「断固として変えない」…習近平が事実上の「政治改革拒絶宣言」(古畑 康雄) | 現代ビジネス | | Hideoutのブログ

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 日本を取り戻したい……そんな事をエントリーしたい。

 覚醒したら、こんな見方になるのかなと言うものに。

    俺はジャイアンを辞めないぞ!との宣言みたいだな!


現代ビジネス

https://gendai.ismedia.jp/articles/-/59144

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古畑 康雄

 1966年東京生まれ。共同通信社編集局国際情報室次長。89年東京大学文学部卒業後、共同通信社に入り、地方支社局を経て97年から北京の対外経済貿易大学に語学研修留学。2001年から16年まで同社の中国語ニュースサイト「共同網」を企画、運営する。著書に『習近平時代のネット社会』(勉誠出版、2016年)、『「網民」の反乱―ネットは中国を変えるか?』(勉誠出版、2012年)など。 


1987年、北京

薄暗い蛍光灯の下、ガラスケースの中や奥の棚に商品が並んでいる。商品を求める人々は、ケースの後ろにいる店員に次々と声を掛けている。自分も恐る恐る「すいません」と慣れない中国語で声を掛けたが、返事はない。もう一度声を上げて「すいません!」と呼ぶと無愛想な店員がこちらを向いた。「あれがほしい」と商品を指差すと、面倒そうに商品を出し、お金を支払うとお釣りの紙幣をポイと投げてよこした。


1987年、初めて北京を留学で訪れた時、繁華街の国営商店で買い物をしたときの思い出だ。およそサービスとは程遠い対応だったが、ほしい商品が手に入ればいい方だ。


当時、中国に留学した学生の間で流行ったジョークがあった。「中国に来て初めて覚える単語は何か?」というものだ。「你好」「謝謝」「再見」ではない。「没有(メイヨウ)」つまり「ない」だというものだ。確かに商店では「没有」と無愛想に言われることがよくあった。商品があるのに売るのが面倒だと「没有」と言われたという、信じられないような話もあった。


当時、外国の商品は「外貨兌換券」(1990年代前半に廃止)がないと購入できず、外国商品を取り扱っている建国門外の「友誼商店」には、留学した北京大学からはバスを乗り継いで半日がかりの旅だった。


友誼商店や北京飯店の近辺にはいわゆる「チェンマネ屋」、つまり外国製品を買いたくても外貨兌換券を持たない中国人のために「チェンジマネー?」と我々に人民元との闇両替を持ちかける少数民族の若者がたむろしていた。


街で食事をしようにもファストフードなどはなく、思い切って入った道端の食堂には、料理の名前が黒板に書かれているだけだった。食器はホコリをかぶり、かごに入った竹の箸をティッシュで拭くと真っ黒になった。今やハイテク企業が立ち並ぶ中関村には生鮮食料品市場があり、個人業者が肉や卵、野菜を売っていた。


改革開放が始まって10年足らずの中国は、北京のような大都会でもこんな状況だった。バブル景気の中で学生時代を過ごし、生の中国語を学ぼうとやってきた自分にはカルチャーショック、まさにサービスも商品も何もないという感覚だった。


日本に電話をするには、学校の長距離電話室に申し込みが必要だったし、列車の切符は北京駅の外国人専用窓口に何日間も通ってようやく手に入れた。今ではいずれもスマホさえあれば、微信(ウィーチャット)で瞬時に中国の友人と通信ができるし、旅行予約アプリで高速鉄道の予約ができる。


今年は1978年に始まった中国の改革開放から40年に当たる。当時はあまりの不便さに驚愕したが、むしろあの時代をわずかでも直接体験できたのは良かったと思う。この間の驚異的な発展をそのスタートから知ることができたからだ。


だが、40年間の変化は、経済や物質的な変化にとどまり、政治改革や国民の権利、自由の拡大といった面では、停滞どころか後退すら起きているとの声が出るようになった。こうした状況に中国のネット世論や知識人はどのように考えているのか、紹介したい。


「断固として変えない」と演説

習近平国家主席は12月18日、改革開放40周年を記念する大会で演説を行った。2時間近くの演説の中で、人々の記憶に強く残ったのは、「改革すべき、改革できることは断固として改革するが、改革すべきでない、また改革できないことは断固として変えないという発言だった。


知人で自由派学者の栄剣はツイッターで「談話の全文を読んだが、重点中の重点はこの『改革すべきでない、また改革できないことは断固として変えない』という言葉だ。すでに千項目以上の改革をやった。残っているのは改革すべきでない、あるいはできないものだ」とコメントした、つまりは談話の重点は「改革しない」方に重点があるとの指摘で、多維ニュースなど海外の中国語メディアは「不改論」と名付けた。


ボイス・オブ・アメリカ(中国語)の「習近平の強気の談話 米中関係一層の困難に」という記事によれば、英オックスフォード大学の研究者は、12月初めのアルゼンチンでの米中首脳会談を受け、習近平が今回の大会を利用して新たな経済改革の方向を表明するのではと期待していたが、習近平の談話に失望したと述べた。


「人々が関心を持つ市場化、イノベーション、政策の変化などのテーマは取り上げなかった。代わりに出たのは非常に強硬かつ挑発的な主張、つまり共産党が過去、現在そして将来も、経済や全国の指導的地位を保ち続けるという発言だった」とこの研究者は語った。


フランス国際ラジオ(19日)も「40年の改革について習近平が行った演説の中で、人々の記憶に残るのは『改革できないものは断固として変えない』という部分だけだろう。人々が感じたのはこの『堅決不改(断固として変えない)』という4文字であり、共産党の絶対的な指導を強調した習近平の発言からは、政治改革は全く不可能だということをより強く印象づけた」と指摘した。


そして、微信では、「改革開放とは何か」という、習近平の発言に関する次のような文章が投稿された。主な内容は次のようなものだ。


真の改革は最初の十数年だけ

「改革開放から40年がたったが、真の改革は初めの十数年に終息し、残りの二十数年は停滞、さらには後退し、中国経済は困難に陥った。」


「改革開放40年を記念する最も良いやり方は、より多くの権利を民衆へと戻すことだ。それによってのみ、民衆は豊かになり、国家は真に強大になることができる。民衆への規制を緩め、権利を民衆に戻すことで、民衆と国家はウィン・ウィンを実現できる。」


「確かに改革を行わなくても、国家は強大になることはできる。旧ソ連もそうだったが、強いのは外側だけで内実が伴わない蜃気楼のようだった。民が豊かになるという基礎を欠いたまま国だけが強くなるのは、虚偽であり長続きはせず、あっという間に崩壊し、旧ソ連やナチス・ドイツのように巨大な災難が訪れるだろう。」


「中国人は今日、見かけは豊かになった。だがそれは一部にすぎず、大部分の人々は温飽(最低限度の衣食が満たされる状態)問題を解決できたにすぎない」


「現在の中国の社会保障制度は極めて不十分で、貧困層の最低限の保障すらできていない。そして制度的保障がないため、金持ちでも人身や財産が保障されず、突然捕まったり、財産を没収されたりという不安を抱えている。お金があるだけでは不十分で、文明的な政治制度が必要だ。」


「つまりは経済を開放するだけではだめで、民主的な政治制度が必要だ。民主的な政治制度による保護がなければ、経済的な成果は再び失われてしまうだろう。改革開放の最終目標は、開放的な経済制度と民主的な政治制度を確立することであり、それによってのみ、真の『民富国強』を実現することができる。」


ペンス演説を意識

さらに、今回の習演説で人々の注意を集めたのが、「何人も中国人に対して偉そうに指図することはできない」といった、米国を意識した発言だった。


元共産党中央党校機関紙「学習時報」副編集長の学者、鄧聿文はツイッターに、「改革開放40年の談話をみて、胡錦濤の30年の談話に比べより後退したがより強気の姿勢が感じられる。党の絶対的指導や、政経分離を強調しただけで、足を引きずりながらの改革だ。そしてペンス(米副大統領)への闘争心が感じられ、ペンス演説への回答と言えるものだ」と指摘している。


ペンス演説とは言うまでもなく、「米国は中国に自由が経済だけでなく政治にも、各分野に行き渡り、中国が自由主義の原則を尊重し、私有財産、個人の自由や宗教の自由を尊重し、人権を尊重することを望んでいた、が、こうした望みは失われた」と中国を厳しく批判した今年9月の演説だ。


習近平の勇ましい発言は確かに、国内のナショナリストを喜ばせただろう。だが、米中の摩擦がエスカレートし、単なる貿易問題から両国の価値観の相違にまで広がる中で、習近平の強気路線に舵取りを任せたままで良いのかという声も広がりつつある。


親中派メディアが習批判?

ラジオ・フリー・アジア(RFA)やフランス国際ラジオ(RFI)などによると、親中派の中国語ニュースサイト、多維ニュースに3日、異例の習近平批判が載った。


「極左が中国を引き裂く 習近平は責任を負うべき」という題名の評論は、最近「民営経済退場論」や大学入試での政治(思想)審査など、中国社会で左傾化が強まっているとして、この「妖風(怪しげな風潮)」に対し、習近平は共産党の核心として、自己批判が必要だと主張。


具体的には習近平自身への権力の集中、共産党による管理強化、個人崇拝、イデオロギーの左傾化などを挙げ、習近平はこれら全てに対し責任を負うべきだとしている。


この文章には習近平が「第2の毛沢東になろうとし、かつての独裁の道に戻ろうとしている」「皇帝の座に就こうとしている」との懸念が広がっているとする、驚くべき表現もあった。


だがこの文章は直ちに撤回、差し替えられ、習近平を批判する上記のような表現は削除されたという。


後に多維は「文章は社会に極端な言論があることを習近平に十分認識してほしいという趣旨だった」として「海外のメディアや民主活動家は文章を曲解し、(習近平に)“退位を迫った”などと報じた」と弁解し、批判した。


だが、RFIによれば多維は4日にも、習近平の経済政策を批判する「習特会(習・トランプ会談)の深度解読 習近平の難題は貿易戦争にとどまらない」文章を掲載したという。


すでにサイトからは削除されたようだが、海外のサイトにはコピーが残っており、以下のような記述がある。


「習近平執政の6年間、中国経済の成長は鈍化し、中国が世界経済のエンジンとしての地位をどのくらい維持できるのか、人々は疑いを持っている。」


「国有経済を強化し民営経済発展を妨げるという習近平の政策に世論の批判が出ている。中国経済はどのような現実に直面しているか? 習が提唱する『一帯一路』は西側メディアから批判されるような、自国の納税者の血と汗で稼いだ金を海外で際限なくばらまいているのではないか、そしてそれらの国家に債務危機という新たな植民地主義をもたらしているのではないか?」


「共産党内部からもこのような懸念が出ており、習の経済政策は党内でも異論が出ている。批判者は、習の国有経済強化は効率とイノベーションに欠けており、中国全体の経済の活力を削いでいると指摘する。」


そして市場経済の規律を重視する李克強首相の考え方がより尊重されるべきだと指摘しているが、党内の権力闘争の可能性すら感じさせる。


改革派学者が「習に7つの忠告」

海外のメディアはよりストレートに習近平の執政の問題点を指摘している。前述の鄧聿文は12月4日ニューヨーク・タイムズ(中国語版)に発表した「習近平への7つの忠告」という文章で次のように強い調子で習近平を批判している。


「2018年は米中貿易戦争と両国関係の悪化が避けて通れない話題だった。両国関係は改革開放40年間で最悪の時期になったと言っても過言ではない。これは自由資本主義と国家資本主義という2つの発展の道が力比べをした結果であり、中国が路線転換しない限り、早かれ遅かれ到来しただろう。」


「だがこれがなぜ2018年に起きたかと言えば、習近平個人によるものが大きい。共産党が19回党大会で習近平の核心としての地位と習近平思想を確立し、今年の全国人民代表大会では習近平の国家主席の任期が撤廃された。この2つの事件が、米国に中国の国家資本主義の発展モデルを今抑制しなければ、今後そのチャンスはないと認識させる転換点となった。米国のエリート層は共産党や習近平に失望したのだ。」


「中国が鄧小平の改革開放路線へと回帰すれば、米中関係は正常化が可能であり、これは中国の大多数の民衆、さらには共産党内の多くの幹部が望んでいることでもある。米中両国の人々はこの点において利害や意見を同じくしており、中国外交の困難な局面を解決する起点、さらに中国の民主化を進める起点にもなるのだ。もし習近平や共産党がこのようなひどい局面が続くのを望まないのなら、40年前の改革開放の原点に戻り、真の民主化と自由化の改革を進める必要がある。」――鄧はこのように指摘している。


そして具体的には、


(1)国有企業の強大化をやめ、民営経済が主、国有経済が従となる、市場が決定権を持つ自由主義経済を実施する。

(2)歴史の教訓に学び、個人崇拝に反対し、国家主席の任期制を復活し、集団指導体制に戻す。

(3)民営企業や外資企業などに党組織を作ることをやめる。

(4)言論の自由を認め、民間の権利擁護団体への弾圧をやめる。

(5)憲法裁判所を創設し、最低限度の司法の自由を実施する。

(6)政治化や官僚の資産公開を行い、政治運動化した選択的な汚職摘発をやめる。

(7)(天安門事件を含む)歴史的な冤罪事件の名誉回復と賠償を行い、政治犯を恩赦する。

の7項目を提言。


「これは最低限度で最も現実的な要求であり、共産党や習近平が直面する困難や制約を十分考慮している。もしこうした提案を無視し、時間や民心を無駄に費やすなら、激烈な社会変革が待っているだけだ。」と結んでいる。


知識人に広がった失望

本稿をまとめるに当たり、友人で北京に住む自由派知識人、M氏の見方を紹介したい。事柄の性格上、本人の安全を考えて匿名とするが、「改革が停滞しているとの見方が広がっているようだが、どのように考えるか」との質問に次のように答えてくれた。(ちなみに、通信内容が漏れる恐れのある中国系アプリは使っていない。)


「多くの人が今回の(40周年)記念活動に希望を持っていた。現在の内政と外交に大きな問題を抱えていることから、(この活動が)共産党が統治のやり方を変えるきっかけになると考えていた。1980年代の鄧小平時代のように、管理を緩め、活力を引き出せば、失われた信頼を取り戻し、経済を活性化できるだろうと。」


「だが習近平の『重要談話』を聞いて、多くの人が失望を感じた。談話は過去6年間の失政への反省も、改革開放の具体的な措置も示さず、『断固として変えない』という文言に驚くほかなかった。」


「その後の株式市場の低迷は市場の『重要談話』への判断を示している。多くの知識人が『これは改革宣言なのか、それとも反改革宣言なのか』と問い詰めている。ここ数日数多くの報道や評論に目を通したが、結論はほぼ一致している。つまり共産党は鄧小平の改革路線には戻らず、未来の中国はますます閉鎖的、保守的、不自由な国になるとういうことだ。」


「今後、中国の市民社会や表現の自由、信仰の自由など人権問題は深刻な危機を迎えるだろう。そして真の市場経済を実現することなく、外交面においても、中国と米国やその同盟国との関係は改善せず、(米中合意がまとまらない場合の)3月2日には貿易戦争のエスカレートを迎えるだろう。」


「注意すべきは、現在の共産党政府は、過度の市場化や開放は共産党の統治に脅威となると判断していることだ。それゆえに共産党政府は、意識的に市場化と開放の程度を引き下げ、民営企業や外資への共産党支部設置や、人権派弁護士や地下教会への弾圧などをしており、重要談話を見る限り、こうした判断に変化はないことは明らかだ。」


「冬来たりなば春遠からじ」

ただ、「冬来たりなば春遠からじ」というか、改革派、自由派も厳しい環境の中で奮闘しているとM氏は述べている。


「だが批判の声もますます強まっている。ここ1年の間に、多くの学者が勇気ある発言をしており、例えば茅于軾、許章潤、栄剣、鄧聿文、萧瀚、盛洪、白信らの学者は政権や首脳に対して忌憚のない批判をしている。最近頻発している退役軍人の抗議活動や、深セン佳士科技の労働争議成都秋雨教会での宗教弾圧事件などは、民間からの反抗がますます強まっていることを示している。


栄剣氏や許章潤氏は筆者と親交があり、本コラムでも紹介している。2人は最近、中国国内でもアクセス可能なフィナンシャル・タイムズ(中国語版)に米中関係や改革開放について、積極的に寄稿している。


これはある程度、習近平の路線がこのままでは中国を危うくするのではないか、鄧小平の改革開放の原点に戻ることで、米中摩擦や国内の民生問題の解決につながるのではないかと、彼らのような意見に賛同する世論の支持があるからではないだろうか。


来る2019年も、ネット社会の言論を中心に、米中摩擦や日中関係、そして国内での様々な課題を抱える中国の動向を、取り上げていきたい。


その手始めとして、1月中旬には講談社α新書から『精日 加速度的に日本化する中国人の群像』が出版される。今年、中国で1つの社会現象となった「精日」(精神的日本人)とは何か、そこから見えてくる日本と中国との関係について、筆者なりの論考と取材に基づいて書き上げた小著だ。多くの方々にぜひともご覧いただけることを願っている。


(本稿は筆者の個人的な見解であり、所属組織を代表するものではない。)

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    式典遣ってたのは知ってたけど、したくない事はしないよって如何にもジャイアンらしい宣言じゃないか?


    もう護る事だけしか頭と中に無いのだろう。


    この文を読んで感じた事は国内の反発を抑える為には何でもしそうだなだった。尖閣上陸も台湾侵攻もう有りそうな気がしてきたよ。


    2019年は経済ガタガタ、社会不安が一層悪くなるだろう。何が起きても不思議じゃないと日本人も覚悟がいるかなあ!