では、西郷のいとこで後に陸軍大臣となった大山巌、日露戦争で日本海海戦を指揮した東郷平八郎、大正時代に総理大臣に就任した山本権兵衛など、明治~大正時代に活躍した数多くの政治家、軍人が生まれました。

  大山巌誕生の地の碑は、西郷誕生の地から歩いて2~3分の所

  東郷平八郎の誕生の碑は高校に敷地に接した場所にある

  山本権兵衛誕生の地は、マンションの前に立っている

 また加治屋町は西郷の盟友・大久保利通の「生い立ちの地」でもあります。大久保は甲突川の向かい岸沿いの高麗町で生まれましたが、加治屋町でいつも西郷たちと遊び学んだ幼友達でした。加治屋町の入り口にあたる電車通りには大久保の銅像も立っています。

 「大久保利通生い立ちの地」は西郷誕生の地から徒歩で2~3分の所

  大久保誕生の地は甲突川の対岸の町にある

  コートを翻しさっそうと立つ大久保利通の銅像
  
 町内を少し歩くだけで、これらの人たちの「生誕の地」の碑や像を目にすることができます。歴史上の有名人の碑や像がこれほど多くそろっている町は、日本広しと言えども他にないと思います。まさに、この町から明治維新が始まったと言っても過言ではないでしょう。



甲突川沿いの左側が加治屋町。周辺は歴史公園として整備されている

 ちなみに、薩摩と並ぶ明治維新の主役、長州の本拠地・萩の町も歩いて数分の範囲内に、高杉晋作や桂小五郎(木戸孝允)の誕生地、伊藤博文が幼い頃に預けられていたお寺などがあり、当時のまま保存されています。萩も「明治維新が始まった町」だと実感する場所ですが、こちらはいずれ別の機会に紹介します。