Fw:JOG(957) 歴史教科書読み比べ(27) 東アジアとの交流 | Hideoutのブログ

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 四月に古稀を迎える爺ののブログです。

 日本を取り戻したい……そんな事をエントリーしたい。

 覚醒したら、こんな見方になるのかなと言うものに。


 教科書の汚鮮は酷いようだ。除鮮を激しく実行しなければ。

 日本人の手に日本を取り戻そう!!



■■ Japan On the Globe(957) ■■ 国際派日本人養成講座 ■■

歴史教科書読み比べ(27) 東アジアとの交流

 近隣諸国が登場すると、東京書籍版中学歴史教科書ではなぜか偏向記述が急増する。
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 ブログ、メルマガ、フェイスブックなどで、本書をご紹介戴いた方には、御礼として、一部、お送りします。本誌への返信でご連絡下さい。

 また、読まれた方は、ぜひアマゾンのカスタマー・レビューへの投稿をお願いします。現在、レビュー11件、5つ星のうち4.9。

街道Walker さんのレビュー: ★★★★★ 外資系会社員必読の書

「国際派日本人養成講座」の読者です。この水準の内容が無料で読めることに日ごろ申し訳なく思っていたので、貿易に携わる知人へも配ろうと2冊購入しました。

 外資系にいると英語だけは堪能な「なんちゃってアメリカ人」が社内にちらほらいます。その言動に違和感を感じていましたが、日本人としての「根っこ」を持っていないことにメルマガで気づかされました。それでは努力しても二流アメリカ人にしかなれないわけですから、アメリカ人の上司からすると使い勝手はよくても、尊敬は受けられません。

 本書の冒頭に、外国人と接する業務に就く場合、英語を流ちょうに話せるようになるよりも、個人としてのナショナルアイデンティティをしっかり持つことの重要性が説かれており、とても勇気づけられました。
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■1.日本史の教科書にハングル!?

 東京書籍版(東書版)の中学歴史教科書は、室町時代の「東アジアの交流」に1章を割き、「日明貿易」、「朝鮮との貿易」、「琉球王国の成立」、「アイヌ民族の交易」の4つの節を設けているが、このわずか1章に、4つもの問題点がある。

 第1は「朝鮮との貿易」の項で「ハングル(訓民正音)」と題したコラムを設けていることだ。ハングルの書物の写真とともに、こんな説明文がついている。

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 朝鮮語を母音11字と子音17字からなる文字を組み合わせてあらわしたものです。漢字を尊重する人々の反対を受けましたが、民衆の間に広がっていきました。[1, p72]
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 日本史で取り上げるからには、我が国と何らかの関連があるものでなければならないはずだが、この説明には日本との関係など一言も語られていない。

 ハングルが我が国に何らかの影響を与えたという史実は聞いた事も無いし、韓国併合時代に朝鮮総督府がハングルを学校教育に取り上げて広めたという史実はあるが、室町時代には関係ない。

 以前から何度か指摘しているが、東書版の執筆者にはよほど半島を愛する精神的外国人が入っているようだ。その祖国愛は立派だが、それは母国の歴史教科書の執筆で発揮して欲しい。日本人の中学生のための日本史の教科書では場違いである。


■2.「朝鮮人や中国人など、日本人以外の人々も多くいました」

 第2が「倭寇」の記述である。この時代に、日本、明、朝鮮、琉球を含めた東アジアの交易圏が発達した点は重要だが、そこに登場する「倭寇」について、東書版ではこう記述する。

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 ・・・元がおとろえるころから、西日本の武士や商人、漁民の中には、集団をつくって貿易を強要し、船をおそい、大陸沿岸をあらす者があらわれ、倭寇(1)と呼ばれていました。[1, p72]
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「西日本の武士や商人、漁民の中には」とやけに具体的に説明するが、欄外に「(1)倭寇の中には、朝鮮人や中国人など、日本人以外の人々も多くいました」と小さな字で記載されている。いかにも検定の意見に従って、渋々つけたような注である。

 一方、自由社版は、「倭寇」の説明でもう少し詳しく述べている。

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 倭寇とは、かつて元の襲撃を受けた対馬・壱岐や松浦地方を根拠地とする武装貿易集団で、日本人のほか朝鮮人が多数含まれていた(1)。彼らは、ときには数百人にもおよぶ船団を組み、朝鮮半島や中国大陸の沿岸に上陸して密貿易や略奪行為を行ったり、他の船舶に対して海賊行為をはたらいたりした。[2, p96]
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 ここでの(1)の注では、「朝鮮側の史料には、朝鮮の民が日本人の服を着て徒党を組み、乱暴をはたらく者が多く、倭寇のうち日本人は10~20%に過ぎない、と書かれている」とある。

 東書版の「朝鮮人や中国人など、日本人以外の人々も多くいました」という注と、自由社版の「倭寇のうち日本人は10~20%に過ぎない」という表現かあ受ける印象は相当違う。

 さらに、自由社版の「かつての元の襲撃を受けた対馬・壱岐や松浦地方を根拠とする」という指摘は重要である。元寇に襲われた対馬・壱岐では「女子供が手に穴をあけられて船べりに吊された」という言い伝えが今も残っているほど、残虐行為が行われた。そういう地方の民が報復として倭寇を始めたというのも考えられる話である。


■3.「後期はその多くが中国人で」

 倭寇については育鵬社版がさらに詳しく述べている。本文では「明を苦しめたのは、大陸沿岸一帯に大きな被害を与えていた海賊でした。彼らは倭寇(1)とよばれました」とあるだけだが、(1)の注ではこう説明している。

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(1) 倭寇は前期(14~15世紀)と後期(16世紀)に分けられる。前期は北九州の日本人のほかに朝鮮人もおり、おもに朝鮮半島で活動した。後期はその多くが中国人で、九州や琉球を根拠地として、おもに中国の南沿岸部で略奪と密貿易をくり返した。[3, p77]
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 何のことはない。後期の「倭寇」は「多くが中国人」だという。自由社版の指摘する、前期の倭寇は「日本人は10~20%に過ぎない」と合わせると、倭寇の多くは朝鮮人や中国人なのである。

 彼らは日本の服を着て、対馬・壱岐や北九州を拠点として、あたかも日本からの海賊であるかのように振る舞った。今日で言えば、在日朝鮮・韓国人が日本人の通名を使って犯罪を犯すのと同様だ。歴史はくり返すという事か。


■4.朝鮮の軍兵五百余艘が対馬に上陸

 育鵬社版では、さらに「朝鮮国の建国」の項で次のように述べている。

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 14世紀末、朝鮮半島では李成桂(りせいけい)が高麗(こうらい)をたおし、朝鮮国(李氏朝鮮)を建国しました。幕府は朝鮮からの求めに応じ、大名に倭寇の取り締まりを命じました。これにより朝鮮との正式な国交が結ばれ、貿易もさかんになりました。

その後、朝鮮が多くの軍船を率いて、倭寇の根拠地となっていた対馬を攻撃するという事件がおこり、貿易が一時中断されたこともありました。(応永の外寇)[3. p77]
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 応永の外寇は応永26(1419)年に起こった。6月20日、朝鮮の軍兵五百余艘が対馬に上陸し、乱暴をほしいままにした。そこで九州探題・渋川義俊、少弐満貞(しょうに・みつさだ)らは26日に軍勢をもってこれに反撃を加え、敵兵三千七百余人を斬り、7月2日には敵をことごとく撃退した。

 日朝関係史の重要な事件である。東書版は、この事件にはまったく触れていないが、ハングルに費やすスペースがあるなら、こういう事件をこそ記述すべきではないか。


■5.「朝貢の形式の日明貿易(勘合貿易)を始めました」

 第3の問題が日明貿易の記述である。東書版では「日明貿易」の項で、先に引用した倭寇の部分に続いて、こう書いている。

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 明が倭寇の取りしまりを求めたため、足利義満は倭寇を禁じるとともに、正式な貿易船に、明から与えられた勘合(かんごう)という証明書を持たせ、朝貢の形式の日明貿易(勘合貿易)を始めました。[1, p72]
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「朝貢の形式」とこともなげに書いているが、育鵬社版はこの問題点をきちんと指摘している。

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 幕府は、明の求めに応じ、倭寇の取りしまりに当たる一方で、明との貿易を願い出ました。この貿易は朝貢貿易であり、将軍は明の皇帝に臣下とみなされ、日本国王の称号をあたえられた時期もありました。倭寇と区別するため勘合という合い札を使ったので、勘合貿易(日明貿易)と呼ばれます。[3, p76]
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 義満の朝貢貿易に対して、歴史学者・村田正志氏は以下のように厳しく批判している。

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 義満は日明貿易には大いに意欲があったが、それは要するに貿易による莫大な利益と、多大なる贈品があったからである。それがためにさきに述べたごとく、大義名分を忘れて明からなんじ日本国王と称せられることを甘受するばかりでなく、彼自らも日本国王臣源と書いた国書を送っている。

これは、身分を忘れ、また明国に隷属する屈辱的態度でもあり、まことに遺憾と言わざるを得ない。[4, p382]
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 村田氏の指摘の詳細については、[a]で紹介したので参照されたい。私益のために、国家の名誉を売った義満の汚名が、五百年後の現在まで語り継がれている点は、中学生にも学んで貰いたい。


■6.「アイヌの人々は圧迫を受けるようになり」

 東書版の第4の問題点は「アイヌ民族の交易」と題した項目で、アイヌの人々と和人の交易が盛んになったと述べた後に、こう記している点だ。

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 交易がさかんになるにつれて、取引をめぐってアイヌの人々は圧迫を受けるようになり、15世紀半ばに、首長のコシャマインを中心とした大きなアイヌ民族の蜂起がおきました。しかし、和人勢力はこの戦いに勝利し、支配をさらに広げていきました。[1, p73]
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 倭寇とともに、日本人は東アジアの加害者だったと言わんばかりの史観である。しかし、この記述は重要な二つの史実を隠している。

 第一に、アイヌ人は沖縄人と同様、和人と同じ古モンゴロイド、すなわち縄文人を起源としている事である。

 和人は新モンゴロイドが朝鮮半島や南西諸島を経由して日本列島に入り、縄文人と混血しながら小進化した。遺伝子的にも、言語学的にも、アイヌ人は和人と血のつながった存在であることが明らかになっている。[b]

 第二に、アイヌ人は和人と古くから混住し、平和的に交易してきた。『日本書紀』には7世紀中頃には現在の小樽あたりに、和人の行政府が置かれ、盛んに交易をしていた事を記している。

 コマシャインの乱というのも、アイヌの青年が和人の鍛冶屋に短刀を作ってもらったが、値段や切れ味の事で言い争いになり、鍛冶屋がアイヌの若者を刺し殺してしまった事がきっかけだった。それほど、アイヌ人と和人の交易は日常茶飯事だったのである。

 これに比べれば、現代中国のチベット[c,d]やウイグル[e]侵略の方がはるかに野蛮である。


■7.「和人勢力はこの戦いに勝利し、支配をさらに広げていきました」

 東書版で、「朝貢の形式の日明貿易(勘合貿易)を始めました」とさらりと書き流している点と、アイヌに対して、「和人勢力はこの戦いに勝利し、支配をさらに広げていきました」と糾弾している点は、実は深い所でつながっている。

「朝貢」とは、中国が自らを「中華」すなわち文明世界の中心とし、周辺民族を東夷西播北狄南蛮とけだもの扱いした中華思想の表れである。対等な交易を認めず、野蛮な周辺民族が献上した貢ぎ物に対して、皇帝が文明の品々を下げ渡す、という意味であった。

 現代中国がチベットやウイグルを蛮族扱いして弾圧しているのも、この悪しき文化伝統の表れである。朝鮮人がとかく日本人を見下したいと願うのも、自らを「小中華」とし、日本が蛮族である、という中華思想の表れだ。

 その「小中華」主義から見れば、中国や朝鮮が日本を蛮族扱いするのは当然だが、その蛮族日本がアイヌ人をさらに蛮族扱いするのは僭越である、という見方に囚われているのではないか、と弊誌は邪推する。


■8.中華思想 対「一つ屋根」の思想

 しかし、我が国はこのような中華思想とは無縁の思想で建国された。神武天皇は大和の地で都を創る際に、次のような詔を出されている。

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人々がみな幸せに仲良くくらせるようにつとめましょう。天地四方、八紘(あめのした)にすむものすべてが、一つ屋根(一宇)の下の大家族のように仲よくくらそうではないか。[f]
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 統一前の日本列島には様々な部族があったが、それらが一つにまとまって大家族のように暮らそう、というのが、我が国建国の精神であった。これは中華思想とは相容れない、諸民族の平等と友好を理想とする思想である。

 義満が朝貢貿易を受け入れ、日本国王として中国皇帝の下についてまで、貿易の利を追求したのは、この建国の本義を踏みにじったことになるからこそ、後世の厳しい批判を浴びたのである。

 アイヌとの関係においても、搾取や差別をしたり、時には戦いもあった。しかし、[b]で紹介したように、同胞として平等に遇してきた和人も少なくなかった。

 歴史教育としては、和人がアイヌを過酷な支配のもとにおいてきたというような一面的な記述は史実に反するし、またそのような中華思想を我が先人達は排斥してきた、という史実も無視してはならない。この二重の意味で、東書版は史実を隠している、と言わざるを得ない。

 東書版の「東アジアとの交流」の項は、わずか2ページに、以上4つもの問題を抱えている。近隣諸国が登場すると、精神的外国人の祖国愛が突然、刺激されるかのようだ。そんな教科書で、自国の歴史を学ばねばならない我が国の中学生の不幸に思いを致すべきだろう。
(文責:伊勢雅臣)

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藤沢市の教育を考える会 平成塾

講演:「江戸時代」が好きになる
日時:28年7月11日(月) 18時-20時半(17:45開場)
参加費: 1000円
会場:藤沢市市民活動推進センター2階A会議室
問合わせ: 弊誌への返信で
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■リンク■

a. JOG(948) 歴史教科書読み比べ(26) 足利義満の野望
 貿易のために明への臣従外交を行い、皇位簒奪まで図った野望家。
http://blog.jog-net.jp/201604/article_5.html

b. JOG(635) アイヌとの同化・融和・共生の歴史
「もののわかった人は、私たちアイヌを本当の日本人として尊敬してくれました」
http://blog.jog-net.jp/201006/article_17.html

c. JOG(123) チベット・ホロコースト50年(上)~アデの悲しみ~
 平穏な生活を送っていたチベット国民に、突如、中共軍が侵略を始めた。
http://www2s.biglobe.ne.jp/%257enippon/jogbd_h12/jog123.html

d. JOG(124) チベット・ホロコースト50年(下)~ダライ・ラマ法王の祈り~
 アデは27年間、収容所に入れられ、故郷の文化も自然も収奪された。
http://www2s.biglobe.ne.jp/%257enippon/jogbd_h12/jog124.html
e. JOG(523) シルクロードに降り注ぐ「死の灰」
 中国に植民地支配されたウイグル人の土地に、核実験の死の灰が降り注ぐ。
http://www2s.biglobe.ne.jp/%257enippon/jogdb_h19/jog523.html
f. JOG(773) 歴史教科書読み比べ(6) ~ 建国の物語
 自国の建国の言われも語れないようでは、国際社会ではまっとうな教養ある人間とは見なされない。
http://blog.jog-net.jp/201211/article_3.html


■参考■(お勧め度、★★★★:必読~★:専門家向け)
  →アドレスをクリックすると、本の紹介画面に飛びます。

1.五味文彦他『新しい社会 歴史』★、東京書籍、H27

2. 杉原誠四郎, 藤岡信勝他『市販本 新版 新しい歴史教科書』★★★★、自由社、H27
http://www.amazon.co.jp/o/ASIN/4915237834/japanontheg01-22/

3.代表著作者・伊藤隆『新しい日本の歴史 文部科学省検定済教科書』、★★★★、育鵬社、平成23年
http://www.amazon.co.jp/o/ASIN/4905382009/japanontheg01-22/

4.村田正志『日本の歴史文庫8 南北朝と室町』★★、講談社、S50
http://www.amazon.co.jp/o/ASIN/B000J9ETF4/japanontheg01-22/


■前号「暴発する中国から世界を護る戦略」に寄せられたおたより

■チベット、ウイグル、サイバー戦は?(「ひであき」さん)

いつも啓発的メルマガをありがとうございます。現代世界史を学ぶ生徒になったつもりでいつも拝読しています。ところで、今回のメルマガなんですが、生徒の立場として2点ほど疑問点が出てきましたのでご教授を願う次第です。

疑問点1
「小国B」の事例として、例えばチベットやウイグルなど、すでに中国に侵攻されてしまった弱小国には、あてはまらなかったようにも思えます。このような事象については、どのように考えると良いですか?

疑問点2
「実は軍事小国の中国」なので恐れるに足らずとのことですが、中国が絡んでの第三次世界大戦となる場合、サイバーを絡めた戦いになることは明白です。

サイバー絡みになると、たとえばミサイルや爆弾の軌跡を変えられてしまうため弱点が弱点にならない可能性もある。実物武器のデメリットをカバーできる可能性があります。

そしてサイバーについては中国は着々と準備を進めているようにも見えます。たとえば最近世間を騒がせ続けている多種多様の個人情報大量流出問題も、その準備の可能性があります。

これらについて伊勢先生はどのように評価されますか?


■編集長・伊勢雅臣より

 問題点1に関しては、チベットも、ウイグルも、第二次大戦直後、しかも中国大陸の奥地で、当時は周辺に助けてくれる勢力が十分にいなかった点が原因だと思います。

 ただし、現在では、チベットにはインド、ウイグルにはトルコ系の諸民族やイスラム系の民族が力をつけています。日本としては、こういう勢力と連携して、暴発する中国を背後からも抑え込む、という戦略が有効だと思われます。安倍政権では、インドやトルコとも連携を深めつつあり、この方向で、動いていると思われます。

 第2点、武力戦のみならず、サイバー戦の比重が高まるのも、顕著な傾向です。サイバー戦での戦闘能力は、武力戦よりも金が掛からず、また同盟国の間で技術共有をしやすいので、大国を周囲の小国で抑え込むには有利な分野だと思います。

 中国経済の低迷、環境破壊、汚職などでの人民の離反など、中国包囲網が有利な状況になりつつあります。インド、トルコとの連携、サイバー戦での備えなど、的確な戦略を進めれば、ますます当方が有利になっていくでしょう。

 そういう希望を持って、事にあたるべきだと思います。


■前々号「左翼と在日の深い闇 ~ 『井上太郎最前線日記』から」に寄せられたおたより

■工藤美代子さんの著書を読んで(YMさんより)

「関東大震災」時の朝鮮人暴動に関して、僕も工藤美代子さんの著書を読んで、<事実>であった、と判断しております。

工藤氏が挙げられている、数多の参考文献や一次資料のデータを付き合わせて、整合性をとった解釈をするならば、工藤氏の結論に集約されるのは必然だろうと感じました。

特定の思想的背景で歴史が解釈され、論じられることで、真実が眩まされることが多々ありますが、工藤氏の仕事は真相を求める思いの発露そのものだと思います。

「研究者」と言われる人々が、どれほど先入観や思想性によって特定の結論ありきの【研究成果】を発表し、世論の醸成に悪影響
を与えてきたか、は夙に知られるところ。

『史料の信頼性を批判的に検証するということが全くできていないので論外、とのことでした。』と読者の知人研究者は語られているようですが、工藤氏の著書を読む限り、史料同士を付き合わせて齟齬がある部分を相互に検証したり、足らざる部分があれば他の史料を参考に類推するなど、丁寧に史料を渉猟して真相に迫る努力をされています。

批判的に検証、というのであれば、史料の信頼性を論ずるための必要な史料も用意すべきであり、この知人研究者は、当該史料を工藤氏に示して『史料の信頼性を批判的に検証』して下さい、と直接申し込むべきでしょう。「公開質問」という形でメディア上で是非「論争」してほしい、と願います。それこそが「研究者」の良心に従い、研究者としてとるべき学問的に真摯かつ誠実な姿勢だと思います。

新聞記事より日記の方が史料的に信頼性が高い、とすることそのものが、先入観に他ならず、裏付けがとれない内容は史料として信頼を欠くのはいずれも同じです。

日本人を貶めるために都合良く語られてきた「歴史」にウンザリしております。学者・研究者には知的誠実さを堅持して、真相をこそ明らかにして頂きたい、と願わずにはいられません。

なお、南京事件を報じた米国人の記者というのは、支那のプロパガンダ機関から金を貰って、反日宣伝のための捏造記事ばかりを書き続けていたトンデモジャーナリストらしいので、このような記事を、日本の新聞記事と同列に評価すること自体、仮にも歴史研究者であれば、「論外」と断ずべきでしょう。

以上、歴史の真相が明らかにされることを切に念じつつ、私見を表明させて頂きました。

■伊勢雅臣より

 丁寧な反論をありがとうございました。歴史研究書に関しては、この位の吟味が必要かと思います。

 なお、別の読者からのお知らせで、工藤美代子さんの著作は、実は夫君の加藤康男氏が自分の作品を夫人の名前で出した、ということで、現在は同内容の本が、以下の形で、出版されています。

加藤康男『関東大震災「朝鮮人虐殺」はなかった!』、WAC BUNKO 203)、H26
http://www.amazon.co.jp/o/ASIN/4898317030/japanontheg01-22/


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