山陽本線岡山地区 運行管理システム導入準備(87) 岡山駅で発車標・放送試験実施 ⑤⑦⑧のりば編 | 遅れ通過貨物の発車標・駅放送徹底研究ブログ

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JR西日本岡山支社を中心に、発車標や駅放送を取り上げるブログです。

旅客案内システムの導入準備・試験から、本稼動後の変化まで様々な観点から検証し、普段何気なく見る発車標や、何気なく聞く駅放送が、どんな準備・工夫をされているのか、その奥深い世界を紹介します!

予備的立ち位置の5番のりば、マリン主体の6番のりば、普通主体の7番のりば、特急主体の8番のりばと、日中は明確に役割が決められている岡山駅の瀬戸大橋線・宇野線ホーム。

5〜8番のりばのすべての列車を案内する発車標が3台、5・7・8番のりば専用の発車標が各ホームに1台ずつ設置されています。

試験に先立ち、発車標が順次更新されて行った岡山駅の瀬戸大橋線ホーム。表示や放送がシステム準拠のものになるのか注目してきました。「システム準拠になる!」と京都駅などを例にして記事を書いたりもしましたからね。
果たして、SUNTRASっぽい表示に変更されるのか!四国方面への行先が見られるけど、岡山システムのフォントに変わっているのか!見てみましょう!


まずは5番のりば。

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おおーー!ちゃーんと当駅止が出てるし、山陽本線ホームと同じシステム連動表示ですね!
放送も山陽本線ホームと同じです(放送については、また今度)

これは四国方面の駅名もシステム連動で表示・放送されることが確実になり、胸が躍ります。
このブログでも、しっかり紹介しますので、まずは5番のりばに着目して、詳しく見て行きましょう。

先ほどの写真は、15時代の撮影です。
 

昔は、

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外が明るい時間帯でも、20時代以降の表示が出ていた岡山駅(この写真は、マリンが運休表示になっていますが、13:47撮影というデータが残っています)。

新表示では、マリンライナーが運休になっているわけでも、当駅止が表示されたことによってまだ表示が出ていない、というわけでもありません。

「発車の時刻に近くならないと表示を出さない」
というなんらかのルールがあるようです


以下の写真は、17:24撮影ですが、マリンは出てません。

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こちらは17:41に撮影しました。
上段の回送は、毎日見られるもので、広島支社の115系が5番のりばに入る少し珍しい光景です。


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2016年3月のダイヤ改正をもって、下関の2ドア車は岡山まで来なくなりました。そのため、この試験時のみ、岡山駅の新表示と広島支社の2ドア車のコラボが見られたわけですね。
そうそう、この岡山駅での試験は、ダイヤ改正の前に行われているものなんですが、ダイヤ改正を境にもう見られなくなるものがたくさんありました。それらについては、また別記事にて丁寧に解説しますね。

そしてしれーっとマリンライナーの表示が出ています。
あまり変化は感じられませんね…前の表示も今の表示も、どちらも半角カタカナですから、要はフォントの違いですね。半角といえば横8ドット、しかもぶつからないよう実際には7ドットしかありませんから、フォントが違えど極端に変わったようには見えませんね。

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マリンの表示ですが、17:24には出ておらず、17:41に出ている、ということは、キリがよさげな発車2時間30分前から表示、ということでもなさそうです。
気持ち悪かったので丁寧に調べてみたところ、マリンライナー61号の前身の58号が岡山駅に20:03に着くようなので、ひとまず到着時刻の2時間30分前から表示される、というのが近そうです。


そのマリンライナー61号のスクロール表示。

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もちろんこれまで見てきたサンライナーややくもと同じく、SUNTRASとほぼ同じ構文。
特急は列車名が赤文字で、号数が緑文字だったので、SUNTRASとは違っていたのですが、マリンライナーの場合は号数字が橙なので、かなりSUNTRASに近いです。現状緑の「号」を赤にすれば完全にSUNTRASにしか見えなくなります…誰も求めていませんが。

[参考]
岡山特急:やくも12号
岡山快速:マリンライナー21号
SUNTRAS:くろしお12

本四連絡のためとはいえ、グリーン車指定席、2階建て車両連結、通過駅も多く、表定速度も新快速に匹敵するのがこのマリンライナー。両数が短く、地味なエリアを走っているためか、大して注目されていない印象がありますが、早朝(4時半過ぎ!)から深夜(1時半前)まで、ほぼ30分ヘッドで爆走しているマリンライナー号にも、頭上の乗車位置標と合わせ、素晴らしい案内装置が整備されましたね。

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そしてこのスクロール!これはSUNTRASの路線で見られる、優等列車から緩行列車への連絡案内です!特に阪和線や学研都市線、JR宝塚線など、複線区間で緩急接続をする路線でおなじみです。

JR神戸・JR京都・琵琶湖線でも、一部駅で緩急接続をやっていますが、どちらかというと先着案内(○○・○○・○○には、あとの新快速が先に着きます。など)の方に重点を置かれているイメージがあります。本数が多いからでしょうかね。

ただ、岡山の場合はどうでしょう。優等列車から緩行列車への連絡案内であることは間違いありませんが、茶屋町で連絡するのは宇野線の電車です。マリンライナーは瀬戸大橋線をそのまま進み、高松へ向かいます。つまり、緩急接続を案内するというよりも、他線への乗り換え案内スクロールとしてうまく使われているわけですね。

関西の場合、他の路線に連絡する便に、この構文のスクロールが使われていたエリアは無かった記憶があります。システム連動前から宇野線への連絡案内はあったので、何かしらのスクロール等が設定されるとは思っていましたが、てっきり緩急接続の案内としてしか使われていなかったこの構文が、まさか宇野線への連絡案内として岡山でも見られるとは思っていなかったのでこれは予想外でした。

あと、スクロールが「快速 高松行」と、列車名・号数を省いた表示になっていますね。連絡案内をするものですから、わざわざ表示するまでもない、ということなのでしょう。岡山で走っている快速はサンライナー、マリンライナー、ことぶきと全てに列車名が付いているので、唯一列車名が省かれるこのスクロールはSUNTRASらしく見えてお気に入りです。

(なお、この記事では茶屋町から宇野線に入る電車があたかも別路線への乗り入れ列車であるかのように書いていますが、正式には岡山〜茶屋町〜宇野が宇野線であり、茶屋町〜宇多津・坂出が本四備讃線、坂出〜高松が予讃線です。そのため、茶屋町からマリンライナーは本四備讃線に乗り入れるため、正確には別路線へ乗り入れるのはこちらなのですが、日中の運転状況や、岡山〜茶屋町〜児島〜高松のルートに瀬戸大橋線という愛称が付いていること、利用者数などを考え、茶屋町〜宇野が別路線のように見える表現をあえて用いています。と、詳しい人に怒られないよう補足しておきます。)


次は7番のりば。

以前は7番のりばホーム中程に発車標が設置してありましたが、置き換えと共にかなり手前に位置変更されました。

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ちょっと見にくくてごめんなさい。

日中は当駅止が出ることはなく、ほとんど115系3両編成が占めるこののりば。
「瀬戸大橋線」の表示がビシッと決まっています。ただし、英語表示はそのままでは入り切らなかったのか、いつしかのBanshū-Akōのように少し文字サイズを下げているようで、若干視認性に難があります。ここは残念…

岡山駅の発車標のなかでも、個人的に「地味」な印象のある筐体がここですね。

そうそう、朝晩はパターンダイヤが崩れるのでマリンライナーが茶屋町で宇野線に連絡していますが、日中は各駅停車が宇野線連絡の役割を担います。
本稼動後の画像ではありますが、面白いスクロールになるのでご覧下さい。

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普通 児島行は、茶屋町で普通 宇野行に連絡しています。

今まで快速電車が普通電車に連絡するイメージしかなかったこの構文ですが、普通電車が普通電車に連絡するように見えて、違和感がありますね。
おそらく、システムの中に連絡案内の構文がプリセットされていて、SUNTRASでは快速→普通の連絡に使っていたものを、岡山支社は「普通同士でも使えるのでは?」とうまく活用したのではないかと思います。

気づいた方はいますか?のりばの番号が全角になっています。本稼動後の写真は2018年2月撮影のものです。いつの間にか変わってるんですが、これは今回は解説の対象外。また別記事にて解説します。


のりば毎の発車標、最後は8番のりばです。特急の発着がメインで、停車駅や車内設備についてひっきりなしにスクロールが流れます。

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しおかぜ・松山行と、南風・高知行。日中はこれらが交互に発車しますので、当然これらの表示で埋まります。

が、夜にはこんな列車が。

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南風23号高知行と、うずしお27号徳島行の併結列車です。

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SUNTRASのエリアで、異なる列車名かつ異なる行先の特急が併結されている例は、嵯峨野山陰線のきのさき・まいづる号が該当します。
岡山支社のシステムでは、「南風・うずしお」のみ、号数を表示しませんが、SUNTRASでは

きのさき○号
まいづる○号

を、1つの表示欄、縦16ドットに収めています。

岡山支社の場合、放送やスクロールでは号数まできちんと案内しますが、パッと見での情報量は低下したと言えるでしょう。
ただし、ホームに駆け下りてきて特急に飛び乗る人はそういないでしょうから、案内に支障が出るレベルでの情報量の低下ではないとも考えます。
この点は、SUNTRASが出来すぎ、と捉えた方が良さそうですね。

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高知・徳島の日英表示。
英語表示については、Bizen-Katakami(備前片上)やBitchū-Takahashi(備中高梁)など、長い駅名の際に使用される小さな字体が使われているようです。

7番のりばとは対照的に、特急車両、それも完成度の高い四国の車両が見られるホームですし、8番のりばは岡山駅で最も華やかなホームではないかと個人的に考えています。


さて、5・7・8番のりばのそれぞれの発車標を見ました。山陽本線でないホームもきっちり新しいシステムで案内されることが分かりましたが、問題はココです。

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5〜8番の表示が全て出るこの筐体!
写真は旧表示時代ですよ。

SUNTRASであれば、左右のホーム、つまり岡山駅のこのホームの場合は、6・8番のりばを矢印で示し、発車標の左右に直接面していない5・7番のりばの表示は別のりば表示(倉敷駅で見た列車名/乗車位置欄に出る「5番のりば」の表示)を出すことで案内します。

しかし、岡山駅の表示は、SUNTRASベースでありながら、左右を矢印で示すのではなく、のりば番号を右端に出す割付。
今までに前例のない割付を生み出した岡山駅は、5・7番のりばの表示をどのように出すのか!

次回、乞うご期待!