先日、ある取材で鹿児島に行ってきました。連日35度を超える猛暑で大変でしたが、天気が良かったおかげで、桜島の雄大な姿を写真におさめることができました。

 

          鹿児島市城山から撮影

 

 島津家の別邸だった仙巌園から撮影

 (正面の錦江湾を池に、桜島を築山に見立てた借景となっている)

 

 鹿児島では20113月の九州新幹線の全線開通以来、観光客が増加し、鹿児島中央駅前は駅ビルの増築や駅前再開発が進みました。昨年の熊本地震の影響で観光客数は落ち込みましたが、今年は回復基調にあります。特に外国人の増加が大きいそうです。 

  新装なった鹿児島中央駅の駅舎(正面左)と駅ビル

 
 鹿児島中央駅を起点とする市電(軌道内の緑が美しい)

 

 来年は鹿児島にとって「明治維新150年」という節目の年になります。市内には、西郷隆盛、大久保利通をはじめ、薩摩出身の偉人の銅像がたくさん立っています。昨年ブームになった五代友厚の銅像もあります(五代友厚については近いうちに詳しく書きます)。日本全国の多くの町でも地元出身の偉人の像はよくあるものですが、鹿児島市ほど銅像の多い町はないのではないかと感じるほどです。もちろん銅像だけではありません。偉人たちにゆかりの地や歴史上の出来事の舞台となった史跡など、明治維新にまつわる見どころがいっぱいです。

 軍服姿の西郷隆盛像(このほかにも市内には西郷像がいくつか立っている)

 

 2015年には、幕末から明治にかけての近代化の足跡を示す「明治日本の産業革命遺産」が世界遺産に登録され、鹿児島市内の反射炉跡、旧集成館などがその構成資産となっています。

(詳しくは、岡田の公式ウェブサイトに掲載中のコラム「歴史から学ぶ日本経済」のうち、下記をご参照ください。)

http://okada-akira.jp/history/vol14.html

 http://okada-akira.jp/history/vol06.html など

 

世界遺産に登録された反射炉の遺構(仙巌園内)

 

もともと鹿児島が持っているこうした観光資源に加えて、来年はNHKの大河ドラマで西郷隆盛を主人公とする「西郷(せご)どん」が放送されます。鹿児島県や市は、「明治維新150年」を軸に観光客誘致に力を入れるとともに、それを通じて地域活性化を図ろうとしています。

特に鹿児島県は今年度から「PR・観光戦略部」という新組織を設置し、観光客誘致とともに、農林水産物などの県産品の国内外への販売促進、優れた素材の情報発信など、長期的視点で戦略的に推進する体制を作りました。いわば、観光を軸にしたブランド戦略と地域経済活性化を推進するねらいと言えます。

今、各地方では観光客誘致と地域活性化が大きなテーマとなりつつありますが、鹿児島県のこうした動きは一つのモデルとして期待できそうです。