このところ、トランプ大統領への批判が改めて強まています。

きっかけは、米南部で起きた白人至上主義団体と人種差別反対派市民との衝突事件で、白人至上主義グループの攻撃で死傷者が出たにもかかわらず、トランプ大統領が喧嘩両成敗的なコメントを出したことでした。しかもその後も白人至上主義者を擁護するような発言を続け、火に油を注ぐような態度をとり続けています。

これに対し全米に抗議活動が広がっただけでなく、経済界や与党・共和党の議員からも公然と批判の声が上がっています。経済界は今まで「米国大統領」であるが故に、トランプ大統領に付き合ってきたわけですが、明らかにトランプ大統領から距離を置き始めています。共和党のトランプ離れが進めば、大統領の掲げる政策が議会を通らなくなるわけで、政権は立ち往生です。

 そんな中、側近中の側近で「影の大統領」と言われたスティーブ・バノン首席戦略官・上級顧問を突如解任しました。バノン氏は以前から人種差別的な極右思想の持ち主と言われ、トランプ大統領の「アメリカ・ファースト」との言葉に象徴される排外主義・保護主義的な政策を主導してきた人です。批判をかわそうとの狙いでしょうが、これがトランプ大統領にとって吉と出るか凶と出るか。

 この問題について、『マイナビニュース』で連載中の「経済ニュースの“ここがツボ”」で詳しく書きましたので、ぜひ読んでください。

http://news.mynavi.jp/column/economytsubo/089/

 

しかしどんなに批判を浴びても支持率が下がっても、米国の大統領は簡単にはやめない仕組みになっているのです。この調子で4年間つき合わなくてはならないのでしょうか。それについては、また別の機会に詳しく書きます。