今から40年前以上…。


毒母親との関係が苦しくて


寺山修司の「家出のすすめ」

を読んで家出し
劇団「天井桟敷」に入った私。



寺山さんが
今生きていたら

何を思い
何を表現したか

生と死が交錯する

キャバレーを舞台にした音楽劇を
観てきました。





死を前にした
寺山修司を演じるのは
元SMAPの香取慎吾さん。


座った席

日生劇場の一番後ろの席は

全体を広く見渡せます。



香取慎吾さんは

出番冒頭で…。



私の座る

一番後ろの席を指差し



…………………


あの席だ

もっともここから遠く

もっとも天井から近い席。


あの時

俺たちは

今の俺たちと

さよならして

より高い所に行くために

こう名乗ることにした


「天井桟敷」


そこで

俺は言葉と出会った。


その時

この世界がすべて

劇場になった


劇は出会いだ。


……………



この冒頭のセリフに

うるうるとしてしまいました。



音楽劇は

昭和のドロドロとした

アングラの世界観なく


明るく

寺山さんの紡いできた言葉を

リスペクトしながら


寺山愛が込められていました。



演じる役者も

観客席の観客も



寺山修司を

天井桟敷を

知っているのは

半分もいないのではなかろうか、

と思った。


香取慎吾さんのファンかな。



劇中では

寺山さんが作詞した

歌がいくつもちりばめていた。



私の好きな

女優の藤真利子が歌う

「花がたみ」

も、テンポが明るい。


このテンポは

私好みではない。

もっと暗く切なくなんだよな。。。


♪可愛いがってくれる

親はなし


親はいらぬが

いい人欲しい〜♪




劇の最後は、、


観客が皆

スタンディングオベーションしている!



おおおおおー。


「天井桟敷」の芝居で

今まで

スタンディングオベーションなんて

あっただろうか。



令和の時代。

演じる役者にも

作品にも

暖かい。



昭和の時代。

「天井桟敷」の芝居は

観客に挑戦的だったし

観客も、作品に挑戦的だった。




寺山さんの世界は

観客も含めて

みんなで芝居。



寺山さんの芝居では

観客も

れっきとした観客という

「役者」であったと思う。




寺山さんを演じた

香取慎吾さん。


トップアイドルの今までの経験から

声も聞きやすく、

歌も染みました。



反対に

死を演じた元宝塚女優。

宝塚発声で

喉に声がこもって

聞きづらい。

役にもあってない。



なんだかんだと

こんなことも感じながら

久々の日生劇場。



テラヤマキャバレーを

楽しんできました。



言葉の錬金術師

寺山修司。


どんな鳥だって

想像力より高く

飛ぶことはできないだろう。



寺山さんの言葉の数々。

私は大好きです。




さて!


もし今

寺山さんが生きていたら87歳。


理論知識から解放され

感情の人

認知症になっていて



介護現場では

問題行動高齢者になっていて



忘れていく「記憶」の中で

全裸になりながら笑



私たちが思いもつかない

たくさんの言葉の数々を

紡いでいただろうな。



大丈夫ですよ。

認知症ケアのプロの私が

寺山さんの世界に

寄り添います。