ちっ!
テギョンがスマホの着信画面を確認して思わず舌打ちをした。
人ごみの中からどうにか逃れてタクシーに乗り込んだばかりだというのに不機嫌そうなテギョンを見て、ミニョが不思議そうにしている。
「出ないんですか?」
「あぁ…。」
できるなら見なかったことにしたいよ!シヌからの着信なんて…。などと言えないテギョンは、あと2コール待ってそれでも切れなかったら出ようと心に決めた途端、ぱっと横からミニョがそれを奪い、にこにこっとして電話に出てしまった。
「はい!シヌさん?どうかされましたか?」
シヌさん!私、テギョンさんと結婚したんですよー!と、今すぐにでも言ってしまいたいミニョであったが、どうにか我慢して平静を装っている。先ほどまでは、あまりのことに真っ青になって右往左往していたというのに、すっかり腹をくくったのか現金なものである。
「ミニョ?どうしたの?大丈夫なの?」
電話の向こうでシヌが物凄く心配してくれているのが分かるミニョは、涙で目が霞んでしまう。
「はいー!なんだか急に元気になってしまったんですよー!それはですねー」
テギョンが素早く電話を奪い取ると、ミニョを目で威嚇した。縮こまるミニョ。
「う、うーん、俺だ。どうした。」
「……何かあった?」
「………別に何もないが…どうした?」
「何かあったんだな?何だ言えよ。」
「いいよ!」
「俺にだけは言っておいた方がいいんじゃないのか?」
「…どういう意味だ。」
「どうもこうも、こっちは上手く情報を仕入れることができたし、最悪連絡を取れる奴は確保した。感謝する気持ちがあるのなら、だけどな。」
「…すなまい…ありがとう………。」
「で?」
「…でって…。」
「やけに引っ張るな。ミニョに聞こうか?」
明らかに様子のおかしいテギョン、上機嫌なミニョ。シヌは心がどんどん暗くなっていく。
「シヌ…明日、正式に皆に伝えたいと思っている。」
テギョンは改まって告げると、一方的に電話を切った。
シヌは深い深いため息をつくと、怯えている男性の首根っこを掴んで、
「さぁ、飲み直すぞ。」
と、一升瓶に直接口をつけて飲み干した。
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読んで下さってありがとうございます
とうとうここまで…感無量です
チソンは今何をしているのでしょうか…心配ですが…もう安心しても良いような気がしますね。いや…どうでしょうか…