宮崎正弘の国際ニュース・早読み <<BRICS初日、北朝鮮は核実験。習近平の顔に泥を塗った (2 | Hideoutのブログ

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 四月に古稀を迎える爺ののブログです。

 日本を取り戻したい……そんな事をエントリーしたい。

 覚醒したら、こんな見方になるのかなと言うものに。


    北の行動・言動は全く不可解。誰かストーリーテラーかシナリオライターがいるのだろうかと疑わせる。

    勧善懲悪の概念は日本人一般の持てるものだろうと思うが、それに拘らないのが、現代の外交か?    妄想爺の思考の範疇をとびだしている。

    アフリカの環境には支那畜の蝗たちにも適さないのか。ネリカ米(ニューライスナンタラカンタラ種)の普及は日本の地位を又一つ上げるのだろう。馬鹿な支那畜土人の振舞いは徐々に地球に知れ渡るのかも知れないな。


宮崎正弘メルマ
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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成29年(2017)9月5日(火曜日)弐
       通巻第5420号  
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 BRICS初日、北朝鮮は核実験。習近平の顔に泥を塗った
   この経済協力機構は世界経済にとって、いかなる意味があるのか
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 BRICSは設立動機がそもそも不純である。
中国がロシアと組んでG7に一泡吹かせようと新興工業国家が集合しただけ、ロシア、ブラジル、インド、南アはそれぞれ政治体制が異なり、資源リッチとプアに別れる。加盟国の利害の一致点は経済、技術協力くらいだろう。

習近平は五月の「一帯一路」フォーラムを北京で開催し、晴れ舞台を演出、ことさらロシアとの協力関係を世界に誇示しようと企図した。プーチンはわざわざ厦門までやってきて習の顔を立て、次はウラジオで自らが演出する「極東経済フォーラム」へ回る。7日には安部首相がウラジオを再訪する。

その会議初日、北朝鮮はミサイルをぶっ放して習の顔に泥を塗った。
9月4日から福建省厦門で開催された「BRICS会議」にぶつけて北朝鮮は核実験を強行し、二度までも習近平の自尊心を傷つける。
しかし怒りを沈静しながら習近平は基調演説をこなし、また直前に兵力を撤退させてインドとも一時的停戦。モディ首相の顔を立てた。

 今回のBRICS会議にはオブザーバーとしてメキシコ、タイ、タジキスタン、エジプト、そしてギアナが加わった。だが、これら五ヶ国の正式加盟は見送られた。
そのうえで、習近平は追加で7600万ドルをつぎ込み、我々は保護貿易主義に反対してゆこうなどと宣誓したものの、実態は空中分解にちかいのではなかったか。

なぜならシルクロート(一帯一路)の注ぎ込む巨額は1240億ドルである。BRICSには7600万ドル、この開きは何を物語るのだろう?
昨年、五ヶ国の対外投資は1970億ドルあったが、このうちBRICS同士の投資額は、5・7%に過ぎなかった。

他方、中国のアフリカ進出に大きな影が射した。
「一時はアフリカ大陸のあちこちに100万人の中国人がいるとして騒がれた。それが急速に激減しており、たとえばアンゴラからは15万人が去った」(英紙フィナンシャルタイムズ、9月4日)。

第一にアフリカ全体のGDP成長率が低く、各国で通貨が低迷、下落を続けている。
第二に治安が中国より悪いうえ、中国人を狙った犯罪が急増した
第三にメンタル・タフネスの中国人もアフリカの文化には馴染めない。文化、風土があまりにも違いすぎるからである。

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 書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評 BOOKREVIEW 
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 多彩な民族と言語。人々を別けたのは「国家」ではなく「宗教」だった
  政権が安定した時代は希、いつも争いが次の争いの火種を残したバルカン半島の歴史

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マーク・マゾワー著、井上廣美訳『バルカン』(中公新書)
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 バルカンといえば、ころころと立場が変わる三木武夫の代名詞だった。ついた渾名は「バルカン政治家」。その弟子の海部首相も同じような軽さがあった。しかし、国際政治学ではバルカンには、そういう意味はない。
 多彩な民族と言語が点在し、半島に住む人々を別けたのは「国家」ではなく「宗教」だった。政権が安定した時代は希にしかなく、いつも争いが次の争いの火種を残したのがバルカン半島の歴史である。
 思い出すことは幾つもあるが、いまから四半世紀以上前、まだ「ユーゴスラビア連邦」という国があった頃、評者(宮崎)は首都のベオグラードで小粒なセルビア正教(ロシア正教の源流)の教会に入った。入り口に十字架のネックレスを売っていたので、土産に買おうとしたら、
 「あなたは何教徒か?」と聞くので
 「仏教徒だが」
 「異教徒には売らない」
 「えっ」
 という会話があった。そうか、「異教徒」という語彙がでてくるのか。相互不信の固まりのような質問だった。その教会では結婚式をあげていて、花嫁が美人だったことを覚えている。
 冷戦の終焉後、セルビアとクロアチアから始まった「内戦」は全土に飛び火した。スロベニア、クロアチア、ボスニア&ヘルツェゴビナ、モンテネグロ、マケドニアが『ユーゴ連邦』の主導権を持っていたセルビアから独立し、最後にコソボも「独立」を宣言した。
アルバニア人の多いコソボは旧ソ連、旧東欧諸国の多くが独立を承認していないが、欧米が認め(日本も追随)、とくにアメリカはまっさきに大使館を開設し、しかもコソボはいきなり通貨をユーロとした。
一番得をしたのはアルバニア、貧乏くじを引いたのが悪者にされたミロセビッチとカラジッチだった。このセルビアにとっての民族の英雄は、列強の強い圧力と追求を前にして、セルビア国民によって国際法廷に売られた。
評者(宮崎)は冷戦後も、二回に分けて、これら七つの国と、ついでアルバニアを回った。その成果は『日本が全体主義に陥いる日』(ビジネス社)に詳しい。

さて本書である。
民族間の紛争を近現代だけではなく中世から古代にも溯って捉え直し、しかもこのバルカン問題はヨーロッパの過去の出来事として済ませてよいのか、それともバルカン問題は『未来のヨーロッパではないのか』と問う。
遠き昔、バルカンはギリシアとローマの覇権争いだった。中世にはオスマントルコ帝国がどっかと根を下ろし、近世には列強が介入し、トルコは近代化し、バルカン半島は三度の戦火に見舞われて無惨に破壊され、最貧の農業国家のひとつとまで言われる「どん底」に落ちた。
ネイションという概念が拡大し、民族浄化が行われ、ひとびとは宗教を超えた民族、そして国家という単位で紛争を激化させてきた。
現在のバルカン情勢は『束の間の平和』の最中であり、いずれまた戦争が始まるだろう。
 著者はこう言う。
「仏蘭西革命(1789)に始まり、1923年にオスマン帝国がついに崩壊するまでの時期、所謂『長い十九世紀』は、近現代のバルカンの政治地図が現れた時代だった。ナショナリティ(民族集団)の原則に従って建設された独立国家が、ローマ人の後継者を自認する『神の奴隷にしてのこの世のスルタン』、オスマン皇帝の500年続いた帝国にとって代わった」
一時はオーストリアとロシアがバルカンを分割する予定だった。エカテリーナ女帝の孫がコンスタンチノーブルで玉座に座る筈だった。この行く手を塞いだのがナショナリズムだった。しかし、独立にいたるには「ヨーロッパ列強が味方となって介入するのを待たねばならなかった」(148p)

国家という概念に乏しく、多様な言語が入り乱れていたため、キリスト教徒かイスラム教徒かの区別しか人々は理解していなかった。
「『ルーマニア』や『ブルガリア』という概念は、1830年代になってもまだ、ほんの一握りの知識人や活動家を駆り立てていたに過ぎず、『アルバニア』とか『マケドニア』に到っては、おそらく無いも同然だった。南東ヨーロッパは、民族が自らのために独立国家を勝ち取るという、ロマン主義のナショナリストが思い描いたような姿にはなく、新国家の指導者が、過去のオスマン時代の世界観に染まった農民社会から民族を作り出さねばならなかた」(165p)。
かくして、筆者が纏める。
「いくつかの主要な宗教が交差する地域では、民族の多様性こそが緊張の根深い元凶であり、民族浄化は、ヨーロッパ的な国民国家建設の論理の一部というよりも、バルカンの歴史を特徴づけるとされる一連の大虐殺とそれに対する報復大虐殺の最新版だった」(248p)。
そのバルカンが冷戦以後、地政学に変化し、世界市場の中央に位置し、「黒海、旧ソ連、中央アジアを含み、オスマン帝国崩壊以来最大の領域に渡ってビジネスの機会を提供している」(262p)のだからややこしい。
だからEU、欧米、旧東欧諸国、旧ソ連が積極的に絡み、アメリカも意外に高い関心をしめるというジレンマに陥っているのである。
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 読者の声 どくしゃのこえ READERS‘OPINIONS 読者之声
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(読者の声1) 十年近く前から、宮崎先生のメルマガを拝読させて戴いております。Amazonで品切が続いた『激動の日本近現代史?』は、本日やっと届きました。
 前号(5418号)の読者欄にあった「日本爆撃計画」の他にも、日本に最初の一撃を撃たせるために囮の老朽艦隊を浮かべた「ラニカイ号事件」というのがありました。私はこれを山本七平氏の戦争三部作のいずれかで知ったはずです。
 また、「マッカラムの対日戦争挑発八項目」も重要だと思います。
    (EH生、横浜)

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    バルカン半島には民族の概念が無かったのか。知らなかったぞ。

    ユーゴスラビアって何だったのだ?    マルクスの単なる亡霊だったのか。支配民族がいなかったという事か。


    カール・マルクスの残滓を払拭するまで、あとどのくらいの時が必要なのだろうか。今世紀中?来世紀?。