大統領選に物申す? 頂門の一針3933号  2016・2・18(木) [頂門の一針] - メルマ | Hideoutのブログ

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 日本を取り戻したい……そんな事をエントリーしたい。

 覚醒したら、こんな見方になるのかなと言うものに。


 アメリカンドリームは益々遠のく夢になりつつあるのだろう。


頂門の一針メルマより
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米大統領選の背景に「格差」
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       平井 修一

米大統領候補のトランプの勢いは止まらない。オバマは根が反米であり「穏健なアメリカ」を求め、世界の警察官を辞任した。トランプは愛国、レーガンのような「強いアメリカ」を求めている。きれい事だけの職業政治家にうんざりしている共和党支持の中間層は、彼を支持しているようだ。

「トランプ氏、討論会蹴って対抗集会 “まるでオスカー”とご満悦」 (AFP1/29)から。

<大統領選の共和党指名争いでトップを走る富豪のトランプ氏(69)は28日、米FOXニュースが主催する同党候補によるテレビ討論会を欠席して独自イベントを開催し、自ら生みだした騒動を大いに楽しむ様子を見せた。

トランプ氏は、アイオワ州デモインで行われた討論会をボイコット。その代わり、退役軍人を集めた独自の資金調達イベントを、あえて同市内で同じ時間帯にぶつけて開催した。

テレビ中継されたこのイベントでトランプ氏は、討論会から注目を奪うためFOXニュースやライバル候補を挑発する発言を連発。FOXニュースや同局キャスターのメーギン・ケリー氏が自分について偏った報道をしていると改めて主張し、「粗雑な扱いを受けた場合は、自分の権利を守らなければいけない」と持論を展開した。

一方で、「FOXはここにきて非常に好意的になっていて、ついさっきも電話で『来てくれませんか?』と聞いてきた。私は『もう始まっているんじゃないのか?』と答えたよ」とトランプ氏は述べた。

さらにトランプ氏は、たった24時間で集めたという自身のイベントの参加者数を自慢。「見てくれ、ずらりと並んだカメラを。まるでアカデミー賞じゃないか。実際、アカデミー賞よりもずっと多いと聞いたよ」「会場の外にもまだ中に入ろうとする人たちがたくさんいるんだ」などと語った。

FOXニュースの声明によると、トランプ氏はテレビ討論会への出演料として500万ドル(約6億円)を要求したが、同局は拒否したという。(平井:この金は慈善団体に寄付するというのが名目)>(以上)

選挙はみずもの、一寸先は闇だと思うが、トランプが自信たっぷりであることは上記の記事で分かる。熱烈な支持者が多いのだ。昨秋の記事だが「トランプ氏、大人気なのはなぜ? 支持者が語る米大統領選」 (AFP2015/10/19)から。

<トランプ氏の人気はとどまるところを知らず、もはや一過性の流行とは言えない。トランプ氏はなぜ、これほど支持者から称賛されているのだろうか。

トランプ氏が選挙キャンペーンを開始してから4か月が経過した現在、約4人に1人の共和党員が同氏を支持している。選挙集会には常に多くの人々が集まり、バージニア州リッチモンドで先週開かれた集会でも5000人近くが同氏に声援を送った。

■ビジネスマンとしての評価

トランプ氏の支持者らは、「ビジネスマン」という言葉を反射的に口にする。これがトランプ氏の能力を評価する基準の一つとなっていることは確かだ。

「私たちの国は転換点を迎えた。私たちは収入よりも支出が多い。だからビジネスマンが必要だ」と、現状に幻滅した不動産業者のテリー・ブレナンさん(50)は語る。トランプ氏に会いに、会場に一番乗りした人々の一 人だ。

大統領の能力を企業の経営能力に例える人は多い。最高司令官は交渉力に長け、断固とした決断力を持たなければならない、とする考え方だ。支持者らは、トランプ氏がオバマ米大統領よりももっと上手くロシアのプーチン大統領に対処できると主張している。たとえ、外国の要人たちの名前を知らなかったとしても、だ。

「彼はたった一人で、今の地位にたどり着いたわけではない」と、アイルランド生まれで1980年代に米国に移住した元パラリーガル(弁護士補佐) のアリス・バトラーショートさん(72)は語る。「彼はきちんとしたアドバイスができる人々を自分の周りに置くでしょう」

■独立性

億万長者のトランプ氏は、「誰にも操られていない」ことを強調している。支持者らにとって、こうした独立性は極めて重要だ。支持者らは、見返りを求める利益団体や富裕な寄付者に対し、トランプ氏がなんの借りも持っていないことを称賛している。

トランプ氏は、選挙活動費を自費で賄うと誓い、資金提供者と政治家の癒着関係についてもしっかりと説明する。自ら大金を民主党や共和党の政治家の選挙活動に寄付してきたと語り、小切手を受け取った過去の候補者たちから、あふれるほどのお礼を受けたと述懐する。

トランプ氏の立候補は、自身のブランドのイメージを高めるための大掛かりなPR戦略に過ぎないのだろうか。

「まさか。彼に売名行為は必要ない」。バトラーショートさんは一蹴した。「私が100億ドル持っていたら、売名の必要はあるでしょうか?」

■米国が第一

また、支持者らはトランプ氏のスローガン「米国を再び偉大に」を信奉し、不法移民の追放、中国や日本との貿易戦争への勝利、税金の軽減など、同氏の政策を支持している。

「国境がなければ国は成り立たない」とトランプ氏は強調し、移民の不法入国を阻止するために、メキシコとの国境に壁を築くという誓約を新たにした。

トランプ氏のメッセージの中心にあるものは、米国を最優先するということだ。同氏は、オバマ政権が世界における米国の地位を失墜させたと主張している。

「オバマ大統領は外国寄りすぎる」と学生のトーマス・ロサドさん(19)は不満をもらす。保守強硬派「ティーパーティー(茶会)」は米政府が外国に資金を投入しすぎていると主張しており、その一部はトランプ氏を支持している。

■「不適切」な発言

最後に、挑発的なトランプ氏のスタイルが挙げられる。支持者らは、多くの米国人が思っていてもあえて口にしないことを、トランプ氏が大声で叫ぶのを聴いて満足を覚える。

支持者らは、ニクソン元大統領によって世に広まり、トランプ氏も採用している「サイレント・マジョリティー(物言わぬ多数派)」を自認している。

トランプ氏支持者の多くは、政治家たちを見下す一方で、民主党寄りだった同氏の過去については目をつむり、同氏が国際舞台で外国首脳を相手に失言を発する可能性については無関心を決め込む。

マナー違反もいとわないトランプ氏の大げさな発言に興奮した様子のバトラーショートさんは「彼はレーガン元大統領を二回り大きくしたような人物になりますよ」と語った>(以上)

トランプがうけている理由も分かった。その背景には米国(あるいは世界)の直面している「地殻変動」があるというのが在米の笠原敏彦氏の最新の論考「『格差』に蝕まれてアメリカ社会は壊れかけている 米大統領 選"異変"の読み方」(現代ビジネス2/16)だ。

<*壊れかけたアメリカ社会

アメリカ大統領選は、民主、共和両党ともアウトサイダーが大健闘する展開になっている。

自称「社会民主主義者」のサンダース氏(民主)と、扇動的な発言で物議を醸す不動産王トランプ氏(共和)は、候補指名レースの第2戦となった9日のニューハンプシャー州予備戦でそれぞれトップになった。

従来なら泡沫候補で終わっていただろう両候補が巻き起こしている政治的ムーブメントは、何を意味するのか。

筆者には、経済格差がいかに民主主義、社会を蝕むのかというドラマを同時進行で目撃しているように思えてならない。

米労働統計局が昨年4月に公表した所得データによると、2014年7月までの1年間で所得が増えた層は上位20%の層だけで、それ以下の層は2%以上減少している。

アメリカ経済の堅調さにもかかわらず、こうした結果が出るのは、経済のグローバル化はエリート層を利するばかりで、中・低所得者層にはその恩恵がなかなか回らないという指摘を傍証するものだ。格差は確実に拡大しているのである。

*左傾化する若者たち

サンダース氏とトランプ氏が勢いを見せる選挙戦の展開は、「ワシントン=既成政治」への反乱と説明されることが多い。

公立大学の授業料無料化など欧州社民主義的な政策を掲げるサンダース氏を支持する草の根の若者層。反移民などポピュリスト的な訴えを行うトランプ氏を支持する白人労働者層。

両支持層の思考のベクトルの向きは全く異なるものの、ワシントン政界、ウォール街的な「エリート文化」への憎悪感を爆発させている点においては共通する。

ここで、両支持層の動向を分析することで、アメリカという社会システムの機能不全について考えてみたい。

まずは、サンダース支持層である。自由を国家のコアバリューとするアメリカでは「社会主義」はダーティ・ワード(忌むべき言葉)だった。そのアメリカで盛り上がりを見せるサンダース現象は、この国の若者層の左傾化を示すものだろう。

2008年のリーマン・ショック後に起こった「ウォール街を占拠せよ」運動につながるもので、中核となるのは「ミレニアル世代」(1980 2000年生まれ)である。

(平井:民主党底辺支持者の「ウォール街を占拠せよ」運動は核となる政治家がいなかったためだろう、政治的なパワーにならずに雲散霧消した。負け犬の遠吠え、成功者へのやっかみとしか見られなかったのかもしれないが、そもそも民主党議員自体が「ウォール街」から献金を受けたり、「ウォール街」で成功した人々ではなかったか。民主党はカネの臭いがする、共和党は硝煙の臭いがする・・・)

「子どもの世代は親の世代より豊かになれる」

第2次大戦後の経済成長は、こんな“庶民的アメリカンドリーム”を生んだが、経済格差が拡大し、中間層が縮小する中で、ミレニアル世代にそんな楽観主義はなさそうだ。

また、「丸太小屋からホワイトハウスへ」の言葉に象徴され、アメリカ社会が誇りとしてきた社会的流動性の高さも近年、陰りを見せている。

こうした閉塞状況に身を置く若者層が諸悪の根源と見なすのは、巨大金融資本、すなわち「カネが持つ政治的影響力」である。だから、サンダース氏が「腐敗した選挙資金制度の下、ウォール街と大金持ちが彼らの選ぶ候補に巨額の資金をつぎ込んでいる」と訴えるとき、彼らは喝采を惜しまないのである。

(平井:民主党議員の選挙資金に中共の金が相当流れているのではないか。中共系と韓国系米人の多くは民主党支持だろう)

*誰がトランプを支持しているか

次は、トランプ氏の支持層である。

この右翼ポピュリズム的ムーブメントを支えているのは、白人労働者層の「古き良きアメリカ」へのノスタルジアだろう。経済のグローバル化、デ ジタル情報革命などがもたらす恩恵から取り残され、逆に雇用、賃金面などで国際競争のしわ寄せを受ける労働者層だ。

彼らが不遇の原因として、移民や外国人をスケープゴートにするのは欧米先進各国に共通する構図となっている。

米キニピアック大の昨年12月の世論調査では、トランプ氏が大統領になったら「恥ずかしい」と思う人が5割もいる。それにもかかわらず、トランプ氏が候補指名レースで快走していることは、アメリカ社会に走るフォルトライン(断層線)の深さを示すものだろう。

OECDが2014年12月に公表した報告書によると、所得分配の不平等さを示すジニ係数(1に近いほど格差が大きい)は、アメリカ(0.4)とイギリス(0.35)が先進国中では1、2位を占める。

アメリカは、イギリスの階級社会を反面教師に、自由と平等を理想に建国された。そのアメリカが、新自由主義の下で「勝ち組」と「負け組」のコントラストが鮮明になり、半ば“階級社会”化してしまったのである。

*アウトローへの期待の高まり

アメリカ大統領選に費やされる資金は100億ドルと言われる。その多くは、企業や団体が無制限に献金できる「スーパーPAC(Political Action Committee、政治行動委員会)」という政治活動を行うアメリカ独自の組織に流れ込む。

このスーパーPACの活動で目に付くのが、テレビCMなどでライバル候補を誹謗中傷するネガティブ・キャンペーンだ。大富豪や大企業が、意中の候補を支持するスーパーPACに巨額献金を行うことで、将来の政治的影響力を確保するパイプとなっているのである。

有権者がこうしたシステムの在り方に憤りを覚えることは何ら不思議なことではないだろう。

こうした中で、300万人を超える人々から個人献金を集めて戦うサンダース氏と、「私には資産がある。お金で買収されることはない」とアピールするトランプ氏は、スーパーPACとの関わりが薄く、「大富豪・大企業 ワ シントン政界」のリンク、ロビイストの影響を断ち切れる存在として期待が強いのである。

両者の支持層は、ワシントンの自己改革能力を見限り、アウトローでなければシステムの大掃除はできないと考えているのである。(平井:アウトロー=無法者、この場合はアウトサイダー=体制外の人と書くべきだ)

*民主主義の危機の原因

それでは、格差は社会にいかなる影響を及ぼすのか。

米外交誌「フォーリンアフェーズ」は2月号で「格差をどう捉え、いかに対処するか」という興味深い特集を組んでいる。

その中で、フランスのロザンヴァロン教授は、ピーター・ドラッカーが「『トップエグゼクティブと一介の労働者の給与の比率は20対1を超えるものであってはならない』と主張していた」(アメリカの現状は350倍という調査結果もある)ことなどに触れた上で、次のように指摘している。

「人々がそこに格差があると痛感するのは、異なるルールが別の集団に適用されていると感じているときだ。彼ら(庶民)はダブルスタンダード、そして自分たちに有利なようにゲームを操作し、管理する(エリートの)人々に対して強い憤りを示す。……誰もが自己利益を重視した行動を取るようになり、最終的にパブリックマインドが損なわれる」

古典的名著『アメリカの民主政治』で知られるフランス人政治学者トクヴィルは「社会にとっての利己主義は、金属にとってのサビのようなものだ」と喝破したそうだが、ロザンヴァロン教授の指摘は、利己主義が格差を拡大し、社会を蝕んでいくということだろう。

注目すべきは、格差拡大などを背景に、世界的に同じような政治の潮流が生まれていることである。

米シンクタンク「ニュー・アメリカ財団」のモンク氏は、世界各国が直面する大きな課題として「拡大する経済格差」「社会的流動性の低下」「中間層の生活レベルの低下」の3つを挙げる。

そして民主主義の危機の原因の1つは、旧世代より新世代の生活レベルが低下していることであり、「親の世代よりもよい賃金を得て、長生きし、より多くの時間を余暇に当てられるようになる」と誰もが考えてきたこと が当然視できなくなっていることだと指摘している。

そうであれば、我々がアメリカ大統領選で目撃している乱気流に飲み込まれたかのような政治、社会の動向は決して他人事ではないだろう。格差の拡大は確実にその社会を不安定化させ、その帰結として政治を不安定化させていくのである>(以上)

なかなかいい論考だが、「格差は拡大している→社会を不安定化させる」は本当なのか。それほど単純ではないだろう。

南北戦争当時の農園主や事業家と底辺労働者の格差、20世紀を代表する億万長者として知られ「資本主義の権化」「地球上の富の半分を持つ男」と評されたハワード・ヒューズ(1905 1976)などの時代の格差、それは今をはるかに超えていたのではないか。富裕層は「雲上人」、別世界の人々だったろう。

貧しい人が圧倒的に多い時代には、むしろ貧しいことは「世間並」で、あまり不満には思わないのではないか。それは小生の子供時代の経験でもある。

今は身近なところにアメリカンドリームを体現した「セレブ」が誕生しているから、セレブになれなかった人が「なんでやねん」と不満に思うのか もしれない。

それは民族性にもよるだろう。

日本人の過半数は「中流」だと思っている。小生の周辺を見渡すと、中流の世帯所得/年を500万円とすれば、上流は20倍の1億円あたりが相場か。 日本は理想的な“社会主義国”であり、これには“立って半畳、寝て一畳”の清貧の思想があるから、自分だけの金儲けを是としないという風潮、生き方があるのだろう。(日本の金持ちは高が知れている)

山本夏彦翁によると、戦前は「部長は平の10倍、社長は平の100倍」だったという。まあ、係長クラスで500万円なら社長は5億円だ。

だから100倍までは許容範囲かと小生は思うのだが、上記の記事によれば 米国の場合は200倍、300倍は珍しくなく、セレブは結構増えているようだ。そうなると中流未満は「金持ちは別世界の人」とは思わずに、「なんでやねん、奴らばっかりええ思いをして、わしらはつまはじきか」と嫉妬、不満、怒りを募らせるのかもしれない。

金儲けは大体早い者勝ちだから、出遅れた人は勝ち組の背中を見ながら「なんでやねん」と思う。ところが背中がまったく見えなくなると「彼らは彼ら、俺らは俺ら、ともに別世界」と割り切るのではないか。インドネシアの大農園を訪ねたら、そういう世界だった。

金持(貴族、名家)は貧民に仕事(時には保護)を与え、貧民は金持ちに仕える。いいか悪いかは分からないが、持ちつ持たれつの調和的秩序があった。

今、米国は「高速ヘビー級アメリカンドリーム」路線を突っ走るか、それともブレーキを踏んで「中速ミドル級アメリカンドリーム」路線にするかの岐路にあるとは言えるだろう。(2016/2/17)
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 まぁ「清貧」なんて言葉は日本語にしか無いだろうな。

 それを侵食する民族が日本に蔓延っているのが、問題なのだが。平井氏は知ってか知らずか不明だが、語らないのが残念だ。

 ソフト銀の孫、楽の三木谷のような人物は何様か知らないのは、何だかなあ。

 日本型社会主義は平和を築く、最良なシステムだと僕は考えるのだが。