「テギョンさーん!助けて下さいーー!!」
ミナムが泣きそうな顔でテギョンの部屋に掛け込んで来た。
内心ひどく心配しているのだが、面倒そうにミナムから視線を逸らすと、眉だけくいっと動かして、
「なんだ、ノックくらいしたらどうなんだ!」
などと口にしてしまうテギョン。
そんなテギョンにはお構いなしで、ミナムはテギョンが見つめるPCの前にしゃがみ込むと、上目遣いでじとーっと見つめてくる。
「だから何なんだ!うっとおしいな!」
「はい…実は…。あるサイトに繋がらないのです。」
「…あるサイト?」
「はい…あの…その…。」
「もったいぶらずに早く言え!」
「は、はい!One Direction のファンクラブが今日の17時から会員登録開始なのですが…こんな時間になっても全くつながらないのです。」
「…ワンダイレクション…。お前の口からワンダイレクションのことなど聞いたことはないぞ!いつからだ!」
「はい…随分前から気にはなっていたのですが、絶対にハマってしまうのが分かっていたのでできるだけ見ないように曲も聴かないようにしてきたのですが、タモさんが好きでMステを見てしまったのです…そしたらまんまと…」
「まんまと1DのDIRECTIONERになってしまったわけか!」
「…ワンディーのダイレクショナー…テギョンさんお詳しいですね。確かに、1Dはワンダイレクションの略称で、ダイレクショナーはワンダイレクションのファンのことですが…。」
「う、うるさない!同じ音楽人、これ程までに話題になっているイギリスのボーイズグループのことを知らなくてどうする!不勉強にもほどがあるぞ!」
「ですが…。」
「で、お前は誰が好きなんだ?」
「えっ!?」
「メンバーの誰が好きかと聞いているのだ!早く言え!」
「……王道なのですが…。」
「もしかして…ハリーか?」
「はい…ハリーさんです。そこいったらダメだろうって分かっていたのですが…あまりにも可愛くて…。」
「…で、次に好きなのは誰だ?」
「…ルイさんです…。」
「お前、YouTubeでハリーの動画見まくっただろう!」
「ど、どうして分かるのですか??テギョンさん凄い…」
「ふんっ!そんなの当然のことではないか!ファンの間では、ハリーとルイが仲良しで一緒に暮らしていたのは有名過ぎる話で、2人がじゃれ合っている動画が山のように作られているではないか。」
「………。」
疑いの眼差しでテギョンを見つめるミナム。
「で、次は?次は誰だ!」
「……リアムさんです。」
「リアム!?ナイルではないのか?てっきりナイルだとばかり思っていたが…」
「どうしてナイルさんだと思ったのですか?」
「だってナイルはお前と同じで食いしん坊ではないか!それにギターも得意だ。しかし何故リアムなんだ?」
「はい…顔も好きですし、若いのにしっかりしていて真面目で優しいとこなんかが大好きなんです!」
「ふーーーん。まぁ確かにリアムはグループのお父さん的存在だというしな。」
ミナムはもう我慢できないとばかりに、さっとテギョンが見つめるPCを覗き込むと、画面は真っ白で、小さい青い輪がぐるぐると回っており、完全にどこかのサイトにアクセスしようとして繋がらない状態になっている。
「テギョンさん…完全に1Dのファンクラブに登録しようとしてるじゃないですか。」
「ち、違うわ!」
「でも…、じゃあ何のサイトにアクセスしようとしてたんですか?そんなにも繋がらないサイトがあるんですか?」
「そ、それは…俺達A.N.JELLのサイトだ!」
「………さっきつながりましたよ……書き込みもできましたし…。」
「………いちいち…う、うるさいな!ちょっと興味本位で見てみようと思っただけだ!」
「ふーーーん、で、まだつながりませんか?」
「うーん、まだだな。」
「やっぱり…完全にファンじゃないですか…」
ぼそっと呟くミナム。そんな声はテギョンには届いていないようで、目を輝かせながらミナムにまた質問してきた。
「で、お前はどの曲が好きなんだ?」
「…これまた王道なのですが、One Thing が大好きなんです!あのポップででもちょっと切ないような感じがたまりません!」
「ほほー、なかなかやるな!他には?」
「これまたありきたりなのですが、Kiss You ですね!ハリーの、And let me kiss you のとこなんて、もうドキドキが止まりません!何度そこだけ聴いたことか!あの少しハスキーな声がたまらないんですよね!!」
「………ふーん。なるほどな…」
少しだけ面白くない顔をするテギョン。ミナムはハリーの声を思い出しながらうっとりとしている。
そんな時、シヌとジェルミもテギョンの部屋へそれぞれのノートPCを持ってやって来た。
「ねぇ、テギョン、ワンダイレクションのサイトにアクセスできないんだけど、ちょっと検索してみてくれない?」
テギョンとミナムは顔を見合わせてくすりと笑うと、手招きをするのであった。
それから4人で1Dについて熱く語りながら、PCの前でつながるまで騒がしく待っているのである。
「どの曲も聴きやすくて、今を生きてるって感じがするよねー!」
などと言いながら。

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読んで下さってありがとうございます
すみません…ワンダイレクションが好き過ぎて…こんなお話を作ってしまいましたぁ…
テギョンがハリーにやきもちを妬くお話を考えていたのですが、案外ミーハーなテギョンもかわいいのではないかと
興味のない方も少しでも楽しんでもらえたら良いなぁ…
↓ 左から、ハリー、ゼイン、リアム、ナイル、抱えられているのがルイ です
ミナムが泣きそうな顔でテギョンの部屋に掛け込んで来た。
内心ひどく心配しているのだが、面倒そうにミナムから視線を逸らすと、眉だけくいっと動かして、
「なんだ、ノックくらいしたらどうなんだ!」
などと口にしてしまうテギョン。
そんなテギョンにはお構いなしで、ミナムはテギョンが見つめるPCの前にしゃがみ込むと、上目遣いでじとーっと見つめてくる。
「だから何なんだ!うっとおしいな!」
「はい…実は…。あるサイトに繋がらないのです。」
「…あるサイト?」
「はい…あの…その…。」
「もったいぶらずに早く言え!」
「は、はい!One Direction のファンクラブが今日の17時から会員登録開始なのですが…こんな時間になっても全くつながらないのです。」
「…ワンダイレクション…。お前の口からワンダイレクションのことなど聞いたことはないぞ!いつからだ!」
「はい…随分前から気にはなっていたのですが、絶対にハマってしまうのが分かっていたのでできるだけ見ないように曲も聴かないようにしてきたのですが、タモさんが好きでMステを見てしまったのです…そしたらまんまと…」
「まんまと1DのDIRECTIONERになってしまったわけか!」
「…ワンディーのダイレクショナー…テギョンさんお詳しいですね。確かに、1Dはワンダイレクションの略称で、ダイレクショナーはワンダイレクションのファンのことですが…。」
「う、うるさない!同じ音楽人、これ程までに話題になっているイギリスのボーイズグループのことを知らなくてどうする!不勉強にもほどがあるぞ!」
「ですが…。」
「で、お前は誰が好きなんだ?」
「えっ!?」
「メンバーの誰が好きかと聞いているのだ!早く言え!」
「……王道なのですが…。」
「もしかして…ハリーか?」
「はい…ハリーさんです。そこいったらダメだろうって分かっていたのですが…あまりにも可愛くて…。」
「…で、次に好きなのは誰だ?」
「…ルイさんです…。」
「お前、YouTubeでハリーの動画見まくっただろう!」
「ど、どうして分かるのですか??テギョンさん凄い…」
「ふんっ!そんなの当然のことではないか!ファンの間では、ハリーとルイが仲良しで一緒に暮らしていたのは有名過ぎる話で、2人がじゃれ合っている動画が山のように作られているではないか。」
「………。」
疑いの眼差しでテギョンを見つめるミナム。
「で、次は?次は誰だ!」
「……リアムさんです。」
「リアム!?ナイルではないのか?てっきりナイルだとばかり思っていたが…」
「どうしてナイルさんだと思ったのですか?」
「だってナイルはお前と同じで食いしん坊ではないか!それにギターも得意だ。しかし何故リアムなんだ?」
「はい…顔も好きですし、若いのにしっかりしていて真面目で優しいとこなんかが大好きなんです!」
「ふーーーん。まぁ確かにリアムはグループのお父さん的存在だというしな。」
ミナムはもう我慢できないとばかりに、さっとテギョンが見つめるPCを覗き込むと、画面は真っ白で、小さい青い輪がぐるぐると回っており、完全にどこかのサイトにアクセスしようとして繋がらない状態になっている。
「テギョンさん…完全に1Dのファンクラブに登録しようとしてるじゃないですか。」
「ち、違うわ!」
「でも…、じゃあ何のサイトにアクセスしようとしてたんですか?そんなにも繋がらないサイトがあるんですか?」
「そ、それは…俺達A.N.JELLのサイトだ!」
「………さっきつながりましたよ……書き込みもできましたし…。」
「………いちいち…う、うるさいな!ちょっと興味本位で見てみようと思っただけだ!」
「ふーーーん、で、まだつながりませんか?」
「うーん、まだだな。」
「やっぱり…完全にファンじゃないですか…」
ぼそっと呟くミナム。そんな声はテギョンには届いていないようで、目を輝かせながらミナムにまた質問してきた。
「で、お前はどの曲が好きなんだ?」
「…これまた王道なのですが、One Thing が大好きなんです!あのポップででもちょっと切ないような感じがたまりません!」
「ほほー、なかなかやるな!他には?」
「これまたありきたりなのですが、Kiss You ですね!ハリーの、And let me kiss you のとこなんて、もうドキドキが止まりません!何度そこだけ聴いたことか!あの少しハスキーな声がたまらないんですよね!!」
「………ふーん。なるほどな…」
少しだけ面白くない顔をするテギョン。ミナムはハリーの声を思い出しながらうっとりとしている。
そんな時、シヌとジェルミもテギョンの部屋へそれぞれのノートPCを持ってやって来た。
「ねぇ、テギョン、ワンダイレクションのサイトにアクセスできないんだけど、ちょっと検索してみてくれない?」
テギョンとミナムは顔を見合わせてくすりと笑うと、手招きをするのであった。
それから4人で1Dについて熱く語りながら、PCの前でつながるまで騒がしく待っているのである。
「どの曲も聴きやすくて、今を生きてるって感じがするよねー!」
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すみません…ワンダイレクションが好き過ぎて…こんなお話を作ってしまいましたぁ…
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興味のない方も少しでも楽しんでもらえたら良いなぁ…
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こんばんはです
立て続けにすみません…
物凄く久しぶりに、大好きな Jack Johnson の 「Never Know」 を聴きながらビッテを食べていたら、急に思いつきました
ドラマが終わった後の、ミニョがアフリカへ行っている時のお話です
少しでも楽しんでもらえたら良いなぁ
───
「勝手にしろ!」
テギョンは携帯をベッドに投げつけると、そのまま自分もごろりと仰向けになった。
会いたいのは俺だけなのだろうか?
ミニョがお正月にも関わらず帰ってこないなどと言う。
新しい年を一緒に迎えられるとばかり思っていたテギョンは、思わず大声を出して電話を切ってしまったのだ。
理由はこうである。
自分はほんの少ししかアフリカに滞在しないのに、お正月だからと帰国するわけにはいかない。僅かでも役に立ちたいのだと。
ほんの少し。
テギョンにとってはほんの少しなどとは思えない程の長く辛い時間なのだ。それを、ほんの少しだと言いきるミニョに、何とも言えない不安な気持ちを抱いてしまう。
別に浮気をしていたり、遊び呆けているわけでもない、真剣にボランティアに取り組んでいるからこその、当然と言えば当然の選択。
しかし、恋愛を始めたばかりの二人には気が遠くなる程の時間と距離なのではないだろか。
寝がえりをうちながら、テギョンはこんなことを思う。
あの豚うさぎは、スーパースターのこの俺様を放っておいて、不安になったり心配になったり眠れない夜を過ごしたりはしていないのだろうか?おかしい。
そもそも、あいつの言う好きとは俺の考えている好きとは違うのか!?
また反対方向に寝がえりをうち、やたらと目につく折り返しのない携帯を忌々しげに布団の中に隠した。
そして心に誓う。俺からは絶対に連絡などしない!と。
それから本当にミニョは帰国せず、しかも連絡さえもよこさずに、とうとう新年を迎えてしまった。
そう、今日は1月1日の元旦である。
テギョンのイライラはマックスに達しており、シヌとジェルミ、マ室長は手を焼いている。
「ねぇテギョンさん、お雑煮食べない?」
ジェルミが恐る恐るテギョンを上目遣いで見ると、
「いらない!」
続いてシヌが、
「じゃあ、おしるこはどう?」
と、テギョンに勧めても、
「いらない!!」
最後にマ室長が、
「そうだよなぁ。お正月だからってお餅ばかりでは飽きるよな。チャーハンでも作ろうか?」
と、両手を胸の前ですり合わせながら聞いてみても、ちらりと目線を向けただけで、無視をきめこむテギョン。
3人は顔を見合わせて深いため息をつくのであった。
そんな状況など知らないスタイリストのワンが、空気を読まずに能天気に合宿所へ入ってきた。
「A HAPPY NEW YEAR!!みんな元気してたー?とか言っても昨日までお仕事で一緒だったけどー。」
しーんと静まりかえったリビングにワンの声がこだまする。
不思議そうに首を傾げるワンに、マ室長が慌てて駆けより耳打ちをした。
「テギョンのやつ、ミニョからまだ連絡もないみたいで、めちゃくちゃ機嫌が悪いんだ…。」
すると、ワンはにやりと不敵な笑みを浮かべると、マ室長にある物を大仰な動作でぱっと手渡した。
それはここに居る1人1人に届いたミニョからの年賀状であった。
「これで我まま王子も少しは落ち着くんじゃない?」
ワンがマ室長にウィンクしながらささやくと、マ室長は少し顔を赤らめながらも、急いで全員にそのミニョからの年賀状を配った。
テギョンは嬉しいくせに、どうでもいいというような態度を取り続けており、読むこともなくそのまま再度テーブルにぽんと置いた。
他のメンバー、マ室長、ワンはそれぞれミニョから自分への年賀状を笑みを浮かべながら読んでいる。
「わー!ミニョの字だー!嬉しい!!」
ジェルミが大喜びしている。
「うん、ミニョ元気そうだね。」
シヌもとても優しい笑みを浮かべている。
その横でマ室長もワンも、ミニョが元気に頑張っている姿を思い浮かべて目頭を押さえている。
ふんっ!何故あいつらにまで年賀状を!?
そもそもこんなもの書く時間があるのなら、俺に電話の1つでもできたではないか!電話が無理でもメールくらいできるはずだ!
テギョンは今すぐにでも年賀状を持って部屋に上がりたいくらだが、変なプライドと嫉妬心からなかなか手に取ることができずにいると、ジェルミが無邪気にテギョンの傍にきてその放置されたままの年賀状を読み始めた。
「テギョンさん明けましておめでとうございます。そちらは寒いですか?風邪などひいていませんか?私はアイスが食べたいです。映画もちゃんと見たいです。水族館にもきちんと行きたいです。A.N.JELLのコンサートで歌が聴きたいです。星のネックレス大切にしています。ミニョ」
テギョンは首をひねった。
何だこの年賀状は。意味が分からない…。かろうじてネックレスは大切にしているとのことだが…。
「ちぇっ、こんなのただのラブレターじゃないか!読んで損した!!」
ジェルミが舌打ちをして、年賀状をテギョンに投げつける。
シヌもまた、
「つまらんな…。いつ映画なんて見に行ったんだ…。」
と、面白くなさそうに呟いて部屋へと上がって行く。
テギョンはさっぱり意味が分からない。
どうしてこんな駄文がラブレターなんだ!?
「不思議そうな顔してるわね。まったくもー。全部テギョンと一緒にしたいことなんじゃないの?」
ワンが呆れたように笑うと、マ室長も横で感慨深そうに頷いている。
「そうそう。俺たちの年賀状には、俺たちの心配をしてたりとか、自分はボランティア頑張っていますって内容のことが書いてあったけど、テギョンのだけにはミニョ自身のことが書いてるじゃないか。」
「ミニョ自身のこと?」
「そうそう、ミニョ自身のこと。」
そう言うと、ワンはマ室長と共にリビングを出て行った。
残ったジェルミが、ふてくされながら去り際にもまた一言。
「ラブレター大切に。」
リビングに1人残されたテギョンは、年賀状を手に取ってまじまじと読んでみる。
そこには見紛うことのないミニョの字が並んでいる。上手とは言えないが味のある字が。
アイス…確かに一緒に食べたな。映画…眠ってしまって一緒に見れなかったな。水族館では良い思い出がないよな…。A.N.JELLのコンサートで歌うのはこの俺。星のネックレスも俺からのプレゼント。
素直に会いたいだとかごめんなさいが言えないのであろう、そんなミニョの困ったような怒ったような悲しいような顔がテギョンの頭に浮かんできていた。
ふんっ!意地っ張りで頑固でかわいくないやつ。
テギョンはそれをそっと胸に抱きしめると、そのまま目を閉じた。
そして、一生懸命自分宛ての年賀状を書くミニョを想像してみるのであった。
しょうがない、許してやるか。
でも、俺以外にも年賀状を書いたのは面白くない。そこはとっちめてらなないとな。
片口を上げてにやりと意地悪い笑みを浮かべるも、とても穏やかな顔のテギョンであった。

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読んで下さってありがとうございます
私だったらミニョからの年賀状ラブレターだと受け取るのですが、分かりにくかったらすみません…
最後ちょっと説明っぽくなってしまいましたが…相変わらずな二人を想像してもらえたら嬉しいです
話しは変わってしまうのですが、最近何故か急に早乙女太一君が好きで仕方ありません
良く見たらぺらってした顔で、声が低くて素敵で、あら!私の好みではないですか!!
それに女形の画像の美しいこと!!いつか舞台見に行きたいです

立て続けにすみません…
物凄く久しぶりに、大好きな Jack Johnson の 「Never Know」 を聴きながらビッテを食べていたら、急に思いつきました

ドラマが終わった後の、ミニョがアフリカへ行っている時のお話です

少しでも楽しんでもらえたら良いなぁ
───
「勝手にしろ!」
テギョンは携帯をベッドに投げつけると、そのまま自分もごろりと仰向けになった。
会いたいのは俺だけなのだろうか?
ミニョがお正月にも関わらず帰ってこないなどと言う。
新しい年を一緒に迎えられるとばかり思っていたテギョンは、思わず大声を出して電話を切ってしまったのだ。
理由はこうである。
自分はほんの少ししかアフリカに滞在しないのに、お正月だからと帰国するわけにはいかない。僅かでも役に立ちたいのだと。
ほんの少し。
テギョンにとってはほんの少しなどとは思えない程の長く辛い時間なのだ。それを、ほんの少しだと言いきるミニョに、何とも言えない不安な気持ちを抱いてしまう。
別に浮気をしていたり、遊び呆けているわけでもない、真剣にボランティアに取り組んでいるからこその、当然と言えば当然の選択。
しかし、恋愛を始めたばかりの二人には気が遠くなる程の時間と距離なのではないだろか。
寝がえりをうちながら、テギョンはこんなことを思う。
あの豚うさぎは、スーパースターのこの俺様を放っておいて、不安になったり心配になったり眠れない夜を過ごしたりはしていないのだろうか?おかしい。
そもそも、あいつの言う好きとは俺の考えている好きとは違うのか!?
また反対方向に寝がえりをうち、やたらと目につく折り返しのない携帯を忌々しげに布団の中に隠した。
そして心に誓う。俺からは絶対に連絡などしない!と。
それから本当にミニョは帰国せず、しかも連絡さえもよこさずに、とうとう新年を迎えてしまった。
そう、今日は1月1日の元旦である。
テギョンのイライラはマックスに達しており、シヌとジェルミ、マ室長は手を焼いている。
「ねぇテギョンさん、お雑煮食べない?」
ジェルミが恐る恐るテギョンを上目遣いで見ると、
「いらない!」
続いてシヌが、
「じゃあ、おしるこはどう?」
と、テギョンに勧めても、
「いらない!!」
最後にマ室長が、
「そうだよなぁ。お正月だからってお餅ばかりでは飽きるよな。チャーハンでも作ろうか?」
と、両手を胸の前ですり合わせながら聞いてみても、ちらりと目線を向けただけで、無視をきめこむテギョン。
3人は顔を見合わせて深いため息をつくのであった。
そんな状況など知らないスタイリストのワンが、空気を読まずに能天気に合宿所へ入ってきた。
「A HAPPY NEW YEAR!!みんな元気してたー?とか言っても昨日までお仕事で一緒だったけどー。」
しーんと静まりかえったリビングにワンの声がこだまする。
不思議そうに首を傾げるワンに、マ室長が慌てて駆けより耳打ちをした。
「テギョンのやつ、ミニョからまだ連絡もないみたいで、めちゃくちゃ機嫌が悪いんだ…。」
すると、ワンはにやりと不敵な笑みを浮かべると、マ室長にある物を大仰な動作でぱっと手渡した。
それはここに居る1人1人に届いたミニョからの年賀状であった。
「これで我まま王子も少しは落ち着くんじゃない?」
ワンがマ室長にウィンクしながらささやくと、マ室長は少し顔を赤らめながらも、急いで全員にそのミニョからの年賀状を配った。
テギョンは嬉しいくせに、どうでもいいというような態度を取り続けており、読むこともなくそのまま再度テーブルにぽんと置いた。
他のメンバー、マ室長、ワンはそれぞれミニョから自分への年賀状を笑みを浮かべながら読んでいる。
「わー!ミニョの字だー!嬉しい!!」
ジェルミが大喜びしている。
「うん、ミニョ元気そうだね。」
シヌもとても優しい笑みを浮かべている。
その横でマ室長もワンも、ミニョが元気に頑張っている姿を思い浮かべて目頭を押さえている。
ふんっ!何故あいつらにまで年賀状を!?
そもそもこんなもの書く時間があるのなら、俺に電話の1つでもできたではないか!電話が無理でもメールくらいできるはずだ!
テギョンは今すぐにでも年賀状を持って部屋に上がりたいくらだが、変なプライドと嫉妬心からなかなか手に取ることができずにいると、ジェルミが無邪気にテギョンの傍にきてその放置されたままの年賀状を読み始めた。
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テギョンは首をひねった。
何だこの年賀状は。意味が分からない…。かろうじてネックレスは大切にしているとのことだが…。
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ジェルミが舌打ちをして、年賀状をテギョンに投げつける。
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ワンが呆れたように笑うと、マ室長も横で感慨深そうに頷いている。
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「ミニョ自身のこと?」
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そう言うと、ワンはマ室長と共にリビングを出て行った。
残ったジェルミが、ふてくされながら去り際にもまた一言。
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リビングに1人残されたテギョンは、年賀状を手に取ってまじまじと読んでみる。
そこには見紛うことのないミニョの字が並んでいる。上手とは言えないが味のある字が。
アイス…確かに一緒に食べたな。映画…眠ってしまって一緒に見れなかったな。水族館では良い思い出がないよな…。A.N.JELLのコンサートで歌うのはこの俺。星のネックレスも俺からのプレゼント。
素直に会いたいだとかごめんなさいが言えないのであろう、そんなミニョの困ったような怒ったような悲しいような顔がテギョンの頭に浮かんできていた。
ふんっ!意地っ張りで頑固でかわいくないやつ。
テギョンはそれをそっと胸に抱きしめると、そのまま目を閉じた。
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しょうがない、許してやるか。
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私だったらミニョからの年賀状ラブレターだと受け取るのですが、分かりにくかったらすみません…
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