先日、ラジオNIKKEIの経済番組「マーケット・トレンド」(月~金・午後600615)にゲスト出演しました。

放送終了後にスタジオで(TOCOMスクエア)=右は山本郁キャスター

 

同番組に前回出演した2カ月前はフランス大統領選の決選投票直前でしたが、今回は東京都議選の直後というタイミングでした。フランス大統領ではマクロン氏が勝利し、続いて6月に行われた下院選では同氏率いる「共和国前進」、いわゆるマクロン新党が議席ゼロのスタートから約6割の議席を占める大躍進となり、逆にこれまでの政権を担ってきた2大政党は凋落しました

今回の都議選での都民ファーストの会の圧勝・自民党惨敗という構図は、国会と地方議会の違いはありますが、フランスの選挙と共通するものを感じます。その背景には政権政党への批判、既存政治の枠外に登場した新勢力への期待などがあります。

小池都知事が昨年の都知事選に立候補した頃から現在までの様子を見ていると、今から25年前、小池氏がキャスターから転身して参院選に立候補した頃を思い出します。細川護煕氏が日本新党を旗揚げしたばかりでゼロからのスタートであり、本人も何の後ろ盾も持っていない状態での立候補でした。小池氏が当時「政界再編の起爆剤になる!」と決意を漏らしていたのを今でも鮮明に覚えています。その1年後には細川内閣が誕生したのですから、小池氏の初志が貫徹されたわけです。

その後の小池氏については、細川氏から小沢一郎氏、小泉純一郎氏など、時の実力者に接近して政界を渡り歩いたなどと批判されたこともありましたが、昨年の都知事選出馬表明の記者会見で小池氏が「崖から飛び降りる気持ちで」と語っていたのを見て、「原点に戻ったな」と感じました。その流れが今回の都議選でさらに大きくなったと言っていいでしょう。

小池知事は今後国政に進出するのではないかとも取り沙汰されており、今後の展開によっては安倍政権を脅かす存在になるかもしれません。しかし果たして自民党との対決姿勢を強めていくのかどうか、あるいは安倍政権と小池知事が関係修復に動く可能性もあるかもしれません。

いずれにしても安倍政権としては、内閣改造などで政権運営の立て直しを迫られています。そのカギを握るのはやはり安倍政権の“原点”である経済政策の再構築でしょう。アベノミクスにやや息切れ感の見える今、改めて日本経済再生のための展望を示すこと、そのためには改革姿勢をもっと強く打ち出すことが必要だと思います。

この点では、例えばこのブログで何度かとりあげた国際金融都市・東京に向けた取り組みなどや法人税改革などでは小池知事とも協力できる余地はあるような気がしますし、東京五輪については協力どころか緊密な連携が必要です。

番組ではこのような都議選の影響や安倍政権の課題、小池都政との関係などについてお話ししました。詳しい内容は、ラジオNIKKEIの番組ブログをご覧ください。

http://blog.radionikkei.jp/trend/post_776.html

 

また、下記URLからオンデマンドで聴くことができます。

http://www.radionikkei.jp/podcasting/trend/2017/07/player-201773.html