チョコの花より美男ですね -9ページ目

チョコの花より美男ですね

美男ですね、花より男子、成均館スキャンダルの二次小説、スイーツなど、日々のささやかな幸せについて

小さな頃、王子様は白馬に乗ってやってきて、私に物凄く優しくしてくれるものだと思っていた。

しかし現実は…

「コ・ミナム!!!!!」

白馬ではなく青色の高級車に乗ってやってきて、優しくしてくれるどころか、毎分毎に怒鳴られている。

それなのにどうしてこんなにも幸せな気持ちになるのだろう。

「コ・ミナム!にやにやするな!!」

王子様といえば柔和な笑顔なはずなのに、鋭い目つきで眉をこれでもかってくらい吊り上げて怖い顔をしているのは何故だろう。

でも、どうしてだか目が離せないから不思議だ。

「おい!聞いているのか!コ・ミナム!!!!!」

優しく私の名前をささやいてくれるはずの王子様は、私のことを呼び捨てにして怒鳴りちらしている。

ちょっと怖いけれど、どうしてだかもっと聞いていたくなる。

「……おい、どうかしたのか?コ・ミナム。」

私が黙ったままだったからか、あんなにも怒っていたのに、少しだけ心配そうに私の名前を呼んでくれた。

なんだかとっても嬉しくなって、でれっとした顔になってしまっていたのだろう。王子様の怒りにまた火を付けてしまったようだ…。

「コ・ミナム…俺様をからかっているのかーーー!!!!!」

あまりの剣幕に、びくっと肩を震わせると、また少し王子様は声のトーンを落として私に説明を始めてくれた。どうしてこんなにも怒っているのかを。

「どうして俺様が怒っているのか分からないのだな?いいだろう。今回だけは教えてやろう。部屋の洗面台を使ったのは百歩譲って見逃してやる。しかし洗面台の横がどうしてあんなに水びたしになっているんだ!!そしてそれをどうして拭かない!!!!!」

「す、すみません…。」

そんなことで…。
この人は本当に王子様だろうか。少し自信がなくなる。だって、王子様ってもっと大らかなんじゃないのだろうか。

「なんだー!その顔はーー!!!」

考えが顔に出てしまっていたのだろう。ますます怒らせてしまったようだ。

「で、でも…顔を洗ったので、周りが濡れるのは普通では…。そのうち乾きますよ。」

「……口ごたえする気か。」

王子様らしき人の背後から、怒りの炎が見えるようだ。ここは素直に謝りまくるしかない。

「すみませんでした!以後気をつけます!!」

腰を直角に曲げて何度も頭を下げた。そして、ちらりと顔を上げてみると、まだ怒りの炎は小さくなっていないようで、腕組みをして仁王立ちだ。

「すみませんでした。もう二度と王子さ…あっ!テ、テギョンさんの部屋の洗面台は使いません。」

これで許してくれるはずだと、またちらりと見上げてみると、今度はなんだか少し困ったような顔をして、口が左右に動きまくっている。

あれ?何か変なことを言ったかな??

「コ・ミナム……では、一体どこで顔を洗うんだ。」

「そうですね…シヌさんかジェルミの部屋で貸してもらいます。それでいいですか?」

今度は顎に手をやり、何度も首をひねっている。

「あの…。」

どうしたらいいのか分からず、私まで首をひねってしまう。すると、急に何度か咳払いをして、

「…しょうがない。俺様の部屋の洗面台を使うことを許可してやる。」

と、ためらいがちに私に告げた。

「えっ?でも…さっきあんなに怒っていたではないですか…いいですよ。シヌさんもジェルミも貸してくれると思いますから…。」

「ダメだ。」

「えっ???」

びっくりして顔を上げると、そこには多分王子様であるテギョンさんが真っ赤な顔をして私よりももっと驚いたように目を丸くしていた。

どうしてだか私までつられてしまったようで、顔が熱い。

「と、ととにかくだ、あいつらにまでこの苦痛を強いるわけにはいかない。分かったか!コ・ミナム!!」

全く意味は分からなかったが、どういうわけか、これからもテギョンさんの部屋の洗面台を使うことを許されたらしいので、何度も何度も首がちぎれるほどうなずいた。

それから恐る恐る顔を上げると、小犬のようなとびっきりかわいい笑顔が私を見下ろしていた。

あぁ、やっぱりこの人が私の王子様だ。

小さな頃に夢見ていた王子様とは全く違うけれど、怒鳴られても意地悪されても、やっぱりテギョンさんだけが私の王子様だ。

そして、私はいつものようにその笑顔に見惚れてしまうのだった。




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読んで下さってありがとうございますお星様
今日は大好きなお姉様とたーーくさんお買物をして幸せな気分でこのお話を思い付きましたきらきら
白馬に乗った王子様を夢見てこの年に…ははは…

眠りにつくまで そばにいて欲しいだけさ 見てない時は自由でいい
まだ続くと信じてる 朝が来るって信じてる 悲しみは忘れないまま
魚の君を泳がせ 湖へ湖へ

スピッツの久しぶりの新曲 「さらさら」 の歌詞です。

もう完全にジフ先輩の心情に違いないと感動したのと、草野正宗さんはなんて優しい方なのかと、泣いてしまいそうになりました。

だって、 見てない時は自由でいい  んですよぉ!!そんな優しすぎることを言われたら、嬉しくて幸せで、それから少し悲しいですよね。

もうなんて優しいのー!優しすぎますー!!だって私だったら、見てない時ほど不自由でいろ!って思ってしまいますもの…

こんなにも繊細だから、数々の名曲が生み出されているのですよねはあと 

スピッツは好きで好きで、昔のアルバムはほとんど持っていて、特に、「うめぼし」という曲が好きで、

うめぼしたべたい うめぼしたべたい僕は 今すぐ君に会いたい

きゃーー!うめぼし食べたいそんなちょっとした気分の時にも私のことを考えてくれるのねーって、全部を聴くととても寂しい歌詞なのにドキドキしてしまってはぁと 

他にも挙げられないくらい好きな曲と歌詞があるのですが、止まらなくなってしまいますーはーと 

と、こんなにもどうでもいい前置きが長くなってしまってすみません…

それでは、正宗さんの歌詞に触発されて、花より男子の初めての番外編を書いてみたいと思います。
ジフ先輩がまだジャンディに片思いしている時のお話です。

もう私のお話の中ではジフ先輩は幸せの絶頂にいるので、ちょっと切ない時の大好きなジフ先輩も書いてみたくなりましたはあと

少しでも、あの美しいジフ先輩の表情に近づけますように。


──────────


別に、ずっと傍にいて欲しいだなんて、大それたことを願っているわけじゃない。
ただ、俺が眠るまでの一瞬の間だけでいいから傍にいてくれたら、あとはジャンディの自由にしてくれて構わないから。

ジフは深いため息をついてから、広い屋敷にたった一人、ベッドで目を閉じた。

朝起きても一人、帰ってきてからも一人、そんな生活には慣れているはずだったのに、気がつけば彼女の元気な笑顔が頭から離れなくなり、こんなにも孤独を感じるようになってしまった。

明日はまたジャンディに会えるだろうか。

何の約束もない、いや、俺は約束なんてできるわけもないただの先輩。
そして、彼女の大好きなジュンピョの親友でもある。

そこまで考えて、嫌な笑いが顔に浮かぶ。

毎日毎日同じことを繰り返し考えて、自分を追い込む必要はないではないか。と、自分自身への皮肉の笑みだ。

もう諦めたらどうだ、他にもたくさん女性はいるじゃないか。それもいつも思うことなのに、気がつけば、彼女のいそうな場所へ足が向いている。

二人だけの秘密の非常口、彼女が気持ちよさそうに泳ぐプールへと。

少し離れてみようか…それも常に頭にある。けれど…

ジフは本格的に自分が嫌になり、考えるのを強制的に止めて、眠りの世界へ逃げ込んだ。

こんなにも眠るようになったのは、両親が死に、おじい様に見放されてからだったように思う。

きっと幼い自分は、現実を受け入れるのが怖くて、どちらが本当の世界なのか分からなくしていたのだ。
それが今でも役に立っているだなんて、違う世界から俺を見ている両親はどう思っているだろうか。

そこまでの思考の記憶を保持したまま、気がつけばまた朝になっていた。

眩しさに目を細めながら、ちっとも取れていない体の疲れに、またその目を閉じた。

今日はもういいや、学校へも行かない。

そう決めた直後、

「ジフ先輩!おはようございます!」

玄関先から、溌剌とした愛おしい声が鼓膜に響いた。

これは夢?現実?

でもがっかりしたくなくて、やっぱり夢に違いないと決めつけて固く目を閉じた。

それなのに、更に近くで、

「ジフ先輩!ジフ先輩!」

と、聞こえてくる。

これはもしかして、本当に現実なんじゃないかって淡い期待から、片目だけこっそり開いて見てみると、ジャンディの顔が物凄く近くにあった。

自分的にはかなり慌てて起き上がったつもりだったのに、ジャンディが、

「ジフ先輩って全然驚かないんだからー。」

と、くすくす笑っている。

俺の心臓がどれだけ早く動いているかなんて知りもしないくせに!と、内心ちょっと拗ねているのだけれど、それを素直に表現できないから、結局はいつものポーカーフェイスになってしまう。

本当は、素直になりたくて言葉を探しているのかもしれない。でも、素直になったところで、何かが変わるとは思えない。

黙り込んでしまった俺を、少し心配そうにジャンディが見ていた。

「先輩、まだ眠たい?」
「ううん、ジャンディどうしたの。」
「今日はねー。」

そう言うと、ジャンディの後ろから、ジュンピョが顔をのぞかせた。

なんだ、そういうことか…。

心臓の早いリズムが減速していく。

「ジフ、早く着替えてこいよ!イジョンやウビンも一緒にピクニックとやらに行くぞ!」
「ピクニック?」
「どうも庶民の遊びらしいぞ!」
「本当に失礼なんだから!今日は良いお天気だから、私がみんなのお弁当も作ったの!カウルも来るよ!」

「行かない。」

目の前でじゃれ合っているようにしか見えない二人に、俺は盛大にため息をつきたい気持ちを抑えて、眠そうにあくびをして見せた。

「相変わらず猫みたいだな。お前は。」

ジュンピョがほんの少しホっとしたように見えるのは気のせいだろうか。

「えーー先輩がいないと楽しくないー!!」

ジャンディの声には残念そうな色が浮かんでいるように聞こえるのも、また気のせいだろう。

俺は、二人から見えなくなりたくて、また布団の中で丸まった。

ジャンディをどこまでも泳がせてあげたい。でも海ではなく、湖で。
俺という足枷をほんの少しだけつけさせて欲しいから。

ジュンピョのことを大好きで構わない。でも、ほんの少しだけ俺のことも好きになってはくれないか。

そんな歪んだ想いを抱いているなんて、ジャンディには決して知られてはいけない。

二人の非難めいた声が聞こえなくなると同時に、夢の中で、俺とジャンディが湖で手を取り合って泳いでいた。




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読んで下さってありがとうございます三日月
とうとう連休が終わってしまいますね…嫌だーーーーーくま