台湾総統 蔡氏が再選 「一国二制度」を拒否 過去最多得票
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【台北=中沢穣】台湾総統選が十一日投開票された。民進党の現職、蔡英文(さいえいぶん)総統(63)が、最大野党国民党の韓国瑜(かんこくゆ)高雄市長(62)、親民党の宋楚瑜(そうそゆ)党主席(77)を大差で破って再選した。中国と距離を置く蔡政権の路線が信任され、蔡氏は政権を維持した。中国は台湾への圧力をさらに高め、東アジア情勢が緊迫する可能性がある。
蔡氏は同日夜、台北市内で勝利宣言し、中国に向けて「台湾に対する脅しをやめ、両岸関係の将来は対話によって決めるべきだ」と訴えた。中国が求める「一国二制度」の受け入れも拒否する考えを強調した。
一方、韓氏は同日夜に台北市内で敗北を認め、「台湾の団結を望む」と話した。国民党の呉敦義(ごとんぎ)党主席は大敗の責任を取り、辞任する意向を表明した。
蔡氏は選挙戦で中国への強硬姿勢を鮮明にし、「台湾の民主主義と自由、主権を守る決意を示そう」と訴えた。
蔡氏の総統一期目では中台関係が急速に悪化したが、香港での抗議活動を受けて中国への反発が広がり、蔡氏の強硬路線への支持が高まっていた。
親中派の韓氏は「台湾に安全を、人々に金を」をスローガンに、中台関係の改善による経済の発展を訴えた。青果市場の元経営者として庶民派を売りにし、蔡政権の経済政策や腐敗などもやり玉に挙げた。二〇一八年秋の統一地方選では国民党を大勝に導いたが、香港の抗議活動に対するあいまいな発言などをきっかけに支持率が急落した。
<蔡 英文氏(さい・えいぶん)> 1956年8月、台北市生まれ。台湾大卒業後、米コーネル大で法学修士号、英ロンドン大で法学博士号を取得。政府顧問として貿易交渉を主導したほか、李登輝総統が99年に提唱した「二国論」起草にも携わった。民主進歩党(民進党)の陳水扁政権で2000~04年に大陸委員会主任委員(閣僚)。立法委員(国会議員)、行政院副院長(副首相)を経て08年民進党主席。12年総統選で国民党の馬英九氏に敗れたが、16年総統選で勝利、初の女性総統となった。18年の統一地方選で大敗、党主席を辞任した。
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立法院も単独過半数で民進党が制したようだし、まぁ一安心。