不良債権をきれいにするには、どうすればいい? | 福山市の公認会計士・税理士 岡田章宏があなたの会社の悩み、ご一緒に解決します!

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広島県福山市を中心に活動する税理士・公認会計士の岡田章宏です。節税対策から金融機関のための経営計画策定・事業承継・相続対策まで、会社経営にまつわる問題をお客様と二人三脚で解決します。府中市・尾道市・神石高原町・庄原市・三次市等もエリアです。

皆さん、こんにちは。

貴方に安心を提供する公認会計士 税理士 岡田章宏です。

 

長年にわたって放置されたままの売掛金などの債権。

ずっと昔に倒産したものもあれば、何らかの理由で取引がストップしてしまい、連絡もままならないケースもあるでしょう。

あるいは、そもそも本当に実在する債権かも怪しい、もしかしたら記帳のミスでそのままになってしまっているものだって、あるかも知れません。

 

こんなときは、どうすれば良いのでしょうか?

もしその年度が大幅な黒字になって、このままでは多額の課税が生じてしまうとしたら?

このような債権勘定を取り消して損失を計上することで、利益を圧縮できるのでしょうか?

 

答えは、ノーです。

 

というのも、税務当局から見れば「いざという時に利益調整する目的でキープしている含み損」になるからです。

帳簿価額通りに回収できないからといって自由に損切りできたなら、会社側の都合でいくらでも利益を操作することが出来てしまいます。

このような裁量的な利益操作は基本的に認められていませんし、税務当局が特に嫌がるものでもあります。

 

では、回収ができなくても損失(損金)として処理することが出来ないのでしょうか?というと、決してそんなことはありません。

 

一つは、貸倒処理する方法です。

会社であれば実質的に倒産、個人であれば破産などの理由で、客観的に見て明らかに全額の回収が不可能と認められる場合であれば、貸倒損失として税務上の損金(経費)として計上することとなります。

 

ただし、ここで注意。

損金(経費)処理するのは、あくまで実際に回収不能となったタイミングです。

ですので、ずっと昔に倒産・回収不能となった債権であれば、当年度の損金としては原則認められません。

前述の通り、裁量的な利益操作をさせないため、このようなルールとなっています。

 

もし過去の決算で貸倒損失が未処理であれば、実際に生じた年度の申告について更正の請求を行う形で対応することとなります。

更正の請求が可能なのは原則として5事業年度前までなので、この期間を超えてしまうと損金にはできなくなってしまいます。

 

貸倒損失には、もう一つの方法があります。

こちらから債権放棄する方法です。

具体的な手続は税法上定められていませんが、内容証明郵便によって債務者に通知するのが一般的です。

 

ただし、ここでも要注意なポイントがあります。

債権放棄の通知さえすれば、どんな債権でも落とせるわけではありません。

督促するなど回収のための相応の努力をしたことや、倒産していなくても休眠している、相手方が債務を認めていないなど、事実上回収が困難であることの一定の裏付けが必要です。

明らかに回収可能であるにも関わらず債権放棄をした場合、税法上は相手方に対する寄付金としてみなされてしまい、損金にはできません。

さらに、相手方は贈与を受けたものとして、贈与税あるいは受贈益が課されてしまいます。

 

不良債権はいわば、過去の負の遺産。

身ぎれいにしたいところですが、上手な処理も欠かせません。

 

公認会計士 税理士 岡田章宏事務所

 

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