フォースマスター(FM)600の新型が出ないので・・・。
シマノの小型電動リール、FM600が今年春に発売予定で、買う気満々だったんだけど11月以降に延期・・・。
新型600をテスター諸氏が使う動画をチェックすると、タチウオ釣りに特化した機能が追加されたようですが、自分はコマセマダイ釣りメインに使う予定なのであまり必要な機能ではないかな・・・。
スペックを見ると、
▲上が2020年式、下が新型2023年式。パワー・スピードといった動力系はまったく一緒。それなら旧型で充分ということで、2020年発売のFM600を購入。
▲コンパクトサイズで、コマセマダイに使っている人多数。
▲ちなみに現在愛用中のビーストマスター(BM)1000EJのスペック。圧倒的パワーとスピードですが、600より250gも重い・・・。
BM1000EJとFM800は悪くないけど・・・、
・BM1000はタナ10~20mの浅場ではオーバースペック気味(浅場で巻上速度やパワーは特に必要ない)で、重い・・・。
・800は快調に作動中だけどかなりの旧型なので・・・。
という理由でFM600を購入したというわけ。
▲マダイロッドにFM600を取り付けると、その小ささが際立ちます。
▲タチウオやライトアジ、鹿島マダコ用に使っているFM400と同じようなサイズ感。このリールは極軽量で重宝しているんだけど、何しろ2013年発売の旧型なのでハードな使用は控えたい・・・600を代替品にする予定。
※FM400のスペックは、自重390g(495)、実用巻上持久力:4.2kg(6)、最大巻上速度:155m/分(195)。
()内はFM600。
サイズ比較。
▲左からBM1000EJ、FM800、FM600。糸付きの自重は左から750g、570g、500g。
※1000と600は、大きさ・重さに大きな差あり。
▲800と600は、上から見るとほぼ同じようなサイズ感だけど、横から見ると800の方が高さがあり、少しばかりパーミングしにくい。
※600は片手ですっぽり包み込めるようなコンパクトさ。
※ドラグは800の方が圧倒的にシルキーで、マダイ釣りにぴったりのリールです。
非常にコンパクトで軽量なFM600ですが、コマセマダイ釣りでの80号ビシの鬼手返しに耐えうるのかが非常に気になるところ。
ということで、
早速実釣テスト。
▲べた凪・快晴・激空き。最高の実釣テスト日和です(笑)。都会は酷暑予報だけど、剣崎沖の早朝気温は27℃で肌寒いぐらいでした。
▲実釣開始。釣りを始めた途端に、リールの軽さに大感激。コマセを撒いたり、手持ちで誘ったりが楽ちん。ついつい手に持って誘いすぎて、サバ地獄になったりして(笑)。
本命からのアタリは遠いですが、3分手返しを執拗に繰り返し、サバが掛かってゴリ巻きしたりを何度も繰り返してみた感想は、
巻き上げ速度・パワーが抜群!!
ちょっとびっくりするぐらい巻き上げが早く、80号ビシの手返しも難なくこなすパワー感が秀逸。こんなに軽くて小さいリールが、これほど力強いとは思わなかった・・・早く買えば良かった(笑)。
永遠に当たらないのかと思った終盤戦、
▲ついにヒット!! ちょっとピーキーなドラグ(後述)に気をつけながら、強い引きを楽しみつつ上げて来ます。
▲全てのスイッチに指が届くので片手操作が楽。軽いのでやり取りも楽。
▲無事にナイスサイズゲット!
タッチドライブは、割り切って使えば便利!!
FM800や1000~3000がパワーレバーなのに対し、FM600はタッチドライブで、これが苦手だという人が少なくない・・・。
タッチドライブは、慣れないと電動でのやり取りが難しく感じるかもしれませんが、実は楽勝なんですよ。
タッチドライブで巻上速度を調整しようとするから難しいんです。
中間速(任意に設定可能)とHi(最高速)
この2速を使うリールだと割り切ればいいんです。これ以上シンプルな構造はありません(笑)。
さらに、コマセ撒きやポンピングで1~2mの巻き・止めをこまめに繰り返す場合は、チョイ巻き(PICK UP)スイッチ(押した分だけ巻く)を使えば、楽にやり取りできます。
中間速と最高速とPICKUP
この3つで、大物とのやり取りも安心安全。そう考えればタッチドライブを敬遠する理由なんてないでしょ?
- 当たったら合わせ、
- 静まるのを待ってから竿を立てて、下げながらチョイ巻きでポンピング。
- 抵抗感が減ってきたら、中間速(12~15ぐらい)で、ポンピングせずに巻き上げ。
これで万全です。
※当たった時、いきなりタッチドライブスイッチを触るとギューンとなって慌てるので、チョイ巻きスイッチを活用すると安心してやり取りができます。
※FM600使用のコマセマダイ釣りで、日本一やり取りに精通しているシマノの松本プロは、チョイ巻きスイッチではなくタッチドライブを駆使してポンピングしています。慣れてくればこっちの方が良いかも。
https://www.youtube.com/watch?v=FiNbjPCL4WU
▲タッチドライブを使ったやり取り動画。参考になりますよ。
※超低速で撒き続けるタチウオテンヤ釣りも、簡単に速度設定できるタッチドライブが便利。
実釣の方は一枚で終了~。
▲潮が澄みすぎて激渋でした。でも、新リールの軽快な巻き心地を味わいつつ、飽きずに一日過ごせました。バナナ氏が2枚でトップ!!
FM600のコマセマダイにおける使用感。
・軽いのに早い。手返し時の巻き上げ速度はFM800より早く、BM1000EJと同等・・・凄いです。
・巻き上げパワーも秀逸。でっかいサバが2匹掛かり、ドラグガチ締めでガリガリ巻き上げても余裕、竿が曲がり過ぎてかわいそうなぐらいでした。
※不意に当たってくるワラサにも対応できるパワー感ですが、とはいってもワラサ船での使用はおすすめできません。高負荷で使い続けると疲弊・故障が早まりそう。あくまでもPE1~3号使用の釣り物に最適なリールです(ワラサ釣りはPE4~5号を巻いた1000~3000番のリール使用がベスト)。
・工作精度が秀逸。ハンドルのがたつきやチリのずれ等皆無で、リールカウンターの精度も文句なし。全体にかっちりしていて、使えばすぐに良いリールだとわかります。
唯一最大の弱点が!!
FM600は想像以上によいリールだと感激したんですが、唯一の難点がドラグ。
このクラスの小型リールにしてはドラグが強すぎるのか、ちょっと締めるとすぐにきつくなって、微妙な設定がしにくいんです。
※FM400と600は同じようにドラグ設定幅が狭い。ワンクリックで強度が大幅に変わるので設定に気を遣います。
※FM800は非常に精度の高いドラグ設定が可能なので、細ハリスでのマダイ釣りも安心。
※BM1000EJも繊細なドラグ幅がある(800ほどではない)ので使いやすいです。
FM600はコマセマダイ釣りはあまり意識しないで作ったのかな?
と思うぐらいドラグの設定幅が狭い・・・。
▲イメージですが、ねじ山のピッチがこれぐらい違う感じ(上が600=ピッチが荒い、下が800=ピッチが密)。600はワンクリックで急激に締まる・・・。
例えば、1㎏→1.5㎏にドラグ負荷を変更する際、
・FM800は3~5クリックで非常に緩やかに締まっていく。
一方で、
・FM600は1~2クリックで急に締まる・・・。
ぐらいのイメージです。
コマセを撒いてタナセット後、ドラグを緩めて適正値にしたつもりが、スタードラグから手を離すときにほんのワンクリック余計に締めたために、大物ヒットでハリス切れ~~なんてことになりかねない・・・。
ハリス2.5号や3号といった弱い仕掛けを使う際は、特に要注意だと思いました。
そういえば松本プロから、「でかいのが掛かったときにクラッチon/offで対応した」なんて話を聞き、「昔みたいだ」と(笑)。でも、600使用時に極細ハリスに大鯛が来たら、確かにクラッチ操作しないと取れないかもと納得。怖くてワンクリック締めるのに勇気がいりそう(笑)。
使い込んでいって、ドラグのアタリが出るともう少しスムーズかつ緩やかな効き具合になりそうなので、経過観察してみます。
ドラグが怖いというのは、あくまでも極細ハリス使用時限定のお話です。
ドラグ設定幅が狭いとは言っても、3.5~4号の強いハリスを使えばまったく問題ありません。ワンクリックである程度ドラグが締まっても問題無く対処可能で、不意の大物にもドラグがスムーズに作動してくれるのでご安心ください。
再度、誤解無きように強調しておきますが(笑)、
しっかりした仕掛けを使い、きっちりドラグ設定をすれば、どんな大鯛にも対処できる性能を兼ね備えたリールです。
軽さとパワーが強力な武器になること間違い無し。
今後のマダイ釣りは、このFM600を主力リールにしていこうと思っています。そのうち、耐久性を含めた長期使用インプレも・・・。
ということで総評的には、
★★★★☆
星4つといったところかな。ドラグのピーキーさ以外は文句なしの使用感でございました。
今更のインプレなので、すでに使いこなしている人には当たり前のお話かな(笑)。
でも、誰もドラグがピーキーだなんて教えてくれなかった、もしかして自分が使うリールだけの症状?? そんなことは無いよなあ・・・。
ということで、いつもながら個人的な感想ですので参考程度でお願いしますよ~。
バイバイ