【書庫用】
「一つの中国」は「一つの台湾」をも含まれているのだ。日本国民もそれをしっかり認識する必要があるわな。
ハイハイ君の「一つの中国」は判ったよ。でも「一つの台湾」も存在してるんだけどね、って話。それを覚えておこう。
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メルマガ版「台湾は日本の生命線!」
中国の軍拡目標はアジア太平洋での覇権確立。そしてその第一段階が台湾併呑。
もしこの島が「中国の不沈空母」と化せば日本は。中国膨張主義に目を向けよう。
ブログ「台湾は日本の生命線!」 http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/
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間違だらけの日本の報道—トランプは台湾を中国領土と認めていない(続)
ブログ「台湾は日本の生命線」より。ブログでは関連写真も↓
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-3069.html
2017/02/13/Mon
■誤解を招きやすい日本での報道
二月十日に行われた米国のトランプ大統領と中国の習近平国家主席との電話会談で注目を集めたのが「一つの中国」を巡るやりとりだろう。
「一つの中国」を認めるのが米中関係の政治的基礎だと強調し、台湾国防の後ろ盾たる米国の対台関係の強化を牽制して来た中国に対し、トランプ氏は「一つの中国」の見直しを示唆し、あの国の反撥を招いていたからだ。
そしてその結果については、日本でもメディア各社が大きく報じている。トランプ氏はこう表明したそうだ。
———台湾は中国の一部とする「一つの中国」の原則を尊重することに同意すると伝えた。(日本テレビ)
———中国と台湾は不可分の「1つの中国」であるとの原則を尊重すると伝えました。(TBS)
おおよそ上のような報道が多かったのだが、しかし、これらはどうも誤解を招きやすい書き方だ。
■米中で異なる「一つの中国」の意味
こうした日本の報道は米中両国の発表を基にしているようだ。そこで、それらがどのような内容だったかを見てみよう。
先ず中国。これは中国中央テレビのプレスリリースだ。
———トランプ氏は「私は米国政府が掲げてきた『一つの中国』政策の高度な重要性を充分理解している。米国は『一つの中国』政策を堅持する」と強調した。習近平氏はトランプ氏が米国は『一つの中国』政策を堅持する」と強調したことを称賛し、「一つの中国」原則が中米関係の政治的基礎だと指摘した。
そして米国ではホワイトハウスがこう発表している。
———トランプ大統領は、習主席の求めに応じ、我々の「一つの中国」政策に従うことに同意した。
中国の発表によれば、中国側は「一つの中国」の「原則」を米中関係の基礎と強調しているのに対し、米国側が堅持を表明したのは「一つの中国」という「政策」である。ホワイトハウスによればトランプ氏は「我々の『一つの中国』政策」という言葉を使っているが、これは米国が従来盛んに用いる表現だ。
結論から言えば中国の「原則」と米国の「政策」は、ともに「一つの中国」の名ではあっても、内容に大きな異なりがあるのである。
■米国の「一つの中国」に反撥する中国
中国の「一つの中国」原則は「世界で中国はただ一つ。それは中華人民共和国で、台湾は中国の不可分の領土の一部」との定義だが、米国の所謂「我々の『一つの中国』政策」についてはよく「三つの米中共同コミュニケと台湾関係法に基づく政策」と説明されている。
三つのコミュニケを総合してみると、米国は中国の所謂「世界で中国はただ一つ。それは中華人民共和国」だとは認めているが、しかし「台湾は中国の不可分の領土の一部」という部分は認めていないのである。
台湾への武器供与をも義務付ける台湾関係法も、台湾が非中国領土であるという前提で制定されたもので、中国はこれを容認できずにいる。
台湾紙自由時報は論説でこう指摘する。
———トランプは習近平の求めに応じ、「米国の『一つの中国』政策」を認めたが、それは米国の対中政策の原点に回帰したというだけで、別に中国の「一つの中国」原則を保証したわけではない。
———トランプの就任後、米国の「一つの中国」政策の内容は実は変わりつつある。ティラーソン国務長官が語ったものがトランプ政権の政策を代表するものだとしたら、米国の「一つの中国」とは三つのコミュニケや台湾関係法以外に、「六つの保証」も加わることになる。
この「六つの保証」とは台湾関係法のガイドラインで、「対台武器供与の期限を設けない」「台湾と中国の調停を行わない」「台湾と中国に交渉するよう圧力を書けない」「台湾の主権に関する長期的な立場を変えない」「台湾関係法を改正する用意はない」「台湾への武器売却について事前に中国の意見を聞かない」といったもので、もちろんこれにも中国は反撥している。
米国の「一つの中国」政策とはこのように、実際には中国の反撥を受けるものなのだ。
■日本のメディア自身が誤解している
以上のように見ると、トランプ氏が「中国と台湾は不可分の『1つの中国』であるとの原則を尊重する」と述べたなどとする報道が、いかに誤解を広げかねないものであるかが理解できるはずだ。
たしかに米国の「一つの中国」政策は、その名の通り中国の「一つの中国」原則を尊重するものではある(一々反対しないという意味での尊重だが)。しかし「中国と台湾は不可分の『1つの中国』」だと認めるものでは断じてない。
もしかしたらメディア各社自身がそのあたりを誤解し、米中の「一つの中国」の定義を同一視しているかもしれない。
次の報道などは完全に誤解に基づくものだろう。
———米ホワイトハウスによると、トランプ氏は、中国と台湾は不可分の領土だとする「一つの中国」原則を「尊重する」と表明した。(中日新聞)。
繰り返すが、ホワイトハウスの発表によれば、トランプ氏が遵守を表明したのは米国の「一つの中国」政策。つまり「中国と台湾は不可分の領土だとしない」政策なのだが、それに気付かず書かれてしまった。
トランプ氏が「中国と台湾は不可分の『1つの中国』であるとの原則を尊重すると伝え」たと報じた前掲のTBSの報道も、実はホワイトハウスの発表に基づくものだから、同じく誤報ということになる。こういった誤報はまだ他にもたくさんありそうだ。
そして以下などは、誤報としてはもっと深刻だ。
———トランプ米大統領が9日、中国と台湾は不可分の領土だとする「一つの中国」原則を尊重することを受け入れた。(産経新聞)
「受け入れた」とは「認めた」の意味だ。しかし何度も強調するが、トランプ氏は「中国と台湾は不可分の領土だ」などと認めていない。
■騙されているのか騙されたふりか
日本メディアの誤解の原因には、中国による巧妙な印象操作、つまり一種の宣伝謀略があると思う。前掲の中国側の今回の発表などはまさにそれだ。
今一度、下で検証してみよう。
———習近平氏はトランプ氏が米国は『一つの中国』政策を堅持する」と強調したことを称賛し、「一つの中国」原則が中米関係の政治的基礎だと指摘した。
要するに米側が「『一つの中国』政策を堅持する」と表明したのに対し、中国は「『一つの中国』原則が中米関係の政治的基礎だ」などと言いながら称賛して見せる訳だ。
こうした、あたかも米国が「一つの中国」原則を認めているかのように思わせる宣伝は長年繰り返されているものである。だから不勉強なメディアなど、それに簡単に騙されてしまうのだろう。
それとも騙されているのではなく、騙されたふりをしているのだろうか。要するに中国に迎合するため、向こうの宣伝に歩調を合わせているのではないか。
今回「トランプ『一つの中国』を尊重」という見出しの報道が目立ったが、なぜ各社はこうした誤解を招きやすい表現を一様に用いたのか。
どうも各社が中国大使館辺りから、「このように書きなさい」などと指導(言論統制)を受けているかに感じるのだが。
【過去の関連記事】
トランプは台湾を中国領土と認めていないー中国に惑わされる朝日の誤報 17/02/11
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二月十日に行われた米国のトランプ大統領と中国の習近平国家主席との電話会談で注目を集めたのが「一つの中国」を巡るやりとりだろう。
「一つの中国」を認めるのが米中関係の政治的基礎だと強調し、台湾国防の後ろ盾たる米国の対台関係の強化を牽制して来た中国に対し、トランプ氏は「一つの中国」の見直しを示唆し、あの国の反撥を招いていたからだ。
そしてその結果については、日本でもメディア各社が大きく報じている。トランプ氏はこう表明したそうだ。
———台湾は中国の一部とする「一つの中国」の原則を尊重することに同意すると伝えた。(日本テレビ)
———中国と台湾は不可分の「1つの中国」であるとの原則を尊重すると伝えました。(TBS)
おおよそ上のような報道が多かったのだが、しかし、これらはどうも誤解を招きやすい書き方だ。
■米中で異なる「一つの中国」の意味
こうした日本の報道は米中両国の発表を基にしているようだ。そこで、それらがどのような内容だったかを見てみよう。
先ず中国。これは中国中央テレビのプレスリリースだ。
———トランプ氏は「私は米国政府が掲げてきた『一つの中国』政策の高度な重要性を充分理解している。米国は『一つの中国』政策を堅持する」と強調した。習近平氏はトランプ氏が米国は『一つの中国』政策を堅持する」と強調したことを称賛し、「一つの中国」原則が中米関係の政治的基礎だと指摘した。
そして米国ではホワイトハウスがこう発表している。
———トランプ大統領は、習主席の求めに応じ、我々の「一つの中国」政策に従うことに同意した。
中国の発表によれば、中国側は「一つの中国」の「原則」を米中関係の基礎と強調しているのに対し、米国側が堅持を表明したのは「一つの中国」という「政策」である。ホワイトハウスによればトランプ氏は「我々の『一つの中国』政策」という言葉を使っているが、これは米国が従来盛んに用いる表現だ。
結論から言えば中国の「原則」と米国の「政策」は、ともに「一つの中国」の名ではあっても、内容に大きな異なりがあるのである。
■米国の「一つの中国」に反撥する中国
中国の「一つの中国」原則は「世界で中国はただ一つ。それは中華人民共和国で、台湾は中国の不可分の領土の一部」との定義だが、米国の所謂「我々の『一つの中国』政策」についてはよく「三つの米中共同コミュニケと台湾関係法に基づく政策」と説明されている。
三つのコミュニケを総合してみると、米国は中国の所謂「世界で中国はただ一つ。それは中華人民共和国」だとは認めているが、しかし「台湾は中国の不可分の領土の一部」という部分は認めていないのである。
台湾への武器供与をも義務付ける台湾関係法も、台湾が非中国領土であるという前提で制定されたもので、中国はこれを容認できずにいる。
台湾紙自由時報は論説でこう指摘する。
———トランプは習近平の求めに応じ、「米国の『一つの中国』政策」を認めたが、それは米国の対中政策の原点に回帰したというだけで、別に中国の「一つの中国」原則を保証したわけではない。
———トランプの就任後、米国の「一つの中国」政策の内容は実は変わりつつある。ティラーソン国務長官が語ったものがトランプ政権の政策を代表するものだとしたら、米国の「一つの中国」とは三つのコミュニケや台湾関係法以外に、「六つの保証」も加わることになる。
この「六つの保証」とは台湾関係法のガイドラインで、「対台武器供与の期限を設けない」「台湾と中国の調停を行わない」「台湾と中国に交渉するよう圧力を書けない」「台湾の主権に関する長期的な立場を変えない」「台湾関係法を改正する用意はない」「台湾への武器売却について事前に中国の意見を聞かない」といったもので、もちろんこれにも中国は反撥している。
米国の「一つの中国」政策とはこのように、実際には中国の反撥を受けるものなのだ。
■日本のメディア自身が誤解している
以上のように見ると、トランプ氏が「中国と台湾は不可分の『1つの中国』であるとの原則を尊重する」と述べたなどとする報道が、いかに誤解を広げかねないものであるかが理解できるはずだ。
たしかに米国の「一つの中国」政策は、その名の通り中国の「一つの中国」原則を尊重するものではある(一々反対しないという意味での尊重だが)。しかし「中国と台湾は不可分の『1つの中国』」だと認めるものでは断じてない。
もしかしたらメディア各社自身がそのあたりを誤解し、米中の「一つの中国」の定義を同一視しているかもしれない。
次の報道などは完全に誤解に基づくものだろう。
———米ホワイトハウスによると、トランプ氏は、中国と台湾は不可分の領土だとする「一つの中国」原則を「尊重する」と表明した。(中日新聞)。
繰り返すが、ホワイトハウスの発表によれば、トランプ氏が遵守を表明したのは米国の「一つの中国」政策。つまり「中国と台湾は不可分の領土だとしない」政策なのだが、それに気付かず書かれてしまった。
トランプ氏が「中国と台湾は不可分の『1つの中国』であるとの原則を尊重すると伝え」たと報じた前掲のTBSの報道も、実はホワイトハウスの発表に基づくものだから、同じく誤報ということになる。こういった誤報はまだ他にもたくさんありそうだ。
そして以下などは、誤報としてはもっと深刻だ。
———トランプ米大統領が9日、中国と台湾は不可分の領土だとする「一つの中国」原則を尊重することを受け入れた。(産経新聞)
「受け入れた」とは「認めた」の意味だ。しかし何度も強調するが、トランプ氏は「中国と台湾は不可分の領土だ」などと認めていない。
■騙されているのか騙されたふりか
日本メディアの誤解の原因には、中国による巧妙な印象操作、つまり一種の宣伝謀略があると思う。前掲の中国側の今回の発表などはまさにそれだ。
今一度、下で検証してみよう。
———習近平氏はトランプ氏が米国は『一つの中国』政策を堅持する」と強調したことを称賛し、「一つの中国」原則が中米関係の政治的基礎だと指摘した。
要するに米側が「『一つの中国』政策を堅持する」と表明したのに対し、中国は「『一つの中国』原則が中米関係の政治的基礎だ」などと言いながら称賛して見せる訳だ。
こうした、あたかも米国が「一つの中国」原則を認めているかのように思わせる宣伝は長年繰り返されているものである。だから不勉強なメディアなど、それに簡単に騙されてしまうのだろう。
それとも騙されているのではなく、騙されたふりをしているのだろうか。要するに中国に迎合するため、向こうの宣伝に歩調を合わせているのではないか。
今回「トランプ『一つの中国』を尊重」という見出しの報道が目立ったが、なぜ各社はこうした誤解を招きやすい表現を一様に用いたのか。
どうも各社が中国大使館辺りから、「このように書きなさい」などと指導(言論統制)を受けているかに感じるのだが。
【過去の関連記事】
トランプは台湾を中国領土と認めていないー中国に惑わされる朝日の誤報 17/02/11
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