チョコの花より美男ですね -31ページ目

チョコの花より美男ですね

美男ですね、花より男子、成均館スキャンダルの二次小説、スイーツなど、日々のささやかな幸せについて

ジェルミの言葉を受け、気まずそうに目をきょろきょろさせるテギョン。

黙り込んで牽制し合うメンバーとマ室長の間に、微妙な空気が流れる。
「…」
「……」
「………」
「…………」

「もーー!僕耐えられないー!」
ジェルミがたまりかねて声をあげると、ミナムの部屋のドアノブに手をかけようとするではないか。
テギョンは慌ててジェルミを突き飛ばすし、蹴りまで入れている。それを止めるシヌ。マ室長はおろおろ。

それをきっかけに、廊下は小さな戦場と化してしまった。

全員で揉み合う内に、まずマ室長が、
「もう俺は帰る!とにかくこれをミナムに渡してくれればいいから…。」
と、脱落。
「おい!中身は何だ!」
テギョンが偉そうにマ室長を見下ろす。
「何もそんなに凄まなくても…。手袋とマフラーだよ。これからまだ寒くなるからね。」
「ふんっ!馬鹿じゃないのか!そんな物、今は必要ないではないか。まぁいい。ほら!早く帰れ!」
しっし!と、テギョンに手で追いやられ、マ室長は名残惜しそうに帰って行った。

ジェルミもまた、
「僕ももう寝るね。どうせテギョンさんとシヌさんはしつこいだろうし…。」
と、プレゼントをまだきちんと渡してくれそうなシヌに預けて脱落。
「で、お前の中身を言え!」
テギョンは相変わらず腕を組んで偉そうだ。
「なっ、なんで言わないといけないの?」
ジェルミはジェルミで、マ室長のように従順に中身を言う気にもなれず、少し反発してみたのだが、無言の圧力に屈し、
「……漫画。」
と、悔しげに答えた。
「漫画?お前もまた馬鹿だな!」
「どうして!?だって寝てばかりでは暇でしょう?だからミナムの好きそうな漫画を全巻揃えたんだよ!」
ふんっと、意地悪く笑うテギョン。
「きつくて漫画なんて読めるかよ!そもそもお前、あいつの好きな漫画とか分かるのか?案外それ好みじゃないかもしれないしな。」
ジェルミは、きっとテギョンを睨み唇をかみしめると、どすどすと自室へと帰って行った。

残るはテギョンとシヌ。

二人で無言の睨み合いが始まる。

どれほどの時間が経ったであろうか、とうとうシヌがふーっと息を長く吐き、こうテギョンに提案した。
「とにかく一旦眠らないか?明日も雑誌の撮影だから。で、明日の朝、ミナムに全員のプレゼントを一緒に渡そう。それでいいじゃないか。」

「………」
た、確かに…それもそうだな。
そもそも俺は一体何にこんなにも熱くなっていたんだ。プレゼントはどう考えても俺のを一番喜ぶはずなんだから、他の奴らの下らないのと一緒に渡した方がより価値も上がるってものだ。

そこまで考えがまとまると、テギョンはおもむろに、
「分かった。」
と、首を縦に振った。

そして、不正のないようプレゼントはぬいぐるみ部屋へ保管しておくことにし、お互いを意識しながらそろりそろりと各自部屋へと戻った。

翌朝。

少し顔色の良くなったミナムがマスクを付けてリビングへ下りてきた。

途端にその周りに群がる男性陣。
びっくりして目をぱちぱちさせるミナム。

「さぁミナム!この中から好きなの選んでー!!」
ジェルミが目を輝かせながら、リビングのテーブルの上にあるかわいくラッピングされた4つのプレゼントを指差した。

「こ、これは??」
「みんながミナムが少しでも元気になって欲しくて用意したんだよ。」
シヌが優しい優しい笑顔でミナムの頭をそっと撫でる。

テギョンは面白くなくて、その手をぱーんと払うと、思わず、
「おい!お前はあの部屋で隔離のはず!何故出てきた!」
などと心にもないことを言ってしまい、頭を抱えそうになってしまう。
「す、すみません!あの!お水!お水が飲みたかったのです!」
ミナムは慌ててマスクを強く上から押さえながら、お水を飲みにキッチンへ向かう。

「テギョン…。」
マ室長がテギョンの肩に手を置くと、テギョンはその手を捻り上げた。

「ミナム。テギョンの言うことなんて気にしなくていいから。さぁこっちへおいで。」
シヌが柔らかく目を細めて、お水を飲み干したミナムの手を取った。

「ああああの、ここんなに…。いいのですか?」
ミナムは目をうるうるさせながらプレゼントを眺めている。
「もちろんだよー!僕はいっぱいいっぱいミナムのことを考えて用意したよー!」
ジェルミがミナムをぎゅーっと抱きしめる。
「ジェルミ…本当にありがとうございます。」

「とにかく。ミナム開けてみて。」
シヌがべりっとジェルミを引きはがすと、自分のプレゼントをミナムの手に持たせた。
「はい…。本当にありがとうございます。」

そう言うと、ミナムは大切そうに箱からリボンを外し、かわいい花柄の包装紙を丁寧に取り去ると、中からもこもこの温かそうなパジャマとガウン、靴下のセットが出てきた。
パステルカラーのピンクと水色と白のかわいい水玉模様のそれらを広げて自分にあててみると、なんとも肌触りが良くて幸せな気持ちになった。
「これは…シヌさんからですか?」
ミナムが目にいっぱい涙をためて見上げると、シヌが八重歯を見せて微笑みながらうんうんと頷いた。
「あ、ありがとうございます。本当に本当にかわいい!今夜お風呂に入ったら早速着させて頂きます!嬉しいです!」
と、パジャマを自分にあてたまま、くるくる回っている。

そんな様子をつまらなそうに見つめる3人。

「ミナム!そんなのそこら辺に置いておいて!次は僕のだよ!」
と、少し重たそうに派手なビニールのラッピング袋に真っ赤なリボンがついた物をミナムの前に置いた。
「これはジェルミからですか?ありがとうございます!」
「うん!早く開けてみてー!」
「はい!」
リボンをするするっと外すと、中から今話題の少女漫画全巻と、映画化された少年漫画、更にはシュールで面白いと評判のまだ完結していないギャグ漫画までがぎっしりと入っていた。
ミナムは目をらんらんと輝かせながら、漫画を取り出しては嬉しそうに表紙をめくった。
「ジェルミ本当にありがとう!どれも読みたかったものばかりです!」
「本当に?やったー!良かったー!悩んだ甲斐があったよー!それにね、そのまだ続いてるこれね、これからも新刊が出る度にプレゼントするから一緒に読もうねー!」
と、嬉しそうにミナムの手をぎゅっとにぎって、ぶんぶん振りまわした。
ミナムもその笑顔につられて幸せそうに目を細めている。

テギョンはイラつき過ぎて、ぴきぴきっと自分の血管が膨張する音が聞こえるようだ。

「おい!次だ!次!まずそのもう1つの下らない奴を開けてみろ!中身は手袋とマフラーだ!」
と、開ける前から中身をバラしてしまうという暴挙に出るテギョン。
マ室長は後ろの方で悲しそうな顔をしている。

そんな様子に気付きもしないミナムは、嬉しそうに袋を開け、お揃いのかわいい熊さんのついた手袋とマフラーを身につけて、マ室長に「かわいい!本当にありがとうございます!!」と、嬉しそうに見せた。

そしていよいよお待ちかね、シンプルで高級そうな包みを手にするミナム。

あー、何か妙に緊張するー。
テギョンは手に汗にぎり、その光景を眺めている。

ミナムはミナムで、
これがテギョンさんから…。本当に嬉しい。インフルエンザにかかって迷惑かけているのに、こんなに幸せでいいのかな…。
と、今にも泣き出しそうな思いで封を開けた。

まずはチョコレート。
大した知識のないミナムでも知っている、デパートの地下で警備員を配備しているほどの超高級チョコ。

ミナムは嬉しそうにテギョンを見つめる。

次に、もう1つ中に入っていた小さな包みを開ける。
「これは…」
鈍感なミナムは何のセーターなのか全く見当もつかないようで、目の位置まで持ち上げてじっくりと見つめている。

な、なんて奴なんだ!!
どう考えても豚ウサギのセーターしかも手編みではないか!!!一目見て分からないのか?
信じらない!なんて薄情なんだ!!!

テギョンがいらいらを募らせていると、ミナムの表情がぱっと明るくなった。

「テギョンさん!分かりました!これ、ジョリーのお洋服ですね!!ジョリーまで風邪をひいてしまわないようにってことですよね??」

ちっ!
テギョンは思わず舌打ちをしていた。

何がジョリーだ!こんな小さいの入るわけないではないか!アホなのか!!

テギョンの様子を伺う限り、どうも違うらしいことは分かるミナム。
再考してみるも、全くぴんとこない。

「あの…テギョンさん…これは…。」
「豚ウサギのだ!」

テギョンは堪らず大声で答えを言ってしまい、恥ずかしさのあまり顔が真っ赤になる。

「豚ウサギの…」
ミナムは一瞬にして溢れてきてしまった涙を止めることができなくて、その小さくて赤い完璧な網目のセーターをぎゅっと強く抱きしめた。そして、言葉にならない感謝を伝えたくて、思いっきり頭を下げた。

そんなミナムを見て、テギョンは一瞬にして固まってしまった。

どうしてだか、また昨日感じた、得体の知れない感情がより強く体中を駆け巡る。優しく抱きしめたいのに、その存在自体を無視してやりたいような、でも自分の手の中に納めておきたいような。

テギョンはミナムからふいっと顔をそらすと、信じられないくらい痛む胸を何度も何度も叩いた。

「テギョンさんあれ編んだの?」
ジェルミがつまらなーいとでも言うように、口をとがらせている。
シヌもまた無表情でテギョンを見つめる。

そんな中、マ室長が全く空気を読まずに、
「よし!ミナム!じゃあ今回のプレゼントのランキングはどんな感じ?」
「そうですねー。」
ミナムもミナムで、涙をくいっと拭うと真剣に考え始めた。

あいつは本物の馬鹿だな!
さっきのミナムを見ていなかったのか?どう考えてもこの俺様が1位ではないか!
まぁいい。高みの見物といくか。

「じゃあまず1位から順番に言え。」
テギョンは余裕の笑みで全員を見回した。

「はい。では…。1位はシヌさんです!このもこもこがもう病みつきになりますー!!」
ミナムは嬉しそうにシヌのパジャマに手を伸ばした。

にやりと八重歯を見せて幸せそうな笑顔を見せるシヌ。珍しく小さくガッツポーズをしている。
よほど嬉しいに違いない。

テギョンは衝撃で今にも膝をつきそうになるのを、必死の思いで耐えている。

信じられない…一体何が起こっているんだ??
さっきの涙は一体………

「ちぇー!いつもシヌさんが1位なんだよなー!じゃあ2位は??」
ジェルミが身を乗り出してミナムを急かす。

「そうですね…では2位はジェルミです!読むの本当に楽しみなんですよー!」
と、漫画本を大切そうになでた。

「やったーーーーー!!!」
ジェルミがその場で小躍りして、喜びを爆発させる。

テギョンはもうふらふらである。

なんだか目がちかちかしてきた…。

「さぁ、ミナム!次はどう考えても俺だよね?」
マ室長が十字架をきっている。

「はい!次はマ室長の熊さんです!」
ミナムは嬉しそうにそのマフラーを再度首に巻きつけて見せた。

テギョンはとうとう足に力が入らなくなり、膝からがっくりと崩れ落ちた。

そんなテギョンを見たミナムは、
「テギョンさんのも凄く嬉しかったのですが…結局は豚ウサギのセーターなので…。チョコも今あんまり具合が良くないので食べられないし…。」
と、すまなそうに目を伏せた。

俺のあの必死な夜なべは一体何だったんだ!

このショックは1週間は引きずるな。なんて思いながら、ふらふらする足を引きずってテギョンは自室へと戻って行った。

テギョンさんごめんなさい。
本当は…。だれよりも一番テギョンさんのプレゼントが嬉しかったんです。でも…
そんなことを言ってしまって、テギョンさん私の気持ちを気づかれてしまうのが怖かったのです。

嬉しそうに円陣を組む3人から見えないように、愛おし過ぎて震える指を、そっとその赤い小さなセーターに這わせるミナムであった。




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読んで下さってありがとうございますお星様
完全に書きあげてしまいましたぁ!!
しかも、もっと甘ーくしてあげたかったのに、書いていたらどんどん変な方向へ…
皆様、そしてテギョン!ごめんなさーい♥akn♥
そして数時間後。

階下が騒がしくなってきた。ミナムが病院から帰ってきたのであろう。
テギョンはそわそわしているのに、素直に下へ行けず部屋の中をうろうろしていると、扉の向こうからジェルミのちょっと嬉しそうな声が聞こえてきた。

「テギョンさーん!ミナムやっぱりインフルエンザだったみたい!ミジャおばさんには来てもらわないようにして…」
ジェルミの話の途中でたまらずに部屋から飛び出るテギョン。驚いてジェルミが尻もちをついた。

「な、なに!?テギョンさん!びっくりするじゃない!」
「いや…、それで、それでミジャを呼ばないでどうするつもりだ?」
尻もちをついて床に座ったままのジェルミを仁王立ちで見降ろすテギョン。
ジェルミは首をすくめながら、
「一体なんなのー!?どうでもいいようなこと言っておきながら…。とにかくミナムはお部屋から出ないようにした方がいいから、ミジャおばさんが来たらテギョンさんのお部屋とかに行かないといけなくなるから、それが言いたかったの!」

「べっ別に俺の部屋に来ても構わない…。」

気まずそうに顔をそらし、聞き取れないくらいのか細い声のテギョンの言葉はジェルミには届かなかったようで、ぱっと顔を上げると、首をひねり打ちつけたお尻をさすりながらジェルミが階段を下りようとしているところだった。

ちっ!
テギョンは舌打ちをして唇をかみしめた。

俺は一体何がしたいんだ?
それに看病は一体どうなったんだ!本当はどうでもいいんだ。どうでもいい。けれど…

大股でどすどすとリビングへ向かいながら、テギョンはとにかく自分以外がミナムに近づかないようにするにはどうしたらいいのか、頭をフル回転させていた。

リビングに着いてみると、ミナム以外はどこかへ行っているようだった。
きっと、ミナムの部屋で準備をしたり、必要な物を買いに出かけているのであろう。

ソファで毛布にくるまれて横になるミナムは赤い顔をして苦しそうである。
テギョンは跪くと、その頬をそっと撫でた。

「うーうーーん。」
ミナムが眉をよせて寝返りをうつと、頬に添わせてあるその手をぐっと握った。

途端に心臓が音をたてて騒ぎ始める。

以前の、自分に迷惑をかけたくないと真っ青な顔で懇願するミナムが頭を過ぎり、胸の奥が痛くて痛くてたまらなくなってしまう。

泣きたいような、怒鳴りつけてしまいたいような、もしかしたら優しくしたいのかもしれない、得体の知れない感情がぐるぐるぐるぐる体中を巡る。

テギョンは、ぐっともう片方の腕をミナムの体とソファの間に差し入れると、そのまま横抱きにして持ち上げると、急いで二階のミナムの部屋へ上がった。

部屋の掃除していたシヌとワンが驚きで目を見張っている。
「一体どうしたの?」「何??」
「あんなところへ寝かしておいたらますます悪くなるではないか!早くしろ!」
テギョンの顔には焦りが滲んでいる。二人は慌ててベッドメイキングだけ済ませに取りかかった。

その間も片時もミナムを下ろすことなく、毛布ごと抱えているテギョンにシヌが近より、
「ベッドまで連れて行くから。」
と、腕を伸ばしたのだが、完全に無視を決め込み自らがベッドへ優しく寝かせた。

そして、厳重に毛布と掛け布団を掛けると、シヌをワンを無理矢理部屋の外に連れ出した。
「今日からミナムは隔離だ。誰もこの部屋に入ってはいけないことにしよう。」
「「え??」」
「い、いや、だから、あれだ、あの撮影があったではないか!だからあいつ以外がインフルエンザになどなったら大変だろう?だからだ!」
訝しげにシヌが口を開く。
「じゃあご飯とかはどうするの?」
「それは部屋の外に置いて、ミナムに声を掛けてやればいいではないか。その他にも必要な物があれば電話でもしたらいいだろう?」
「お家の中で電話って!テギョン!あんた酷い男ね!」
ワンがきっと睨みつける。
「ししし仕方ないではないか!これはA.N.JELLを守るためだ!」
「俺は今からインフルエンザの予防接種受けてくるから。だからミナムの看病は俺がするから安心して。」
シヌが無表情で言えば、テギョンが慌てたように、
「ばかか!あれはな!3回は打たないと意味を成さないんだ!知らなかったか!」
「大丈夫だよ…。」
「だめだめだめだ!とにかくだめだ!分かったか!」
「「………」」
黙り込むシヌとワン。
気まずそうにテギョンはもう一度念を押した。
「これは決定事項だ!あいつは隔離!誰もこの部屋に近付かないこと!」

お買物から帰ってきたジェルミとマ室長にも口がすっぱくなる程、この勝手な決定事項を伝えるテギョン。
全員が困惑気味だ。

「テギョンさんがこんなにも僕たちの体調を心配してくれるなんて…。」
またしても首をひねるジェルミ。
「確かにな…。いつもなら俺を車で轢いても気にしないのに…。」
マ室長も妙なダンスで驚きを表現している。

そんな外野?の声など気にする様子もないテギョンは、小さくがっつぽーずをしていた。

これであいつの苦しむ様子を誰の目にもさらさずに済む。
きっと…あの姿を目にしたら…。

テギョンは小さく頭を振り、その心配がなくなったことにそっと胸をなでおろした。

そして、その日の深夜。

眠ってなどいなかったテギョンがこそーっとミナムの部屋へと向かう。心は相当うきうきしている。
手にはあの後急いで買いに行った、ミナムの大好きな甘ーいチョコレートと、大切にしているであろう豚うさぎのぬいぐるみ用の真っ赤なかわいい手編みのセーター。先ほどちらりと目に映った豚うさぎまで少し寒そうに見えたテギョンは、ささっと編んでいたのだった。

飛び上がって喜ぶミナムを想像して、頬がゆるむテギョン。

にやにやしながら顔を上げると、部屋の前には同じような考えの男が3人。今回はマ室長もいるではないか。
一気に怒りが湧いてくるテギョン。

「おい!お前らなにをしている!!」
思わず大声を出してしまうテギョン。そんなテギョンに3人は大慌て、しーしーと人差し指を口の前にあてた。

はっとしながらも、怒りが収まらないテギョンは、とにかく小声でまくしたてる。
「とにかく、なにをしているのだ!言え!」
「そんなこと言うならテギョンは?」
無表情ではるが、明らかに馬鹿にしたようにじっと見るシヌ。
「………。」
何も言い返せず手に持つプレゼントを背後に隠すことしかできないテギョン。
「きっと同じだね?」
ジェルミは呆れたようにテギョンの顔を覗き込み、自分も手に持つプレゼントを掲げて見せた。




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読んで下さってありがとうございますお星様
2話でもまとめきれませんでしたぁ…次では完結したいです!!
少しだけ元気で、先ほど久しぶりにサラダを作って食べました!野菜美味しいはーと

相変わらずの寒い朝、テレビのニュースで、例年と同じくインフルエンザが流行していると若い女性アナウンサーが伝えている。

「ごほっごほっ。」
ミナムがタイミングよく豪快に咳をすると、メンバー全員とマ室長が顔をしかめてミナムを見る。

「お前…もしかして…。」
テギョンはすぐに自分の口を塞ぎ、ミナムから離れた。
シヌとジェルミは離れはしなかったものの、それとなく手や腕で口をガードしているように見える。マ室長にいたっては、もうリビングから消えている。

「い、いやだなぁ!そんな訳ないじゃないですか!ただの風邪ですよ!ごほっごほっ…も、もー!!」
ミナムは自分でももしかして…なんて思いながらも、疑われて迷惑ですというような顔を作った。

「で、でもさ…ミナム本当に大丈夫なの?」
ジェルミがそれとなく口を塞ぎながらミナムの額に手をやろうとしたのをシヌに遮られた。
そして、シヌがこれまた自分の口元にそっと手をやりながらミナムの額を触ると、驚いたように目を見開いた。
「…物凄く熱い…」

途端に更にミナムから離れるテギョン。
シヌとジェルミもすまなそうにミナムから距離を取った。

「やはは…やはりインフルエンザなのでしょうか…。」
ミナムが泣きそうな顔でメンバーを見る。

「とにかく!普通の風邪でもうつるのだから、今すぐにマスクをつけろ!今すぐだ!!」

テギョンに怒鳴りつけられて、肩をすくめながらマスクを取りに行くミナム。

残されたメンバーは腕を組んで難しい顔をしている。
「テギョンさん…ミナムどうする?病院へ連れて行かないといけないけど、そしたらミナムが女の子だってばれちゃうよ…。」
ジェルミが心配そうに口を噛む。
「確かに…でも、インフルエンザだとしたら、絶対に病院へ行かないと治らないぞ。」
シヌが眉をひそめている。

テギョンは黙って顎に手をやり、俯いていたが、はっと何かに気がついたように顔を上げ、
「ワンに電話をしろ!」
と、隣の部屋に居るであろうマ室長に聞こえるように大声を出した。

そして1時間後。

ロングヘアーで、濃いブルーのスキニージーンズにざっくりしたブラウンのニットを着た、どこからどう見ても女性のミナムが二階から下りてきた。

メンバーとマ室長は目をハートにして息をのんでいる。

そんな様子を見たワンは、満足気ににやりとした。
「まぁ私にかかればざっとこんなもんよ!かわいいでしょうー!」

「だってそりゃあミナムの素材が良いんだもん!かわいいに決まってるよー!」
ジェルミが嬉しそうにミナムに近寄ろうとするも、やはりインフルエンザが怖いようで、その場で足踏みしている。

シヌはただ八重歯を見せて微笑みながらミナムを見つめ続けており、その視線に気がついたミナムが恥ずかしそうに俯いた。

テギョンはそんな二人を見て、たまらなくむかむかしてしまい、ふんっと馬鹿にしたように鼻を鳴らした。
「ただかつらつけただけじゃないか!素材もなにも、そいつは女だ!どう考えても普通だろ!ふ・つ・う!中の下!いや、下の中だな!」
と、心にもないことを言ってしまう。

ミナムはミナムで、大好きなテギョンからそんなことを言われて、泣きそうになっている。

そんなの…自分が一番分かってるもの…
かわいいだなんて言って欲しいわけではないけれど、少しは女性の格好をしている時くらい女の子扱いしてくれてもいいのに…

見兼ねたワンとマ室長が、きっとテギョンを睨むと、無言でミナムの肩を抱き病院へ連れて行った。

「テギョンさん何であんなこと言うの?」
ジェルミがぷんぷん怒って頬を膨らせている。

シヌは無言で無表情のままテギョンをじっと凝視している。その何もかも見透かされているような視線に耐えられなくなったテギョンは、ふいっと顔を背けた。

「まぁでもいいけどねー。」
ジェルミがうーんと伸びをしながら、少し嬉しそうにしている。

「何がいいんだ?」
右眉を吊り上げながら、テギョンが聞くと、ジェルミはにこにこしながらこう答えた。
「だって、テギョンさんにとったらミナムは下の中なんでしょう?そしたら全くミナムに興味ないってことじゃない!僕から見たらミナムは上の上!特上だからね!」

テギョンは急に胸がずきんと痛んだが、それが何なのかさっぱり分からない。分からないが、どうも嫌な気分であることに間違いなはいようなので、そんな得体の知れない感情について思いを巡らせたくもないと、無言で踵を返す。

すると背後から、
「もしミナムがインフルエンザだろうが風邪だろうが僕が看病するからねー!テギョンさんはゆっくり休んでてよー!」
と、とんでもない声が聞こえてきたではないか。

な、何!?
ジェルミがあいつを看病するだと?
前にあいつが熱を出して大変だった時、俺が寝ずに看病したのだ!間違いなく俺の役目ではないか!

俺の役目だ!と、口を開きかけた時、今度はシヌがまたしても信じられないことを言った。

「ジェルミ、俺が看病するよ。お前まで風邪やインフルエンザにかかってはいけないからね。」

何を言いだすんだ!
それならお前だってうつるかもしれないではないか!意味が分からない!

「えー!シヌさんだって同じじゃなーい!うつるの一緒だよー!」
ジェルミの言葉に大きく頷くテギョン。

そうだ!そうだ!
ジェルミもっと言ってやれ!シヌの奴、意味不明だぞ!

そんなテギョンをじっと見ていたシヌは、
「じゃあ俺とジェルミで交代で看病しようか。テギョンは関係ないみたいだから。」
と、冷たい声を出した。

「勝手にしろ!」

テギョンはむかむかする胸を強く押さえながら、急いで二階へ上がった。

くそっ!俺は一体どうしたいんだ!
あんな豚うさぎがどうなろうと関係ないではないか!それなのに…。

この得体の知れない感情を、ミナムが体調を崩している間ずっと抱えなければならないのかと思うと、気が遠くなってしまうのであった。




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読んで下さってありがとうございますお星様
本当にインフルエンザにかかってしまったチョコですくま
相変わらず病気までミーハーです…やはは…
今回は1話で収まらなかったので、2話完結の予定でいます。
後ちょっと頑張って元気になりたいと思います!