【ソロモンの頭巾】長辻象平 シーボルト再見 取り戻せ、江戸の淡水魚の豊かさ | Hideoutのブログ

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 四月に古稀を迎える爺ののブログです。

 日本を取り戻したい……そんな事をエントリーしたい。

 覚醒したら、こんな見方になるのかなと言うものに。

    シーボルトと聴いて罪人なんて頭に浮かぶのは小学生の時の授業のせいだろう。

    僕は還暦過ぎてから日本の偉人の最高峰は伊能忠敬だと確信したんだけど、彼の功績を端的にしたのはシーボルトなんだよね。

    日本の科学がどくじに発展した形が伊能図と呼ばれる日本全図何だよね!


産経ニュース
https://www.sankei.com/column/news/190814/clm1908140004-n1.html
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 『シーボルトが見た日本の水辺の原風景』(東海大学出版部)が出版された。 オランダから派遣され、江戸時代後期の長崎に滞在したドイツ人医師のシーボルトは、医学や植物学だけでなく、日本の淡水魚の分類学にも大きな足跡を残しているのだ。

 シーボルトらが集めた淡水魚はアルコールを満たしたガラスの標本びんに収められるなどしてオランダ・ライデンの生物多様性センター・ナチュラリス(旧オランダ国立自然史博物館)に保存されている。

 分類学というと古めかしい生物学を考えがちだが、急速に生物の絶滅が進む現代において、不可欠の基礎分野として近年、存在感を増しつつあるという。

 編著者で日本魚類学会長の細谷和海さんからシーボルトへの熱い思いと「保全分類学」という新たな研究分野の目指す所を聞いた。

 ◆研究者10人が意欲

 この意欲作はシーボルトをめぐる楕円(だえん)の宇宙で構成されている。1つの焦点はシーボルトの事跡に、もう1つの焦点は分類学の重要性に置かれている。

 執筆陣は10人。魚類学を中心に科学史や水域環境の専門家がそれぞれの視点から、約200年前のシーボルトの研究活動と日本の淡水魚の過去と現在に光を当てた内容だ。

 シーボルトらが日本で収集した淡水魚で、新種として記載(登録)されたものは38種に上る。

 現在の国産淡水魚は約500種なので、約8%がシーボルトの標本を基に、分類学上の戸籍が確定したというわけだ。

 シーボルトの居住は長崎の出島に限られていたが、文政9(1826)年には11代将軍徳川家斉への拝謁で、江戸まで旅をする機会を得ている。

 先の38種のうちには、この旅の途次の琵琶湖・淀川水系で採取したゲンゴロウブナやハス、アユモドキなどが含まれる。

 ◆魚育む水田と水路

 シーボルトは長崎と江戸の間での見聞を『江戸参府紀行』と名付けられた日記に詳しく記録している。  濃尾平野の稲田では野鳥のトキを見た。江戸期の日本の水田には魚鳥や貝をはじめとする多様性に富んだ生態系があったのだ。

 「水田は水圏と陸圏の両性質を備えているので生物群集が豊かになります」と細谷さんは語る。

 その豊かさが現在の日本では面影さえ消えかけている。主な原因は水田農業の生産効率化にあるようだ。

 例えば3面コンクリートの用水路。そこで生物は生きていけない。だが、素掘りの土水路に戻すと今度は別の困難が台頭する。泥揚げや水草刈りに必要な働き手の不足で、水田そのものに耕作放棄の拍車がかかる事態を招く。

 淡水魚の生育と回遊が可能になる「魚類学的水循環」は、水田と水路のネットワークがあって成立するものだ。

 「これからの農業政策には淡水魚を貴重な環境資産とする視点が欠かせません」と細谷さん。

 絶滅の危険度が高い国内の汽水・淡水魚は71種。そのうち、ミヤコタナゴ、ゼニタナゴ、ヒナモロコ、シナイモツゴなど23種が水田周辺部の仲間なのだ。

 ◆タイムカプセルだ

 これらの危惧種の保全に当たっては、分類学が重要になる。

 「例えば、ムサシトミヨというトゲウオの一種は絶滅に瀕(ひん)しているにもかかわらず、学名が確定していないために、国内希少野生動植物種の候補にはなり得ません。その結果、環境省が進める保護増殖事業の対象外となっているのです」

 この厳密さは、国際自然保護連合(IUCN)においても同様だ。学名は世界中で共通する生物の識別コードであるからだ。

 学名を決める際に使われた標本は模式標本と呼ばれ、永久保存される決まりになっている。

 シーボルトの手を経たアユやニホンウナギなどの模式標本は現在、ナチュラリスの魚類標本収蔵庫で管理されている。これらの標本は、江戸後期の自然の実相を伝えるタイムカプセルとしての性格も持っている。

 細谷さんらは幾度もナチュラリスに足を運んで淡水魚の標本を精査し、本書をまとめた。日本列島の淡水魚と淡水魚文化の再生を願う心が伝わってくる。

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 淡水魚を取り巻く現況は厳しい。外来魚による食害だけでなく、最近は太陽光パネルの設置場所として、ため池が狙われる。

 水中への日射が遮られるとヘドロの池に化してしまう。ため池は絶滅危惧種の淡水魚にとって重要な避難場所なのだ。

 若い世代に「シーボルトとは」と尋ねると「音楽家」とか「放射能」という答えが返ってくるという。

 シューベルト、シーベルトとの混同。笑ってはいられない現象だ。
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    シーボルトは開国後も来日し、一人娘の面倒見たり、帰国後の結婚でもうけた弟と娘を逢わせたりと結構大忙しだったらしい。

    シーボルトが持ち帰ったモノを眺めに行きたいなあとの希望は有るけど、先ず無理だろうな。