チョコの花より美男ですね -7ページ目

チョコの花より美男ですね

美男ですね、花より男子、成均館スキャンダルの二次小説、スイーツなど、日々のささやかな幸せについて

ピンポーン

「はぁい。」

数日前からミナム以外のメンバーは日本で仕事の為、合宿所に一人のミナムは、朝一番のチャイムに返事をして、ロクに確認もせず扉を開けた。

「ハンコお願いします。」

程良く日に焼けた精悍な顔つきの同世代だと思われる宅配会社の男性がにこやかに立っていた。

「あ、はい!ちょっと待って下さい!!」

ミナムは慌ててリビングへハンコを取りに行く。自分のでいいのかなぁ?なんて思いながら。

「ありがとうございました!!」

無事に荷物を受け取ることができたミナムは、少し大きめな箱をヨイショと抱えて、またリビングに戻った。

「…えっ?私にだ!!」

だいたいいつもは、釜山やイギリスのシヌとジェルミの両親、そしてたまに世界各地をまわっているテギョンの父親ギョンセからの贈り物なので、そのどれかだと思いこんでいたミナムは、宛先が自分になっているし、しかも送り主はテギョンなので相当驚いたのだった。

ドキドキする胸を落ち着けてから、丁寧に段ボールのガムテープをはがしていく。

そういえば、自分に宅急便で荷物が届くなど、今まで一度もなかったことである。

お兄ちゃんは、なにかとお金だけ振り込むような無精者だしな。まぁ、そのお金もいらないのにっていつも喧嘩になってたしね。

懐かしい気持ちと、嬉しい気持ちで、何だか泣きそうな気分で、その箱をのぞいてみると、中には、北海道で有名なチョコレートの詰め合わせであった。

これを私のために??

ミナムは胸がいっぱいになり、しばらくその幸せにぼんやりとひたっていたのであるが、よく見てみたら、特に手紙やメッセージなどは入っていないようなので、このチョコレートは皆が帰ってきてから食べるため、もしくはテギョンが他の人に配るためかもしれないと思い直し、丁寧に冷蔵庫へしまった。

そうよね。私だけのためにテギョンさんがこんなことしてくれるわけがない。

ミナムは苦笑いを浮かべて、自室に戻り、何気なく携帯を見てみると、メッセージが入っているようだ。

『今日中に荷物が届く。全てお前の物だ。感謝しろ』

えっ!あれ全部私の!?
う、嬉しいーーーーーーーー!!!!!

ミナムは携帯を持ったまま、その場で小躍りをしてしまった。

チョコレートはもちろん嬉しいのだが、何よりも遠い地で自分のことを考えてくれるだけでなく、プレゼントまで送ってくれたことが、たまならく嬉しかった。

それからミナムは弾かれたように階下へ飛び降りて、そのチョコレートを片っ端から食べ始めた。

「美味しいーーー!!」

定番なのか生チョコが何種類もあり、その全部の味が食べたくて、2、3個づつ贅沢食いをした。それからポテトチップスにたっぷりチョコがのっているお菓子も袋を開けてバリバリと食べ、チョコレートドリンクを飲み、最後にはガトーショコラを丁寧に包丁で切ってかぶりついた。

美味しくて幸せで、ミナムは気がつけば泣いていた。

泣きながらどんどん食べた。甘いものばかりなのにいくらでも食べられた。

そして、テギョンへお礼をしていないことを思い出して、自分の食べた空の箱や袋を写真に撮り、メッセージに添付した。

『テギョンさん、ありがとうございます!!あまりに美味しくて一気に完食してしまいました!本当に嬉しかったです!お仕事頑張って下さい!』

ミナムはティッシュを箱ごと抱えて、まだ泣き止めずにいる。

女性である自分をメンバーが全員受け入れてくれてからというもの、毎日が幸せで楽しくて、こんなことが自分に起こるはずがないと思っているのに、その想像の上をいく幸せをいつもテギョンはくれるのだ。

結局、その日ミナムは朝から晩までテギョンからのチョコレートを食べては泣き、泣いては食べを繰り返して、幸せな眠りについた。


翌日、またしても朝早くからチャイムの音が合宿所に響く。

「はーい!」

また昨日と同じ男性が、にこやかに段ボールを持って立っていた。

ミナムは急いでハンコを押し、嬉しそうに送付票を確認した。

昨夜、シヌからミナムへのプレゼントを送ったからねと事前にメールをもらっていたのだ。

わくわくしながら箱を開けてみると、中には、世界中で有名なデザイナーの浴衣が一式入っていた。

「わぁ!京都からだ!素敵ー!!」

紺色に真っ赤な花が映え、言葉にできないくらい美しい。

こんなにも素敵な浴衣を自分が着られる日が来るなんて考えたこともなかったミナムは感動のあまり、また涙ぐんでいた。

ミナムは自分では着られないので、洋服の上から浴衣を羽織って、首から下の写真を撮り、シヌへ感謝のメールをした。

『シヌさん!ありがとうございます!こんなにも素敵な浴衣見たことがありません!今度ワンさんに着させてもらいたいです!大切にします』

それから、ミナムは自分の涙がついてはいけないと、壊れ物に触れるように丁寧にハンガーにかけた。

そしてその日の夕方。

ピンポーン

「わぁ!ジェルミからだ!」

いつもの宅配会社男性から、段ボールをにこにこ顔で受け取ったミナムは、少しその重い箱をその場で開ける。すると中からは、沖縄のシーサーやら、お菓子、色鮮やかなアロハシャツがたくさん出てきた。

さっきジェルミが電話で言っていた、このシーサーは魔よけらしいから、玄関に飾っておこうかな。

ミナムは幸せで涙まじりの鼻歌を歌いながら、玄関にその対のシーサーを置いた。
それからすぐにアロハシャツに着替えると、シーサーの横で満面の笑みで写真を撮ってジェルミに送った。

『ジェルミ!ありがとう!!凄く嬉しかったよー!帰ってきたら一緒にお菓子食べようね!!』

チャララララーン チャララララーン

泣きながら段ボールを解体していると、電話が鳴った。ジェルミからだ。

「ミナムー!」
「ジェルミ!ありがとうー!」
「届いたんだねー!良かったー!1人で寂しくない?大丈夫?」
「うん!毎日皆さんと一緒に居るみたいで幸せだよー!」
「…毎日?」
「えっ?う、うん、毎日だけど…。」
「…僕以外からもプレゼント届いてるの?」
「うん!昨日はテギョンさん、今朝はシヌさん、そして今がジェルミから!」
「………。」


それからメンバーが帰国するまでの間、毎日たくさんの宅急便が届けられたのは言うまでもない。

ピンポーン

いつもの男性から荷物を受け取るミナムは、もう泣き顔ではなく満面の笑みを浮かべている。

「毎日たくさん届きますね。」

「はい!とっても幸せです!!」

そのミナムのキラキラした笑顔に、完全にやられた男性が1人増えてしまったことはメンバーにとって大きな誤算だったかもしれないが、メンバーはミナムを喜ばせたくて必死なのであった。




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読んで下さってありがとうございますお星様
宅急便って届くとワクワクしませんか?こんな毎日幸せだろうなぁはーと

叩き起こしてやりたいのに、それができない。

テギョンは、ミナムの眠るベッドの端にゆっくりと腰掛け、ぐるぐるうごめく感情を鎮めたくて冷たい水を一口飲んだ。

そして、まじまじとその寝顔を見てみる。…口と目が薄ら開いている。

変な顔だ。つくづくそう思う。

これまで散々、美人だ、かわいいだのともてはやされている女性ばかりを見てきたのだから、御世辞にも整った顔だとは言えない。なのにどうしてだか、こう愛着を感じてしまうというか、胸の奥がきゅっと詰まるような気持ちになるのだ。

今まで向き合おうとしなかった自分の気持ちをじっくりと整理するべきだ、などと適当な理由を付けて、テギョンはミナムの寝顔を見つめ続け、気がつけばレースのカーテン越しに日が昇りはじめていた。

飽きなかったな。

昨日は、早朝から深夜まで休みなく働き続けていたというのに、睡魔に襲われることもなく、ただミナムの寝顔を見ていた自分に何だか笑いがこみあげてきていた。

結局はそういうことなのだ。

どういうことかと言えば、自分が今、柄にもなく、7月7日の七夕の日を丸一日休みにしたくて働いていることこそが、答えなのだ。簡単なことだ。
けれど、それを認めたくなくて、もがいているだけだったのだ。

テギョンは、ミナムが起きるにはまだ時間があることを確認すると、部屋にこっそり隠しておいた笹を取り出し、丁寧に飾り付けを始めた。

折り紙で輪っかを作り、どんどんつなげていく、かわいい星の形を厚紙で作りキラキラ光る折り紙をきっちりと貼り付ける。そして、見栄えが良いように何度も角度や高さを変えながら、位置の調整をし、最後の締めくくりは、短冊をぶら下げる為のこよりを作った。

相変わらず俺は何をやらせても完璧だ。

腕組みをして自画自賛を繰り返しつつも、ぐっすりと眠るミナムのことが気になって仕方ない。

どうしてシヌの部屋だったのか。ジェルミではダメだったのか。

痛む胸を少し押さえて、青色の短冊に願いを書いた。

とてもじゃないが、口に出して言えないような願いである。

テギョンは、短冊の中央に几帳面に書いた願いの最終チェックをしてから、笹の葉にくくりつけた。ちょうどミナムの目線から見つけやすい場所に。

そして、ゆっくりとベッドの端に腰を下ろし、ミナムの髪に優しく触れた。

「もう起きてもいいんじゃないか?」

「……はい……え!?えーーーーー!!!!!!」

ミナムは、寝ぼけ眼を何度こすってみても、自分を柔らかい瞳で見つめているテギョンが目に映るから、これはおかしいと、今度は自分の頬を何度か叩いていると、すっと自分の手をテギョンに掴まれて、叩くこともできなくなった。

「あ、あの、あの…。」
「何だ。」
「いえ、その…。」
「だから何だ!!!」

結局は怒鳴れて、やっぱりテギョンに違いないと妙に納得するミナムであった。

「…おはようございます。」
「ぐっすりとよくもまぁ、眠れたもんだな。」
「…。」
「シヌの部屋がよかったのか?」
「え…。」
「シヌの部屋で寝ていたではないか。」
「…あの、それは…。」
「何だ言ってみろ。」

少し悲しげな瞳のテギョンにのぞきこまれて、ミナムは心臓が止まりそうになった。それから、今度は自分が寝起きの酷い顔をしていることに気がついて、一生懸命顔を両手で隠そうとしたのだが、先ほど掴まれた腕はそのままテギョンの手の中にあるから、それもできず、うつむいて片手で顔を隠してから、話し始めた。

「ええっと、その…、テギョンさんが私が部屋に居たのでは安眠できないことに気がついて、廊下に出ていたら、シヌさんが見つけてくれて、お部屋に連れて行ってくれました。」

「ふーん、誰が安眠できないって言ったんだ?」
「いや…直接言われたわけではないのですが…。」
「当然だ。俺はそんなこと言っていないからな。」
「はい…ですが、疲れて帰ってきて、私が部屋でぐーぐー寝ていたら嫌でしょう?だから最近ずっと帰ってこないんですよね…」

自分で言いながら泣きそうになって、ミナムは顔を横にそむけた。

すると、テギョンは、その顔を繋がれていない方の手で、くいっと正面に向けると、その顔を安心したようにじっと見つめてから、飾り付けをした笹を指差した。

「わーー!!きれい!」

今まで泣きそうな顔をしていたくせに、笹の葉につけられた色とりどりの飾り付けに目を奪われて、ベッドから飛び起きると、笹の周りをぐるっと回った。

そして、あのテギョンの短冊の前に立ち止まると、肩を震わせて泣きはじめた。

テギョンは慌ててミナムに駆け寄り、後ろからその肩を抱くと、ミナムが嗚咽をもらしながら、必死になって口を開いた。

「テ、テギョンさんの字ですよね、これ本当にテギョンさんが書いてくれたんですよね?」

「そうだ。」

そこからは絵に描いたような号泣で、わんわん泣き始めてしまって、テギョンはどうしたらいいのか分からずに、ただただ後ろからぎゅっと抱きしめることしかできなかった。

「嫌なのか?」

ぼそっとミナムに聞いてみる。

「ううう嬉しいに決まってますーー!!!!!」

朝日に光る青色の、『天の川をミナムと一緒に見たい』と書かれたテギョンの短冊を、手の平に大切に包んで、ミナムが幸せそうに笑った。




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読んで下さってありがとうございますお星様
少し早い七夕ですが、気に入ってもらえたら良いなぁ星

「おい。」

やっぱりね。
シヌが苦笑いを浮かべながら顔を上げると、扉にもたれて腕を組むテギョンがじろりと目を細めていた。

「それから?」

テギョンの低くて鋭い声に問いかけられたが、意味が分からずに少し首をかしげるシヌ。

「それからどうするつもりだった?」

平静を装っているつもりのテギョンだが、拳をにぎりしめ、怒りからか声が震えてしまっている。

もしかして…、自分の気持ちに気がついたのか?

シヌは、テギョンの心の中を探るように真っ直ぐ見据えると、
「別に。テギョンには関係のないことだ。」
宣戦布告と言わんばかりに立ちあがった。

確かに関係ない、関係ないのだが、そもそもが何故豚うさぎがシヌの部屋で、しかもベッドの真横で眠っているのか、そこから問題ではないか。

テギョンは困ったように口を左右にくいくいっと動かしてから、
「世話になったな。」
と、言うなり、熟睡するミナムをタオルケットごと抱きかかえた。

「ミナムは自分でこの部屋に来たんだよ。」

シヌは、まだ自分の気持ちに迷いがあるように見えるテギョンに、嘘ではないが本当でもないことを、意地悪い笑みと共に告げたが、テギョンはその言葉に耳を貸さずに、そのままミナムを自室に連れて帰ってしまった。

シヌはゆっくりとベッドに腰を下ろすと、ふーっと深いため息をひとつ吐いて、
「今夜だけはって思ったのにな。」
と、珍しく自分の気持ちを言葉にしていた。



俺は今なにをしているのだ??

一方テギョンは、ミナムをそっと自分のベッドに下ろして一息つくと、途端に自分のしたことが恥ずかしくてたまらなくて、一人顔を赤らめていた。

シヌが言っていた。こいつが自分の意思でこの部屋を出たのだと。それなのに…。

抱えられてここまで運ばれたというのに、全く起きる気配もないミナムを見ていると、今度はまた違う不安が頭を過ぎる。

こいつは眠ってしまえば最後、何をされても分からないではないか!やはり鍵がいるか??

それにしても、何故よりにもよってシヌの部屋なのだ?はやり好きなのか??

仕事でヘトヘトになって帰ってみると、いつもの場所にミナムがいなかった。
テギョンは頭が真っ白になって、合宿所の至るところを探したのだ。

まずはいつものテラス。星でものんきに見ているに違いない、そんな風に自分を落ち着けつつその扉を開けるも、そこには何度目をこらしても、それらしき影は見当たらなかった。
次に、あのピアノの部屋。もしかしたらピアノの下でまた眠ってしまっているのかもしれない。しかしいない。それからは手当たり次第合宿所を探したのだが、どこにもミナムはいない。
そして、とうとうシヌの部屋の扉をノックもせずに開けたのだった。

あの時、どうしてジェルミではなくシヌの部屋だったのか。

色々なことを考えてみるものの、頭の中はまとまらない。

でも一つ分かっていることがある。それは、シヌの部屋にだけは居て欲しくない、そう願ってしまっていたことだ。

テギョンは、眠り続けるミナムの頬を無意識にそっとなでていた。

シヌの部屋がいいのなら、俺にちゃんと許可を取ってからにしろ。それが礼儀ってものだ!
それに…俺がどうしてこんなにも働かされているのか、それを聞いてからでも遅くはないはずだ。

心の中に、良く分からない感情がぼんやりと広がって、それを一生懸命つかみたいのか、見て見ぬふりをしたいのか、自分では分からない。

テギョンは、そんなおぼろげな想いを全部ぶちまけてしまいたくて、目の前で無防備に寝息をたてるミナムを、今すぐ強引に揺り起してしまいたい衝動にかられていた。




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読んで下さってありがとうございましたお星様
すぐに更新できずすみませんでしたくま もう7月なんて早いですねー!!!!!