チョコの花より美男ですね -23ページ目

チョコの花より美男ですね

美男ですね、花より男子、成均館スキャンダルの二次小説、スイーツなど、日々のささやかな幸せについて

何をしてるのよ!クム・ジャンディ!!
しっかりしなさいよ!卑怯じゃない!!!!!

私は自分に喝を入れると、そっと先輩の腕の中から離れた。

「先輩、行ってきますね。」

ちゃんと笑えているのかな。

先輩は困惑した表情で、あの大きな瞳を細めて私をじっと見つめている。

何を考えているのだろうか。私のことをどう思っただろうか。

きっと…。アメリカから帰ってきたら、先輩は今までのようには一緒に居てくれなくなるだろう。
親友ジュンピョと別れてしまえば、何の関係もないだだの庶民なんだから。

それでも、それなら仕方ないから諦めようなんて、そんな風に思うこともできないくらい、私はジフ先輩のことを好きになり過ぎていた。

「…まだどこに行くか聞いてない。」

先輩が少しむっとしているのが分かる。

「えへへ、じゃあ行ってきますね。」

作り笑いを浮かべて、うやむやにしてしまおうと、そのままキャリーケースをひいて歩き始めた。

「行ってきますってことは、ちゃんと帰ってくるんだよね。」

背中から先輩の声が聞こえてくる。どんな表情で、どんな気持ちでそう言ってくれたのかは、声色だけでは読みとれなかったけれど、それでも嬉しかった。帰ってきていいと今だけでも言ってもらえることが。

「はい!もちろんですよ!石にかじりついてでも医者になりますから!」

振りかえらずに拳を振り上げて、アメリカ行きの登場口へとゆっくりと向かった。


ジャンディは一体どうしたんだろう。
今更ジュンピョのところへ行くのに俺に隠さないといけない理由は何なのか。考えても考えても思い当たる節がない。

俺は近くにあった椅子にどっかりと腰を下ろして目を閉じた。

自分の腕に鮮明に残るジャンディの温もり。シャツから肌に伝わったジャンディの涙の冷たさ。
それらは全て現実であったはずなのに、いつもの空想の産物であるかのように思える。

別に帰ってこないわけではないのだからと、自分に言い聞かせてみるけれど、今も独りで泣いているはずの彼女を思うと、いてもたってもいられなくなる。

俺はすぐにアメリカ行きの空港券を手配してもらうと、一目散に搭乗口へと急いだ。

ジャンディの非常ベルを聞き逃すわけにはいかない。

考えるよりも先に体が動いてしまうなんてことが現実にあるんだってことは、彼女が教えてくれた。
考えて行動に移さずに、彼女が独りで悲しい思いをするのなら、俺がその何倍も悲しい方がずっとましなのだ。

携帯でイジョンとウビンに連絡をする。
最近のジュンピョに変わりはないか確認するために。またあのおばさんが出てきて…なんてことがあっては大変だから。

けれど親友たちは口を揃えてこう言った。

「「ジュンピョは順調に会社を大きくしているし、最近は落ち着いて変なこともないはずだぞ。」」

ますますおかしい。
じゃあ一体彼女は何に心を痛めているの?


アメリカ行きの飛行機が離陸を始めた。

ジャンディは手をぐっと握りしめ、じっと前の座席を見つめていた。

ジュンピョのことが好きだった。大好きだった。その気持ちに嘘はない。今でも大好きだ。

けれどそれは試練に打ち克つ自分が好きだっただけなのかもしれないと、ジュンピョと会えなくなってから、そう思うようになった。
普通の恋愛をしたことのない私にとって、ジュンピョは初めての彼氏であり、とてつもなく輝いて見えたのだ。

それに比例して、いつも傍にいて支えてくれるジフ先輩への気持ちが日に日に初恋の時の自分を思い起こさせるようになった。

ずっと憧れ続けて手にできない宝石のような先輩が近くにいてくれるのだから、それは勘違いもするさ!と、自分に言い聞かせながら、どうにかこうにかこの三年やり過ごしてきていたのに、あの図書館での出来事で、頭をがーんと殴られたような気がした。
逃げてばかりいたのでは、何にもならないと。例えジフ先輩に嫌われようと、ジュンピョから見放されても、それでも自分の気持ちに正直にならなければ、結果全ての人を傷つけることになることを神話に入ってから学んだから。

私ってとにかくモテないし、彼氏なんていなくても生きていけるタイプの人間だしね!!
そうそう!ジュンピョみたいな、あんな王様みたいなきらきらした人が私の彼氏だなんておかしいもの。神話に入ってからおかしなことになってしまっていただけだもん。
ちゃんと医者になって、僻地で医療に従事するのもいいかもしれない。そして…それから、ほんのちょっとだけジフ先輩のことを考えることだけを許してもらえたら、それでもう十分私は幸せに生きていけるはず。

ジュンピョは誰よりも強くて、その強さに見合った優しさも兼ね備えている素敵な人だから、きっと最高の相手が見つかるだろう。
今でだって、その太陽みたいな魅力にどれだけの女性がジュンピョに恋をしたか分からない。

けれど…ジフ先輩は、ソヒョンさんだけを見つめて生きてきた子供みたいに純粋な人。誰も自分の周りに寄せつけないのに、とても寂しがり屋で誰よりも心の痛みの分かる繊細な人。
だから勝手にどうかいつまでも見守らせて下さい。何かあった時には飛んで行って、今までの恩を一生かけて返していきたいから。

その為には、私はちゃんと1人になって歩き出さなければいけない。

ジュンピョの怒ったような悲しい顔が目の前をちらついて、きちんと自分の気持ちを伝えることができるのか自信がなくなりそうだったけれど、ぐっと力を入れて目を閉じたら、さっきのジフ先輩に包まれた柔らかな感触が蘇ってきて、それだけで勇気をもらえた気がした。

こんな勝手な私を許してくれなくてもいい。それでも先輩に何かあった時に一目散に駆けつけられる自分でいたい。




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ジュンピョーごめんねーくま
「ジャンディ!!ジャンディ!いたら返事して!」

もしかしたらもうこのままジャンディはジュンピョと結婚してしまうかもしれない。段々とそんな気がしてきてしまって、俺は空港に着くなり大声を張り上げた。

でも全然見つからなくて、もうどうすればいいのか分からなくなって、もう一度震える手で電話をかけた。

お願い出て!!


ラララーラララー

画面を見なくても分かる。ジフ先輩だ。

さっき電話に出ることができなかったから心配をかけてしまったのだろう。
でもどうしてこんなにも気にかけてくれるのだろう。妙な期待を抱きそうになったが、図書館で見知らぬ美女にキスされていた先輩を思い出す。

私は泣きそうになりながら、でもこれからの自分に勇気が欲しくって、とうとう先輩の電話に出てしまった。

「……はい。」

はっと先輩が息をのんだのが分かった。

「出てくれないかと思った…。今どこにいるの?」
「…空港です。」
「空港のどこ!どこなの!!」
「先輩?どうしたんですか?」
「早く答えて!空港のどこ!!」

普段物静かな先輩が、物凄い大声で、何故だか凄く怒っているみたい。

「は、はい!えっとここは2階で…。」
「近くになにがあるの!!」
「え、ええっと、エレベーターがあります!」
「そこから絶対に動かないで!」

それだけ言うと、切れてしまった。

私これからもしかしたら怒られるのかな?どうしてだろう…。
というか先輩もしかして空港にいるのかな??

頭の中が?でいっぱいになっていると、胸を占め続けるジフ先輩が息を切らせて全力で走ってくるのが見えた。

急にきりきりと痛みだした胸を押さえて、赤くなっているであろう顔を隠すようにうつむいたら、正面からぎゅーっと先輩に抱きしめられた。

嬉しくて恥ずかしくて息ができない。死んでしまうー!!!


やっとジャンディを捕まえた。

俺の愛情表現は幼児期で止まってるようで、どうも本能的になってしまうらしく、うつむいているジャンディを抱きしめてしまう。

電話に出てくれたかと思えば、何だか間抜けなことしか言わないし、空港のどこか聞いても的を得た答えを言わない。
見つけたかと思ったら、何だかうつむいて元気なさそうだし。

それでもじっと俺の腕の中で大人しくしてくれてることはとっても嬉しい。
思わず頭にチュッとキスをしてしまった。

途端に目を白黒させながら見上げてきた。
何てかわいいんだろう。犬みたいだ。

俺がくすくす笑っていると、ますます不思議そうな顔をするジャンディ。

「先輩怒ってないの?」

何を言っているんだか。それはこっちの台詞だよ。

「ジャンディこそ怒ってるんじゃないの?」

「私が!?」
心外だとでも言いたげにぷくっと頬を膨らませている。そんな顔をしてもかわいいんだけどね。ちょっとギャグ漫画みたいだけど。

ふふふっとまた笑ってしまったら、ジャンディが俺の腕の中で暴れて逃げようとするから、更に強くぎゅっとしてやった。
何だかもごもご言ってるけど聞いてあげない。

「どうして最初の電話に出なかったの。」

ジャンディが急に動きを止めて静かになった。それだけで悪い予感がして俺の心臓がおかしくなったみたいに動きだす。

「これからどこに行くの。」

コットンの白いシャツにジャンディの涙が沁みてくる。どうして泣いているの。なんで何も言ってくれないの。

きつく拘束していた腕を外すとジャンディは顔を手で覆って嗚咽をもらし始めた。

俺にはさっぱり心当たりがなくて途方に暮れてしまって、今度は包み込むようにジャンディをふわりと抱きしめた。

そのまま俺も何を言っていいのか困ってしまい、抱き合ったまま沈黙の時間が過ぎた。そしたら、ジャンディが言葉に詰まりながら、意味の分からないことを言い始めた。

「せっ、先輩はこれからわ、私のことをききき嫌いになってしまうんですけど、それでも大嫌いにはならないでほっ欲しいです。」
「…。」
「すすみません!嫌いに…嫌いになるのは仕方ないんですけど、わっわ忘れないでもらえますか。」

目も鼻もほっぺも真っ赤にして、それでも真剣な表情で俺を見つめるジャンディ。

「俺がジャンディのこと嫌いになることは決まってるんだ?」

「はははい!それはもう絶対です。むしろ今も嫌いだったらすみません。」
幾分冷静になった様子のジャンディは、悲しげに瞳を揺らした。

「じゃあ俺は今嫌いな子を抱きしめてるんだね?不思議だなぁ。」

「ごめんなさい!!」
慌てて俺の腕の中から離れようとするから、俺はまたぎゅと強く抱きしめた。このまま放してはいけない気がして。

「どうして謝ったの。」
「私なんかが先輩にくっついてるから…。」
「俺が抱きしめたのに?」
「………。」
黙ってうつむいたジャンディの体がさっきよりも少し熱くなっている気がして、怒っているのかとそっと顔を覗きこんでみると、びっくりするくらい顔を赤くしていた。

俺は頭の中が?だらけになってしまって、またそのまま少しの時間ぼんやりとしてしまうことになった。




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今日はとってもお天気が良いですね。桜が満開になるのを待ち切れませーん!!!
早くお花見したいなぁ

ラララーラララー

あ、ジフ先輩から電話だ。

先輩と一緒に弾いたピアノ曲を着信音にしている。こんなことをしてはいけないと思うのだけれど、どうしてもそうしてしまう。
誰にも知られないように一人の時にだけこっそりと音を出している。こんな卑怯な私をどうか許して。

電話…出たいな。出てはいけないと思うけれど、でもやっぱり出たいな。
画面に表示されている、ユン・ジフ先輩の文字。それさえ愛おしく思えてしまう。

私は着信音が途切れるまでずっと画面を見続けた。
そして、ぐっとお腹に力を入れると、全力疾走で家へと走った。

私にはアメリカへ行ってしなければならないことがある。


ジャンディが電話に出てくれなかった。
何か怒らせるようなことをしてしまっただろうか?でもさっきはそんな感じしなかったけどなぁ。

きっと家かおじい様の診療所だろう。

俺はバイク置き場まで全力疾走した。
こんなにも俺を走らせるのはジャンディただ一人だけだ。

途中髪の長い女に呼び止められたけど、知らない人だったので無視した。もう顔も覚えていない。いや、正確には見てもいない。

ヘルメットをかぶってバイクにまたがり、行く先を診療所に決めた。
彼女は嫌なことがあると、いつも以上に働く癖があるから、きっと今日もおじい様に怒られながら楽しそうに掃除でもしているに違いない。

「ジャンディは今日は来ておらんぞ。」

おじい様が心配そうに目を細めた。

俺は特に返事をすることもなく、またバイクに乗り彼女の家へと急いだ。
何だかいつもと様子が違うような気がして、だんだんと焦ってくる。

「ジャンディなら、ちょっと旅行に行ってくるってさっき出て行きましたよ。」

ジャンディのお母さんが俺を見て目を丸くしている。

俺は彼女の彼氏の親友という肩書きだから、家へは来たことがなかった。
送り迎えする時も、本当は家の前までと思うのだが、彼女も遠慮するし、何よりも俺がそこまでしてはいけない気がして、近くまでは来ないようにしていた。

「どこへ行くかは聞いていますか?」
「まぁ、きれいな顔してるのねー!ユン・ジフさんも!きゃー!!」

急に黄色い声を出して騒ぎ出したお母さんに困惑していると、弟のガンサンが助けてくれた。

「すみません。実は姉ちゃん何も言わないで慌ててスーツケース持って出て行ったんですよ。てっきりジフ先輩も一緒だと思ってたんですが…。今回はジュンピョ兄さんに会いに行ったのかな?」

「…そうか。ありがとう。」

それだけ言うと、ガンサンの頭を撫でて、まだ騒いでいるお母さんに一礼して足早に立ち去った。

ジュンピョに会いに?
それならどうしてあんなに泣いていたの?

さっき何も言わなかったジャンディをもう一度頭の中で再生してみる。

とても幸せそうには見えなかった。

俺は急に痛み出した胸をさすり、空港への道を急いだ。

ジャンディの家は、お父さんの遠洋漁業によってどうにかクリーニング屋さんを再開していた。
しかも、ジャンディが二浪したとはいえ医学部に合格したので、今度は受験がうまく行く店として繁盛しているようだ。
更にうちの財団も一括して利用することにおじい様が決めた。もちろんジャンディはそこまでしてもらっても…と遠慮したが、お前が診療所を手伝ってくれているから、それの正当な報酬だと言った。その時のジャンディの弾けるような笑顔が忘れられない。

普通の暮らしができるようになったのに、彼女は働くことが大好きなのだろう。朝の新聞配達と牛乳配達は辞めずに続けていて、きっとそのお金でジュンピョに会いに行けるようになってしまったのだろう。
今までだったら、その旅費さえも捻出できずにいたのに。

俺は唇をかみしめた。

もしかしたら、ジュンピョに会いに行くのは初めてではないのかもしれない。
俺が気がつかなかっただけで、こっそりと会いに行っていたのではないか。もちろん俺に報告する義務もないのだけれど。

また胸の痛みが増した。

良く考えたら、空港でジャンディを見つけたとして、俺はどうするのだろう。
行くななんておかしいし、笑顔で見送るのか?

ふーと大きく息をついた。

それでも。それでも会いたい。そう思った。




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読んで下さってありがとうございます三日月
皆さま怒らないで下さいね。
実は私…ジャンディがどうしてもつくしちゃんに見えなくて、最後まで感情移入できないままだったのです。
顔も声もイメージと違う、性格ももっとカラっとしてて明るいはずなのに、じめっとしてていつも泣いてばかりで後ろ向きに思えて…
更に洋服も酷過ぎませんか?めちゃくちゃじゃないですか!!
そんな気持ちがあるからか、妄想していた時はどんどん話が進んでいたのに、いざ書いてみると、ちっともはかどりません。
なので、これからは私の中にあるつくしちゃん像、そう日本版の井上真央ちゃんはビジュアルも声も役作りも何もかも完璧なつくしちゃんだったので、もしかしたらジャンディではなく、つくしちゃんに寄って行くことになるかと思います。もし違和感を抱かせてしまうことになったらすみません。
ジャンディがお好きな皆さま本当にすみません♥akn♥ 決して批判などではなくただの個人的な気持ちなので、どうか聞き流して下さm(__)m