チョコの花より美男ですね -27ページ目

チョコの花より美男ですね

美男ですね、花より男子、成均館スキャンダルの二次小説、スイーツなど、日々のささやかな幸せについて

「そう言えば…院長様、ちっとも驚いていませんでしたね。どうしてだろう?」

無事に挨拶を終えたミニョは不思議そうにテギョンに尋ねた。

テギョンは、ふっと笑みをこぼしながら、
「きっと遅かれ早かれ、俺が強引に入籍か式を挙げるか、マスコミに報告するか、何かしでかすと思っておられたんだろうな。」
と、ミニョの肩を抱きよせて、そんなことを言った。

ミニョはどうしてか更に分からなくなったようで、しきりに首を傾げている。

ピクニックをしたあの日。
ミニョがチソンを仲間に入れて、お弁当を囲んだ時、俺は死ぬほど余裕のない顔をしていたに違いない。
それからミニョがチソンに勉強を教わりたいと言った時も、俺は酷い様子だっただろう。

テギョンは、ぎゅっとミニョの手を握ると、少しためらいながら口を開いた。

「ミニョ。この後、合宿所へ戻らないでもいいか?」

「どういうことですか?」
ミニョは相変わらず何が何だか分からない様子で、間の抜けた顔をしている。

「…いつも俺が借りているホテルへ行かないか?」

「わぁ!嬉しいです!!またあの泡のお風呂に入れてくれるのですか??」

でたー!案の定だな。
俺の純真な気持ちをあっと言う間に削ぎ落すよなぁ…。
このまま騙して連れ込むか、きちんと自分の気持ちを伝えるべきなのか、かなり迷うな。

テギョンは苦笑いを浮かべて、右眉をくいくいっと動かすと、何が最善の策なのか、真剣に考え始めた。

まず、ミニョは俺と一緒に眠った時、幸せだと涙を流した。
でもそれは、チソン問題が勃発する前で、あれから気持ちも変わってしまったかもしれない。
しかし、現に今はもう入籍も済ませて、晴れて夫婦になっており、このような邪な気持ちは、既にもう邪なものではなく、愛の確認作業として、大変重要な役割を担っており、そもそもが、好きだからこそ入籍をしたのだから、こんなにもうろたえることもないのではないだろうか。
けれど…相手はミニョ。普通の感覚ではないだろうから、どのようなことが命取りになるか分からない。

そう考えると、ただ何もせず一緒に眠ることが一番安心かもしれないが…。それで俺は我慢できるのかが…自信はない!

「テギョンさん??」
ミニョの顔が、不思議そうなものから不安気に変わっている。

テギョンは内心かなり慌てているが、余裕を見せるように、ミニョの頭をくしゃくしゃっとなでた。

あぁぁ。さっき院長様に相談すればよかったか…。
いやいやいや、馬鹿か俺。院長様はシスターだぞ!なにを考えているのだ…。
とにかく時間を稼がなければ!!

「ミニョ、せっかくだから、ホテルまで歩こうか。」

「もちろんいいですが…。ただ、1時間はかかるような気がしますが…。」

「1時間??」

「はい…。方向音痴のテギョンさんには分からないでしょうが、結構ここから遠いですよ。もしかしたら2時間はかかるかもしれません。」

「……」

方向音痴…かなり引っ掛かるが…まぁでもいいか。
どうせ早く着いたって、俺の考えもまとまっていないだろうしな。

テギョンはミニョの手をにぎると、その長い指をからませて、ゆっくりと空を見上げた。

「今夜は星がきれいだから。」

ミニョは何も言わず、つないだ手に力を込めた。幸せな気持ちで無数に輝く星の光を見つめながら。





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読んで下さってありがとうございますお星様
次か次の次は、限定記事にしたいなぁと考えているのですが…
どうせ大したことはありません。すみません♥akn♥

シヌとの電話を急に切ってしまったテギョンを不安そうに見ているミニョ。

そんなミニョの髪に優しく指をとおして、テギョンは安心してと言うように柔らかく微笑んだ。そして、
「今から院長様に会いに行こう。」
と、言った。
ミニョは次々にあふれる涙のせいで言葉が出てこず、ただひたすらに何度も何度も頷いた。

タクシーが修道院に到着すると、ミニョはテギョンの手をぎゅっと握った。
「テギョンさんありがとうございます。」
「当然のことだろう?」
「はい!」
元気に返事をすると、まだあふれてくる涙をぐいっと拭い、
「お兄ちゃんめちゃくちゃ怒るでしょうね。」
と、くすりと笑った。

シスターに院長様を呼びに行ってもらっている間、テギョンは自分の髪を触ったり、足踏みしてみたりと、そわそわ落ち着かない様子だ。

「テギョンさん?」
心配そうに見上げるミニョ。
「いや…どうも緊張して。院長様は許してくれるだろうか。」
「え?」
「…神に誓う前に勝手に入籍などして…。」
「あぁ。うふふ。」
ミニョは幸せそうににっこりと笑うと、テギョンの腕に抱きついた。
「院長様は喜んで下さいますよ。」
「そうだろうか…。」
ほんの少しだけほっとしたような顔を見せるテギョン。ミニョは幸せでどうにかなってしまいそうだと感じていた。

これは全部嘘って言われる方が、より現実的。
それなのに、多分、これは真実。毎秒毎に幸せが降ってくる仕組みになっているようだ。

「ジェンマ!」
「院長様ー!!」

ほらね、また幸せが降ってくる。次から次に。やっぱりこれは夢かな?

そんなことを思いながら、院長様に飛び付くミニョ。
テギョンはその場で腰を90度に曲げて深くおじぎをしている。

「今夜はミニョに会えるような気がしていましたよ。」
深い愛をたたえた笑みを浮かべ、ミニョの頬をそっとなでた。
「どうしてですか?」
驚いて何度も瞬きをするミニョ。
「どうしてかしらね。数分前にね、貴方に呼ばれたような気がしたんですよ。」
「わー!凄い!私、本当に院長様に心の中でご報告したんです!やはり以心伝心ってあるんですねー!!」
「うふふ、そうね。それで、何を報告したの?」

「院長様。コ・ミニョさんと入籍させて頂きました。突然で申し訳ありません。」
テギョンが神妙な顔つきで頭を下げる。

院長様はそんなテギョンの頭を上げさせると、
「おめでとうございます。どうか、ジェンマをよろしくお願い致します。」
深々とおじぎをした。

テギョンはミニョを幸せにしたいという想いと、幸せにしなければならないという責任感を改めて感じた。

「こちらこそ、一生よろしくお願い致します。」
再度、深く頭を下げるテギョン。

ミニョはやはり夢の中にいるような気持ちで、二人のやりとりを見ていた。

やっぱり夢?現実?

「ジェンマ、何をぼんやりしているのです?」
「え?」
「これからはテギョンさんの良き妻として、しっかり支えなければなりませんよ。」
「は。はいー!それはもう命にかえましても!」

「命って。」
テギョンがくすくす笑っている。その横で院長様も、まぁ!と、口に手を当てて笑っている。

その光景を、ミニョは一生懸命目を凝らして見つめていた。
一生忘れないように。

幾度となく諦めかけた幻のような夢が、今現実となり自分の身に起こっている。それは奇跡としか表現ができない。

どうして幸せを素直に感じずに、こんな気持ちになるのか、今初めて分かった気がした。

それは、自分は心のどこかでテギョンと本当に結婚できるだなんて、思ってもいなかったからだ。結婚はおろか、このまま傍に居ることもままならないと思いこんでいたのだ。
だからお兄ちゃんや院長様に迷惑をかけずに自分だけで生きて行けるように、動物看護士の資格を早く取りたかったし、ゆくゆくは自立して1人で暮らさなければならないと焦っていた。

しかし裏を返せば、それはテギョンのことを全く信用していなかったということにもなる。

自分なんか自分なんかと言いながら、もうあの時のように傷つきたくないと怯え、いつその状況になったとしても大丈夫なように、常に予防線を張って生活してきたのだ。

ミニョは小犬のように微笑むテギョンをじっと見つめた。

あの笑顔を信じよう。この先なにがあっても。
例え離れなければならない時がおとずれたとしても、今のこの幸せを忘れなければ生きていける。

そう決意を新たにしたミニョは、助走をつけて、思いっきり二人に飛びついた。



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読んで下さってありがとうございますお星様
幸せの絶頂にいる時って、どうも不安になってしまいますよね。それが上手く伝わるといいのですが…
相変わらずの文章力のなさ。泣けてきます…