ミナムには最近分からないことがある。
それは、離婚事由の常にトップを走っている、性格の不一致という意味である。
性格の不一致そのものの意味は分かるのだが、どうして性格の不一致で離婚しなければならないのかが理解できないのだ。
そもそも、ミナムは芸能界などに全く興味もなく生きてきたので、有名な芸能人なんて言われても分からない。もちろん、あのファン・テギョンのことすら知らなかったくらいなので、誰も知らないと言って過言ではない。それ故、お仕事の面で度々失礼なことをしでかしてきた。
そこで、マ室長から少しは勉強するようにと、週刊誌やゴシップ誌といった類の物を読まされているのだが、その中で特に多い記事が今回ミナムの中で問題になっている、芸能人同士の離婚記事だ。
ついこの間、あのテギョンのことを好きだと自覚したばかりのミナムにとって、そんなことで離婚しようなどと思うこと自体が考えても考えても分からないのだ。
だって…そんなこと言ったら、私テギョンさんのこと絶対に好きにならないもの…。
ミナムは、目の前で眉間にしわをよせてジェルミを叱りつけているテギョンを見つめながらため息をついた。
性格は悪い。あ!でも優しいところもあるけどね。
病弱でアレルギー持ちで神経質で潔癖症。まぁ完璧主義者ってことよね。
自分の思い通りにならないと気がすまず、すぐにすねる。まぁそこがかわいいとこでもあるはずよね。
人をすぐに見下す馬鹿にする。それだけテギョンさんの能力が高いってことよね…。
要するに、最初の部分が見えずに結婚して、思ったのと違ったって後半部分が気になり出すってことなんだろうけど、じゃあ私はどうしてテギョンさんのこと全部見えてるのに好きなのかなぁ?ちょっと私がおかしいのかな??
初めて異性を好きだと思う気持ちを知ったミナムにとって、恋とは分からないことだらけである。
特に、あんなに扱いにくいテギョンを好きになってしまい、しかも好きだと想いを伝える前からふられているようなものなので、結婚の先にある性格の不一致という分かり切ったことで離婚するなどということが全くピンとこないのである。
「ミナムどうした?」
隣に座るシヌが、優しくミナムの頭をなでながら顔をのぞき込んできた。
「え?」
「なんだか難しい顔をしているから。」
あ…。私顔に出てたのね。
そうだ!モテモテのシヌさんに聞いてみようかな。
「シヌさん、どうして人は性格の不一致で離婚するんですか?」
「ん??どういうこと?」
「いや…あの、雑誌とか読んでいたら、性格の不一致で誰誰と誰誰が離婚!とかあるじゃないですか?それってどういう意味なのかなって。」
「うーん、あんまり意味が分からないんだけど、性格が合わないから離婚したってことは分かるんだよね?」
「はい!それは分かるんですが、性格が合わなければ結婚できないってことでしょうか?」
「…深い質問だな。俺も結婚したことがないから分からないんだけどね、最初から性格が合わないって思っている人同士が両想いになるってことがないような気がするけど…。」
「それもそうですよね…。そんなに気が合わない人から好きだって言われても嬉しくもなんともないですよね…。」
ミナムが急に泣きそうになったので、慌ててフォローに入るシヌ。
「た、例えばさ、そうだなぁ、結婚する前とした後で性格が変わってしまうってことがあるかもしれないよね?」
「なるほど!」
「うん、例えばご主人が急に働かなくなったとかさ。」
「あぁ。そういうこともあるでしょうね。」
でも…。と、ミナムは思う。
例えばテギョンが急に芸能界を辞めて何もしなくなったとしても、果たしてそれで自分はテギョンのことを嫌いになれるだろうかと。
別に…平気よね。
私が頑張って稼げばいいしね!テギョンさんを食べさせるくらいは何とかなるしね。贅沢はさせてあげられないけれど、それはそれで楽しいだろうなぁ。
「そうそう、それとかさ、急に転職したりして、思ってた生活と違ったとかね。」
え!?そんなこと?
別に芸能人のテギョンさんを好きになったわけじゃないから、例えばテギョンさんがコンビニの店員でも全然良いなぁ。むしそっちの方がライバルが少なくて嬉しいなぁ!!
急ににやにやするミナムを見て、怪訝そうに首をかしげるシヌ。
「何かあった?」
「い、いえ!いえ!ちょっとこっちの話しです!」
「こっちの話し?」
「やははは…。」
笑って誤魔化すミナム。
「…まぁとにかく結婚前は気が合うなって思っていたのに、生活をしてみたら全然違ったってことなんだろうね。誰にでも人には見せていない一面があるんだと思うから、そこを知ってしまって好きでいられなくなってしまうってことだろうね。」
「なるほど…。じゃあ、最初から全く合わない二人がもし万が一結婚したらどうなるんでしょうか?」
「さっきも言ったと思うけど、そもそもが結婚までいかないんじゃないかな?」
シヌが少しだけ意地悪な顔をした。
「そうかぁ。そうですよね。仮にそれでも良いって片方が思っていたとしても、そこまで合わないんであれば、もう片方が嫌ですよね…。そっかぁ。そういうことかぁ…。」
ミナムはがっくりと肩を落とした。
すると突然、さっきまでジェルミを叱り飛ばしていたテギョンが、ミナムとシヌの間に割って入ってきた。そして、
「俺は別に性格が合う合わないではない気がするけどな。」
と、何故か気まずそうに意見してきた。
どういう意味だろう?テギョンさんは性格の不一致があったとしてもその人と結婚するってことかな?
ミナムが目をぱちぱちさせているのを見て、伝わっていないと思ったのか、
「だから!要するに、性格の不一致でも結婚は上手く行くこともあると思うぞ!」
と、真っ赤になって大声を出した。
そんなテギョンにつられて顔を赤くするミナム。
テギョンさんの言葉の真意は分からないけど、とにかく性格の不一致が理由で嫌われたりはしないってことよね??
そうよね?きっとそういうことよね??
そう考えると、嬉しくて嬉しくて、その場で小躍りしてしまいそうになる。
性格なんてきっと関係ないわ!だって好きになってしまったんだもの。
遠くでぽかーんとしているジェルミと、ミナムの横で険しい表情のシヌ。
その間で、真っ赤になりながら、何となく幸せそうなテギョンとミナムであった。
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読んで下さってありがとうございます
いつもの、自分の気持ちを自覚して、まだ確かめ合っていない2人のお話です
明日からもまた頑張れますようにーーー!!!
大好きな皆様もご無理されない程度で頑張って下さいねー!!!!!