ちょっと古い記事ですが、日本を見詰め、考えるのも、良いかな?
産経ニュース
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歴史は他国から強要されるものではない、「日本正史」の確立を
2014.7.6 07:00
■弱腰外交の元凶は貧弱な歴史教育
前回、中国と韓国による南京事件と慰安婦関連資料のユネスコ世界記憶遺産登録申請の問題について書きました。史実を冷静に検証することなく、旧日本軍を暴く偏向小説や捏造記事を題材に「恣意的な物語」を仕立て上げ、一方的な「プロパガンダ」を世界に展開している両国に対し、繰り返しになりますが、わが国は国連などの国際機関に「カネ」だけでなくもっと「ヒト」や「クチ」を出すべきです。
それと同時に、強硬な発言国・中韓による国際世論醸成活動に比べ、わが国の生真面目すぎる反論と弱腰外交が、事態を不利にしてしまっていることを、もっと深刻に受け止めるべきでしょう。国際社会に自国のことを強くアピールするには、国民の「後押し」も必要です。そのためには、日本史の学校教育がほとんど明治までで終わってしまうという弊害を駆除し、第二次大戦前後までカバーした「正史」を確立・伝達することが急務だと考えます。今回はそのことを論じたいと思います。
■日本人が戦後、置き去りにしてきたもの
良い歴史とは「公智・公徳」が正しく反映されていなければなりませんし、いみじくも利害関係を持つ他国から強要されるべきものであってはなりません。
アーノルド トインビーは「理想を失った民族は滅びる。すべての価値をお金や物に置き換えて、心の価値を失った民族は滅びる。自国の歴史を忘れた国家は亡びる」と書き残しております。日本人が戦後置き去りにしてきた、理想・心の価値・きずな・民族としての誇りを、いまこそ取り戻すべきなのです。「先人たちの言動を、心を込めて味わうとともに、生きる指針とする歴史」を教訓とすべきではないでしょうか。
また、二宮尊徳はこう言ってます。
「聖賢の貴い教えは世の中を潤沢にする水のようなものだが、これが書物となれば“氷”になったままで、さらに解説本や注釈などは“ツララ”にすぎず、世の役に立たない。従って氷を解かす“湿気と熱意と感動”が諸君の胸中に満々とたたえられているか否かが、歴史に学ぶに際して最も大切なことだ」
この名言こそ、肝に銘ずべきかと思います。
■近現代史は「エネルギー」が動かした
歴史には、さまざまな事象にスポットを当て、それを検証する方法がありますが、中でも「エネルギー史」は、世界の近現代史では注目の的であり、確かに資源エネルギーが国家の命運を左右し、歴史を動かしてきたことは、明々白々です。
近代世界史を押し開いたのは、イスラム世界の支配を凌駕した西欧有力諸国による植民地拡大化に始まりますが、その富の源泉をもたらせたのは、産業革命という「工業力」でした。英国に端を発した蒸気機関の発明とその動力源を担った「石炭の活用」が、近代化の扉を開いたわけです。
風力依存のスペイン帆船艦隊に勝利し、世界の海をわが物とした「黒船」が、英国やオランダに貿易の富をもたらせ、米国のそれがわが国を開国させ、幕藩政治を終焉させました。三井が炭鉱開発をリードした九州ほかの石炭が明治の軍艦を強力に支えたことで、日清戦争において、北洋艦隊を黄海海戦で破り、日露戦では、ロシアのバルチック艦隊を日本海海戦で迎撃打破することに成功したのです。
欧州が主戦場となった第一次世界大戦では、陸の戦車、空の飛行機という新兵器の登場に伴って、エネルギー源は、石炭から石油に転じました。海軍にあっても、石油の効果は特筆もので、軍艦の性能が飛躍的にアップグレードされました。これは、国産の石油を持たなかった日本にとっては致命的な打撃となってしまったのです。日本の運命を決することになったのは、欧米による日本への石油供給ルートの締め付けで、これがわが国を追い詰め、第二次世界大戦へと向かう羽目となったわけです。
■第三のエネルギー・原子力の危機
そして、日米が主役に転じた太平洋決戦の終盤で、原爆という決定的打撃を与えたのが、原子力という第三のエネルギーだったのです。石炭で開国し、アジアの強国にのし上がったものの、石油と原子力で敗北の憂き目を被ってしまいました。
一方で、戦後の復興と経済大国化を可能にしてくれたのも、中東からの安くて安定的な石油の供給が得られたことに加えて、それが2度も脅かされた石油危機の経験と、化石燃料のもたらすCO2排出という環境問題の対策を兼ねたクリーンエネルギーとしての原発稼動による電力確保がなされたからでした。
ただ、その原発も、東日本大震災で福島第一原発が水素爆発事故を起こしたことで反原発運動が大きくなり、今、第三のエネルギー危機という国難にひんしている状況にあります。原発問題のひずみは、すでに貿易収支の悪化と産業や家庭のエネルギー逼迫をきたしたほか、ヒステリックな反原発論が、まともな安全性や被曝健康評定のリスク判断を許さないため、甚大な国家的喪失を生んでいる現状にあります。
話が「エネルギー史」から少しそれてしまいました。ただ、原発問題はわが国の産業の根幹にかかわることなので、また稿を改めてじっくり論じたいと思います。
■日米同盟の重要性、改めて吟味を
「エネルギー史」と同様、「外交史」にも多くの教訓が隠されています。
今、中国が東シナ海・南シナ海の制海権を狙い、ロシアが海洋国家への意向を固め、北朝鮮は核開発に現(うつつ)を抜かし、韓国は反日傾向を強め…と、日本を取り巻く現状が緊迫度を増しておりますが、この状況は明治後期と地政学的に酷似しているともいえそうです。
当時の覇権国イギリスと日英同盟を結んだのは1902年、日露戦に勝利し、第一次大戦の戦勝国になり、その後大正デモクラシーまでの20年間は、文化芸術の花が開き、三井・三菱・住友・安田の大財閥が形成されるなど、“坂の上の雲をつかんだ”時代でした。
ところが、日英同盟を破棄し、国際連盟を脱退するや、関東大震災に見舞われ、満州事変・日華戦争を経て、日米開戦から敗戦という塗炭の苦しみを味わうまで一気に坂を転げ落ちてしまったのです。
戦後は一転して、新たな覇権国アメリカと1960年に日米同盟を締結したことで、日本は経済大国へと復帰できました。「同盟」の重要性を再々吟味すべき時かもしれません。
■変革に財経改革はつきもの
最後に、「歴史的社会変革」には、経済のうねり、停滞を成長へ転回させる「財経改革」がつきものであるという史実に関して付言しておきます。
大化の改新は、公地公民化でしたし、建武の中興は貴族と寺社私有の荘園を解放しました。明治維新も武家幕藩の封建経済を、中央集権型議会政治による財経改革で富国へ向かわせた成果です。戦後の経済成長も自由経済圏への参入と通商産業政策が原点となっていました。
民主党政権で泥沼に陥ったデフレが、第二次安倍内閣でようやく脱出の兆しも見えてきました。今まさにアベノミクスの第三の矢が放たれたばかりで、これに期待したいところです。
また安保関連では、集団的自衛権の憲法解釈見直しが閣議決定されました。これによって日本はアメリカとの同盟関係を強化し、世界の味方をどんどん増やし、中国を孤立化へ追いやる良薬になると考えます。
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最近、江戸時代に対する考え方が違ってきました。単純に封建時代とする考えには同意しかねます。江戸時代の資本の蓄積が、明治の飛躍的発展の礎で有ったと思いませんか?
究極のエコ社会だった江戸時代。当時の世界で唯一日本しか達成し得なかった社会を築きました。
今でさえ、他の国家、他の民族のドコかが、日本の様な社会を築くところが有りますか?
日本は、特殊なんです!