宮崎正弘の国際ニュース・早読み <<トルコはNATOメンバーから降りる積もりだろうか? (201 | Hideoutのブログ

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 四月に古稀を迎える爺ののブログです。

 日本を取り戻したい……そんな事をエントリーしたい。

 覚醒したら、こんな見方になるのかなと言うものに。


    シリア情勢はフラフラし過ぎだ。ロシアの思惑は有利に停戦なんだろうが、手を突っ込んでる各国がアッチコッチでバラ・バラ。当分(二、三年?)は行く先が見え無いままじゃないかな。

    米露の対話(史上二度目のヤルタ会談?)やらロシアの経済的沈没やら今年の変化を見てみない事には・・・。


宮崎正弘メルマ
http://melma.com/backnumber_45206_6651713/
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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成30年(2018)2月28日(水曜日)
         通巻第5621号 
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 トルコはNATOメンバーから降りる積もりだろうか?
  米土関係の険悪化につけ込んだプーチン、シリアで主導権
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 プーチンはシリアの宗主顔をし始めた。
 国民が嫌うアサド大統領体制を擁護しておきながら「自由選挙をやれば多数派のスンニ派が勝利し、アサド独裁は潰える」と発言して、シリアを揺さぶりながらも、凶暴な空爆を続けて市民の民家や病院にも爆弾を降り注いだ。もっとも自由選挙となれば、スンニ派は分裂するので、アサドが漁夫の利を占めるのも明瞭である。

 シリア北部に展開中のクルド武装勢力に対して、トルコが越境攻撃を加え、その武装勢力を支援してきた米国を激怒させたが、エルドアン大統領は知らん顔をしている。

 エルドアン大統領がこうまで反米色を露骨にしているのは、第一に2016年夏のクーデタ未遂事件の扇動者ギュル師を米国が保護しているからであり、第二にトルコが敵視してきたクルド武装勢力に米国がいまも公然と武器供与を続けているからである。

 ロシアがこのチャンスを見逃す筈はなく、プーチンーーエルドアン会談は何回も行われている。あの露土戦争のルサンチマンは何処へやらトルコが米国を袖にしはじめたことになる。

 こうなると予想される最悪の事態とは、トルコがNATOを脱退するリスクである。
プーチンはさかんにそのことをエルドアンに嗾け、中東における米国の影響力の削減を決定的なものにしようと、つぎにイスラエルのネタニヤフ政権に近付いて、レバノンにおけるヒズボラなどの武装集団とイスラエルの話し合いの仲介の労をとるとまで発言しはじめた。

要するに中東のカオスを、さらに混沌とさせる企図がありありとなっている。プーチンも状況対応型の政治家である。

 ティラーソン国務長官は中東問題に明るく、先週もトルコを訪問し、エルドアン大統領と四時間の会談を持った。ところが、険悪ムードの打開方向は見られず、恒例の共同記者会見はなかった。
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 書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評 BOOKREVIEW 
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 ページを捲る度に落涙、その悲劇の本質は「寛容」という国民性の陥穽

  チベットの悲劇がつぎに襲いかかるのは日本である

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ペマ・ギャルポ『犠牲者120万人 祖国を中国に奪われたチベット人が語る侵略に気づいていない日本人』(ハート出版)
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 本書は涙なくして読み通せない。
 行間にも氏の苦労、チベット人の悲劇、その懊悩と悲惨な逃避行のパセティックな思いが滲み出ている。中国にあっという間に侵略され、中国に味方する裏切り者も手伝って、120万もの同胞が犠牲となった。
ダライラマ法王は決死の覚悟でヒマラヤを越えてインドに亡命政府をつくった。
その表現しようのないほどの深い悲しみ、暗澹たる悲哀、血なまぐさい惨劇、しかしこのチベットの教訓こそが、日本がいま直面している危機に直結するのである。
 日本人よ、中国の属国に陥落し、かれらの奴隷となっても良いのかとペマ氏は訴え続けるのである。なぜなら日本侵略計画はすでに日中国交正常化から開始されており、この謀略にほとんどの日本人が気づいていないという失態に苛立つからだ。
 チベットは「寛容の国」だった。
それゆえに「寛容の陥穽」に嵌って、結局は邪悪な武装組織、つまり中国という暴力団の塊のようなならず者によって滅ばされた。
日本は平和憲法という、寛容な国家の基本法を押しつけられてから七十年も経つのに、未だに後生大事に墨守している。それが国を滅ぼす元凶であること、左翼の言う「平和憲法」擁護には騙されてはいけないことを力説している。

 評者(宮崎)がペマさんと知り合ってかれこれ三十年。本書で展開されている歴史的な証言は会うたびに断片的に聞いてはいたが、本書を通じて改めて知った事実も多い。
 とくにペマさんが12歳で初来日したおりにスポンサーとなって呉れた一群の善意の人々がいた。
共通の知り合いは亜細亜大学時代の恩師・倉前盛通教授(ベストセラー『悪の論理』でも知られる)だったが、その前にペマさんは埼玉県毛呂山町に住んで、チベット語を喋る木村肥佐生氏と出会った。
この木村肥佐生氏こそ、知る人ぞ知る波瀾万丈の人生を送った。
チベット潜行十年、チベット名はダワ・サンポだった。木村は英語、モンゴル語をマスターし、さらにチベット語をネィティブスピーカーのように操った。
 木村がチベットに潜り込み、そこで日本の敗戦を知った。残地諜報員としての職務も自動的に解かれ、以後帰国までの流浪物語は木村自身が回想録を書いた。それをもとに木村の生涯を描いた英語本もある。
http://www.ne.jp/asahi/kibono/sumika/kibo/note/kimura/kimurahisao.htm

その木村氏がペマさんの日本における庇護者の一人だったことは聞いてはいたが、ここまで身近な存在だった事実は初めて知った。
戦後、ようやく帰国した木村が外務省へ行くと、かれの体験的情報に、外務省がまったく興味を示さなかった事実も、いかに外務省が腐っているかを証明しているのだが、その批判は別の機会に論ずる。
ともかく本書のエピソードのなかで、圧巻の一つが、この木村がペマ青年を前にして、迎えたチベットからの要人との対話の場面である。中国の傀儡となってからのチベット政界の大物が日本にやって来たときのことだ。チベット政府の内閣官房長格だったバラ氏に会ったとき、木村は言った。
(引用開始)
「閣下は私のことを覚えていらっしゃいますか?」
パラ氏は答えた
「ハイ、覚えています」
すると、木村先生はさらに乗り出した
「私はダワ・サンポです。ソクボ・ダワ・サンポです」
(中略)「私のことなど覚えているはずがない。あの頃、あなたは天下の大バラでしたから。あなたの顔をまっすぐ見られるチベット人はほとんどいなかったが、私はよく覚えているよ。私はあなたの顔を忘れない。私たちが(チベットの改革のための)嘆願書を出しに行ったとき、あなたは私たちに物を言わせずに、叱りとばした張本人だった」
 そして先生は私(ペマ)を指さし、
「この子たちを国のない子供にしてしまったのはあなたたちだ」
 しかし、そのときのバラ氏は立派だった。
彼は静かにこう言った。
「おっしゃることはごもっともだ。だが当時の私たちは英国をはじめ、周囲の圧力と国内の不満に挟まれ、炎の中にいるような感じで、彼ら(チベットの改革派)を国外に追放することで精一杯寛大な措置をとったつもりであったのだ。全員処刑しても収まる状況ではなかったのですから」(本書49−50p。引用止め)
 ほかにも貴重な歴史的証言が詰まっている。

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 書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評 BOOKREVIEW 
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 メルケル独首相は女傑か、怪物か、それとも?

  彼女の政策こそが、ドイツ政治を危機に追い込んだのではなかったか

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三好範英『メルケルと右傾化するドイツ』(光文社新書)
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 三好模英氏は読売新聞特派員としてベルリン駐在経験が三回、ドイツ滞在が合計十一年におよぶ。ドイツ通である。
 前作『ドイツリスク』で著者は山本七平賞特別賞の栄に輝いたが、その祝賀会で妙に畏まっていたのが印象的だった。三好氏はおとなしい人なのである。ところがいったん筆を執ると、本質を直角的にずばり抉り出し、物事の地下水脈の動きにまで筆が進む。
いったいドイツ政界に何が起きているのかを知るために本書は格好の現在報告書でもある。
 先週、評者(宮崎)はたまたまブリュッセルに二日ほど滞在したので、時間を工面してタクシーを雇い、EU議会とEU本部の撮影に行った。
この一帯はインタナショナル・ヴィラッジとでも呼ぶべきだろうか、EU加盟国のエリートが集まり、机上の空論を戦わせながら、贅沢な官僚生活を送る所でもあり、ナショナリズムを異端視するリベラルの巣窟でもある。
ところがベルギー国民の大半がEU官僚どもを「税金の無駄つかい」と批判する。ベルギーのような小国に、しかしなぜEU本部を置いたかと言えば、国際組織の本部を誘致することでベルギーの経済的飛躍を狙ったからでもある。
しかし、そのベルギー国民が、ドイツで「ドイツのための選択肢」などの反メルケル運動が台頭し、フランスでルペン率いる「国民戦線」が第二党に躍り出てきたように、ベルギー政治の変革を希望しているのも、皮肉というほかはない。
 そしてEUの旗を振ったのがドイツだった。
 メルケルは保守政治家と見られがちだが、彼女は西独ハンブルグ生まれだが、東ドイツへ移住し、共産主義の教育を受けている。数学も出来たが、ロシア語がぺらぺら、政治信条はリベラル。そのうえトランプを敵視する。つまりメルケルは断じて保守政治家ではない。
プーチンのような「状況対応型政治家」の典型であると言える。それゆえ政策に大きな振幅が見られ、その「変節」の度に、欧州全体が混乱することになる。そうして文脈から見れば、いったいメルケルは世界の救世主なのか、それとも世界秩序の破壊者か?ということになる。
 (余談だが、本書の裏帯が三色、黒、赤、黄色とドイツ国旗を著している)。

 本書では冒頭に、エマニュエル・トッドの警句が掲げられている。何かを象徴する。
 トッドは言った。
「ヨーロッパは、20世紀の初め以来、ドイツのリーダーシップの下で定期的に自殺する大陸ではないのか」(『「ドイツ帝国」が世界を破滅させる』、文藝春秋)。

 細かな説明は除くが、このトッドこそEU解体、ユーロ解体を予言して憚らないフランスの人口学者で、かつてはスラブとムスリムとの相対的人口比較からソ連の崩壊を予測した。
 メルケル独首相は女傑か、怪物か、それとも世界の破壊者か。こうした設問がでてくるのも、彼女の政策こそが、ドイツ政治を危機に追い込んだからである。そこで三好氏は、メルケルの生い立ちから、その青春期、東ドイツ時代、そしてコールの右腕として頭角を現し、やがてコールと訣別し、政権を担い、四選を成し遂げた女傑ぶりをあますところなく描き出した。
 
 三好氏はメルケル首相を総括して「誠意の人」だとさらりと言う。ただし、「心情倫理」があまりに強いため、難民に同情的であり、いや同情しすぎたため欧州政治を混乱させた。
 だから「誠実と合理主義が過ぎて、邪悪で不条理な現実に裏切られる。ヨーロッパや世界に大きな影響力を持つドイツ首相の振る舞いであればこそ、そこが一番の問題である」(312p)。
本書の終盤で大事な記述がある。それはドイツがなぜ、あそこまで中国にのめり込むという愚を犯したかについてである。
 中国企業がドイツのハイテク企業買収に乗り出し、世界のロボットの四大メーカーのひとつ「クーカ」社まで買収した。当然だろうけれども同盟国からも警告があり、ドイツ財界の一部には警戒感が生まれた。
 「しかし、(中国への)警戒論は全体の流れを変えるほどではない」(301p)。
それより習近平が強力に推進する「一帯一路」プロジェクトの鉄路の終着駅はデュッセルドルフに近いデュースブルグ港(欧州で随一の内陸港)である。現地に取材した三好氏は、その現場に中国語が氾濫し、いまでは重慶との間の貨物便が毎週25本にまで増えているという現実を伝えている。
メルケルは反トランプ、親中派。そして過去の発言や訪日回数の少なさを見ても、おそらく反日であろうとの類推が本書を読んだあとの評者の感想だった。

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読者の声 どくしゃのこえ READERS‘OPINIONS 読者之声
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(読者の声1)貴誌2月27日(5620号)の、「読者の声」で、西部邁氏が、現実の自死(2018年1月)の約17年余前、61歳時に執筆された「自殺できて安堵しております」という一文の冒頭と末尾を紹介させていただいた。
 冒頭に続いて、西部氏は、次のように述べておられる。
(引用始め)「自殺を選んだ理由は、自分の精神がもうじき甚だしい機能低下を示してしまう、と確実に見通されたということであります。それは自分が単なる生命体に化すことであり、単なる生命体である自分が他の生命体を食して生き長らえるという状態を想像しますと、そういう状態にしか向かえない自分の生が無意味に思われました。ましてや、自分の単なる延命のために長年連れ添ってきた妻に介護の労苦を強いるのは想像するだにおぞましいことでした。
 つまり、虚無の温床である生命それ自体にケリをつける、それが自分の生にかろうじて意味をみつける最後の手立てになった次第であります。そう考えそう行うことの妥当性については、かねてからの話し合いにより、妻子はよく理解してくれておりました」(引用終り)。

 この約17年余前の想定と実際とが異なる展開となったのは、妻が氏より先立たれる結果になり、「長年連れ添ってきた妻に介護の労苦を強いる」ということはなくなったものの、代わりに、「子に介護の労苦を強いる」ことになりつつあったということであろうか。
氏の『最期の書』となった、『保守の真髄』は、令嬢への口述によって行われたようであるが、口述を筆記しながら令嬢はどのような気持ちだったのだろうか。上記の文の中では「かねてからの話し合いにより、妻子はよく理解してくれておりました」と述べられているが・・・・・

 私の愛読書である、『わたし、ガンです ある精神科医の耐病記』(頼藤和寛著、文春新書)を久しぶりに読み返した。著者は52歳で直腸ガンになり、53歳で亡くなった精神科医である。
死を前に書かれた自省(辞世)文として第一級のものであると思う。頼藤氏は自殺について、(引用始め)「難病・死病を病む大多数の者が結局その病気による自然死に落ち着くのは、このように家族に対する配慮や実施の困難さが自殺を妨げているためなのだ。特にわたしのように、勇気はない、あきらめは早いといった人間は、たいてい自殺しそこねる」、「そのうち死ぬのだが、ちょくちょく楽しいこともあるというのが万人の人生である」(引用終り)
と述べられる。

 自分にも「単なる生命体である自分が他の生命体を食して生き長らえるという状態」(西部氏)が近づいていることは考えるだにおぞましいが、自分のような「勇気はない、あきらめは早いといった人間」にとっては、三島由紀夫氏や西部氏のような自裁はできない。 
今のところは、「無駄を覚悟でもなお将来を目指し、さりとて現在を犠牲にするでもない営みこそが、最後までわれわれに残される最良の選択肢なのだ」(頼藤氏)と思って、不様ながらも「自然死」まで生きていくほかないと考えてはいるが・・・・
   (CAM)



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(読者の声2)今晩です。三島由紀夫研究会「公開講座」です。
ゲストは西村繁樹退役一等陸佐。防大を出て青年自衛官に任官した当時、三島由紀夫先生と出逢い、その自決の直前まで短くも濃密な交流を持った経験、秘話を語って頂きます。
とき   2月28日(水)18時半より(18時開場)
ところ  市ヶ谷「アルカディア市ヶ谷」
講師   西村繁樹(軍事評論家、元防大教授、退役一等陸佐)
演題   「三島由紀夫と最後に会った青年将校(おとこ)」



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(読者の声3)とびっきりの講演会のお知らせです。
?演題 「国際情勢の見通しと日本外交」
?講師 日本総合研究所国際戦略研究所理事長 田中 均 先生
?日時 平成30年3月29日(木)PM6:00〜
?定員 先着90名(要予約)
?会場 神奈川県民サポートセンター3F 304号会議室(JR横浜駅西口徒歩3分ヨドバシカメラ裏手)
?問い合わせ先 045-263-0055



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(読者の声4)「日本よ、今・・闘論・倒論・討論2018 サヨクの本質  ー共産主義は本当に死んだか?」というユーチューブの番組を拝見しました。
現在の世界における左翼・共産主義の実態が良く分かりました。
結論から申しますと、ソ連が崩壊し、大学からマルクス主義経済学が姿を消したものの、依然としてマルクスは多くの人の心をつかみ、政治勢力としても衰退するどころかむしろ巧妙にあるいは大胆に姿を変えて意図的な攻勢を強めて、隠然そして公然と勢力を伸ばしてきているようです。
 ところが、共産主義を批判する人たちの中に、スターリンや毛沢東の何千万もの自国民の虐殺という非道をもって、駄目だと非難はできても、あるいは彼らが実現した社会主義の試みが、まじめに働かない労働者を作って社会を発展させられないという事実をもって、駄目だということはできても、なぜ駄目なのか?ではどうしたら良いのか?そもそもマルクスのどこが誤っているのかを指摘できる者がいない、というのが現状のようです。

 このような実情を知ると、これまで漠然とマルクスを批判してきましたが、彼らのバックボーンとなっているマルクスの根本的な誤りを指摘して、人類を正しく導く本物の学問であったヘーゲルの哲学を破壊することによって、人類を救いのない不毛の対立へと迷い込ませてしまった結果として、多くの犠牲者を出すことになった大本を作って人類の歩むべき道を誤らせた大罪人がマルクスであることを、世に知らしめることの重要性をあらためて痛感いたしました。
 私はこれまで、自分の掲示板の「談論サロン天寿道」の中で、マルクスの誤りを縷々説いてまいりましたので、詳しくはそちらを参照していただくとして、マルクスの共産主義が何故うまくいかないのか、に焦点を絞って説いていきたいと思います。

 マルクスの誤りの第一は、ヘーゲルの絶対観念論を否定して、唯物論でやろうとしたことです。
これはどういうことかと云いますと、ヘーゲルの絶対観念論を否定するということは、即自対自の人間の偉大な精神性を否定するということだからです。結果として、唯物論でやろうとすることは、動物的な即自でやろうとすることに外ならず、発展性がなく働いても働かなくても同じ給料なら働くのがばかばかしいとなってしまうのです。
だから同じ即自でも発展性のある資本主義的即自は、より多くを得たいと頑張ることになって、共産主義的即自を圧倒することになるのです。

 マルクスの犯した第二の誤りは、ヘーゲルの運動体の有機的統一の弁証法を否定して、事実レベルのあれかこれかの対立しかない形而上学的弁証法にしてしまったことです。
これによって有機的統一体の国家そのものが見えなくなってしまい、国家も階級対立という側面からしか見えなくなって、敵としての国家権力、味方としての労働者階級・市民という構図が絶対化して、「日本を愛す」と言うとスワッ敵だ!ということになってしまうのです。
これが、権力を奪取したときはどうなるかと云いますと、反対派は敵として徹底的に弾圧・抹殺するということになるわけです。ですからスターリンや毛沢東の異常な粛清の大本は、他ならぬマルクス自身にあったわけです。

 マルクスの第三の誤りは、ヘーゲルの弁証法の統体止揚を批判して、ヘーゲルの説く、即自的悟性と対自的理性とを統体止揚して即自対自の自由な意志をもつこと、という人間解放論を否定したことです。
ではマルクスの説く人間解放論は、どういうものであったかと云いますと、抑圧されている労働者が即自のまま抑圧を跳ね返して自由になることがすなわち人間解放だ、というわけです。ところがその実態はどうなったかと云いますと、資本主義に追いつき追い越せという威勢の良い掛け声が虚しく響くほど、社会主義経済の実態は無残なものだったことは、ソ連・中共・北共の歴史が証明している通りです。
つまり、これが、マルクスの言う人間解放の中身だということです。
 ところが目下のところ、この番組に出ているような日本を代表するような優秀な人たちでさえも、これに対して資本主義や民主主義を対置するしかできていないように見受けられました。
これでは、同じ土俵の上でこれまでと同じようにしか戦えないので、有効な反撃手段とはなり得ません。本当に必要なのは、現象論・感情論ではなく、彼らの足元を根底から崩すような理論闘争ができる中身を創ることです。
 じつは、われわれ日本人は、それに対する答えをすでに持っています。
それも歴史的に実証された確実で有効な答えです。それについては、多くの日本人が気づき始めているのですが、必要なことは、そのことの学問的な意義について理解し、それを活かすことです。その為に必須なのが、ヘーゲルの復権なのです。
 それはマルクスが見誤ったヘーゲルの人類最高の学問の説く国家第一主義を、われわれ日本人が歴史的に見事なる形で実践・実証してきたという事実です。あとはそれをわれわれ日本人が、ヘーゲルの復権を通して、その学問的・人類史的意義を自覚して、そのヘーゲルの学問を目的意識的により見事な形で応用して、本流としての日本を再生・再興することです。

 歴史的にわれわれ日本人は、常に貧乏でも誇り高く、わが身を犠牲にしても、国の発展のため、社会の発展のため、家族のために一生懸命働くという即自対自の認識が培われてきました。だから日本は社会主義国以上に社会主義的だと云われるのです。
しかし敗戦後70年間も属国状態のままで、様々な解体工作を受け続ける中で、さすがの日本も、その日本らしさがだいぶ崩されてきています。
その上、さまざまな誤った考えが吹き込まれて、何が正しいのか混とんとした状態になっています。
 だからこそヘーゲルを復権し、ヘーゲルの学問をもってそれらの雑音を一掃して、ヘーゲルの絶対観念論・弁証法・国家第一主義をもって、新しい日本の国創りをしていかないと、このままでは日本は滅亡の危機に瀕していると云っても過言ではない状況にある、ことを認識する必要があると思います。            
      (天寿堂整復院 稲村正治)



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(読者の声5)「第三回 日本の心を歌う集い」が、下記要領にて開催されますので、皆様是非ご参加下さいますようお願い申し上げます!
【日 時】:平成30年3月3日(土)午後2時開演 (入場13時3 0分)
【場 所】:八千代市勝田台文化センター大ホール(3F)
【料 金】:無料 (カンパ歓迎)
【交 通】:東葉高速線「東葉勝田台駅」、京成線「勝田台駅」下車徒歩5分
TEL:090-1103-7835
  (「日本の心を歌う集い」実行委員長 若松)
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    ペマ・ギャルボ氏を知ったのは随分昔の事だった。チベットの悲劇は日本も狙われている事を意味してるんだが。日本人に危機感が無さ過ぎる。国会の事故ゴタゴタは遅延させる事が第一。支那畜共の関与している事は周知の事実ではないか。



    メルケルが右旋回?そりゃ無いわ。キリスト者の娘でも社会主義国家での教育は簡単には拭い去れはしない。環境が人間を育てるとマルクス主義は言ったから、彼女が拭い去れないのは当然だ。かく言う僕自身が左翼病を脱却するのにどれ程かかった事か。

    片脚突っ込んでただけなのに。彼女は全身だぜ。浴槽の無い西洋文化に禊なり出来る筈も無いではないかと思うんだがな。