加瀬英明のコラム  ■ 泡沫候補だったトランプが大番狂わせを起こした理由 | Hideoutのブログ

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 日本を取り戻したい……そんな事をエントリーしたい。

 覚醒したら、こんな見方になるのかなと言うものに。


 加瀬氏は見方が面白い人に感ずるのは僕だけかな? ブルーカラーの白人たちの心情を扇動したトランプ。


加瀬英明ののコラム
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Date : 2016/03/22 (Tue)

 アメリカの共和党の大統領候補レースで、不動産王のドナルド・トランプが、大番狂わせを演じている。

 トランプは予備選で先頭を切るまでは、アメリカの主要メディアから、暴言を連発する「寄席芸人(ボードビリアン)」扱いにされて、泡沫候補として片付けられてきた。

 だが、いまでは共和党の大統領候補となるかもしれないと、いわれている。

 民主党は、3月1日の“スーパー・チューズディ”で、ヒラリー・クリントン夫人がサンダース上院議員に大差をつけて、大統領候補指名を手にしている。

 東京では外務省が、共和党の大統領候補になろうとも、ヒラリーがホワイトハウスを射止めることを、あげて祈っている。

 ヒラリーなら、オバマ政権の国務長官として、日本に独特な憲法上の制約を承知しているはずだというのと、外交アドバイザーとして、国務省で日本を担当していた、ロバート・キャンベルがついているためだ。

 トランプは、日米安保条約が日本に一方的に有利なものであって、アメリカに不公平な負担を強いているから、日本と交渉して、改定するべきだと主張している。

 アメリカは多くの諸国と軍事条約を結んでいるが、日米安保条約が唯一つの例外として、アメリカが日本を守ることを、片務的に約束している。

 韓国も、フィリピンも、アメリカと対等な相互防衛条約を結んでいる。ヨーロッパの人口40万の小国ルクセンブルグも、北大西洋条約機構(NATO)の一員として、アメリカをはじめとする加盟国を守る義務を、負っている。

 アメリカが日本との間だけに、アメリカが一方的に日本を守る保護条約を、結ばざるをえなかったのは、アメリカが日本に占領下で「平和憲法」を押しつけたためだった。

 このために、日米関係は今日にいたるまで、きわめて変則的なものとなってきた。

 もし、アメリカが「平和憲法」を強要していなかったとすれば、日本が独立を回復してから、米韓、米比条約と同じように、日米関係が相互防衛条約によって結ばれていたはずだ。そして、日本国民は誰一人として、不思議に思うことがなかったはずだ。

 トランプは無知から、暴言を吐いているわけではない。

 抜け目ない経営者であるだけに、マスコミを巧みに操って、利用する手腕には、私は舌を巻かされてきた。有名な億万長者(ビリオネア)が暴言を発するたびに、マスコミが興味本位に大きく取り上げて、全米に報道することによって、トランプ像が膨れ上がってきた。

 トランプはフィラデルフィアの名門校のペンシルバニア大学のウォートン・スクールでMBA(経営学修士)を取得しているから、優秀な学生だったのだろう。私は同大学から講義に招かれたことがあるが、ウォートンのMBAは、ハーバードのMBAと並んで評価が高い。

 今回、トランプはホワイトハウスを狙うのに当たって、内外問題に通じている専門家集団を、ブレインとしてかかえている。国防情報局(DIA)元局長のマイケル・フリン中将(退役)が、外交・安全保障問題のアドバイザーをつとめている。

 いまでも、国務省は中国と日本に対して甘く、国防省が両国を醒めた目で見てきた。
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 僕に語る資格も無いけど、上手くやって来たと言うのは偽ざるところだろう。

 参謀たちも上手く集め、大統領就任後に備え始めた。顔触れが、誰が誰やら不明だが。

 ずっと米国務省と国防省の官僚組織は、一枚岩ではなく、同床異夢だろうとは感じて来たが、ズバリの言葉は初めての気がする。

 IFの話は早過ぎるが、もっと日本が有利になんて、甘い事を考えてしまった。

 アジア全体を視ての発言らしいのも、そんな期待を抱かせるのだが。