チョコの花より美男ですね -22ページ目

チョコの花より美男ですね

美男ですね、花より男子、成均館スキャンダルの二次小説、スイーツなど、日々のささやかな幸せについて

ジュンピョは優しかった。
私の我儘を怒りもしないで聞いてくれたのだから。出会った当初のジュンピョからは考えられない。
愛して止まなかったク・ジュンピョは確実に大人になっていた。

少し寂しい顔をしていたのだろうか、ジュンピョが私の頬をそっとなでた。

「じゃあ私帰るね!」
努めて元気に振る舞ったつもりなのに、どうしてかまた涙が頬を伝った。

「お前は本当に分からねー。泣くほど帰りたくないんだったらずっとここに居たらいいだろうが。」
「ち、違うよ!違う!ちょっと色々考えてただけ。」
「ふーん。」

意味ありげにジュンピョがにやりと笑うと、なにやら電話をし始めた。

「俺だ。うんうん、そう、そうか…ありがとう。」

「どうしたの?」
「うん…お父様が、俺の今日の会議全部代わってくれるらしい。」
「えっ。」
「遊びに行くぞ!」
「ク・ジュンピョー!私は帰るってば!忙しいあんたにそこまで迷惑かけられないよ!」
「アメリカまで来てそのまま帰るつもりか?」
「うん…実はそのつもりだった。それにいつ会えるか分からないから、ここの外に野宿するつもりだったの…。ははは…。」
「お前は馬鹿か。」
「へ?」
「馬鹿かと言っているんだ!こんな治安の悪い街で本当に女が野宿するつもりだったのか!」
「そうだけど…。でも大丈夫に決まってるじゃない!誰も私みたいな貧乏人襲わないよ。」
「俺だったら…俺だったら襲う。だから安心なんかするな。もっと用心しろ!いいな!」
「う、うん…。」

急に真顔で変なことを言うから、顔が熱くなってしまう。

「今日は家に泊まれ。姉ちゃんも会いたがってる。ババアもな。」
「……え??」

驚きで口を閉じることができない。あの人が私に会いたい?

「俺が屋台のおでんが好きってあのババアに教えてくれたんだってな。」

ジュンピョが恥ずかしそうにうつむいた。

「許してやってくれなんて言わない。俺だって許せてないんだから。でも、少し会ってやってくれないか?」

どうしよう。正直に言えば会いたくはない。
私にしたことはどうでもいい。けれど私の周りの大切な人までも傷付けた人だ。

それに…私はもうジュンピョと結婚することはないのだから。

考え込んでしまった私を見て、ジュンピョが深く息を吐いた。

「ごめん。なかったことにして。いつか…いつかでいいから。」
「…うん、分かった。いつか必ず。」
「ありがとう。」

そう言うとジュンピョは深く頭を下げた。そして、顔を上げた時にはもう楽しそうな顔になっていて、
「じゃあ、今日の最終の飛行機まで俺に付き合え!いいな!」
と言うなり、私の手をぐっとにぎって、ビルの外へと飛び出したのだった。

「ちょっとどこに行くのよ!誰もあんたと遊ぶだなんて言ってないでしょう!」
「うるせー女だなー!いいから俺様についてこい!」
「もー!!」

それからジュンピョお勧めのタイムズ・スクエアにある高級ステーキハウスに連れて行かれ、お店の人も引くほど大量のお肉を二人でわいわい言いながら平らげた。
それから庶民の私の為に、今日中に行ける範囲でベタなアメリカ観光名所巡りをしてくれた。自由の女神に始まって、スピルバーグも住んでいるというトランプ・タワー、リンカーン・センターの大きな噴水、セント・パトリック大聖堂に感動した。
そして最後の締めくくりは映画鑑賞だった。まだ日本で公開されていない映画に、英語のできない私の為だけに韓国語字幕を瞬時につけてくれたのだ!もちろん映画館も貸し切り!

私はあまりに嬉しくて、思わずジュンピョに抱きついていた。

「ありがとう!ジュンピョ!この映画早く見たいなって思ってたの!本当にありがとう!!」

「ふ、ふん。俺様と居たらこんなこと毎日だってやってやれるのに。」
ジュンピョが赤い顔をしてそっぽを向いていた。

興奮し過ぎたことを反省して、すぐにジュンピョから飛びのくと、ジュンピョを置いて一人で映画館へと駆け込んだのだった。


俺は何しに来たんだか。

ジフはジャンディが満面の笑みでジュンピョに抱きつくところを向いのガードレールに腰掛けてぼんやりと眺めていた。

いつも通り普通に仲が良い二人。
それをアメリカまでわざわざ見届けに来た自分にため息をこぼした。

今夜は泊まるのかな。一緒にずっといるのかな。

胸がざわざわする。

ジフは車を断って、自分の家の別荘へのそのそと足を引きずるように歩き始めた。

少しジャンディから離れた方がいいのかもしれない。そんな風に思いながら。




にほんブログ村
読んで下さってありがとうございます三日月
妄想が止まらず、ついついたくさん書いてしまいましたぁ…
お暇な時に読んで下さいね。全部読んでたら疲れてしまいますから♥akn♥ 驚かせてすみません…
そんな、しんみりと温かい雰囲気の部屋に、大きな声と扉を乱暴に開ける音が響き渡った。

「ククククム・ジャンディ!?」

驚きに目を見開いて、口をぱくぱくしている大きな男。ク・ジュンピョであった。

あぁ、私はこいつにずっとずっと会いたいと思っていたんだった。
あの激しく恋しい気持ちを嫌でも思い出してしまう。

「よっ!」

私は顔を直視できなくて、そっぽを向きながら片手を上げた。
もしかしたら迷惑だ!早く帰れって、あのマカオの時のように拒絶されるのが少し怖かったのもあるかもしれない。

でもそんな心配は無用だとばかりに、ジュンピョが長い腕を力いっぱい私の背中に回してきた。

「ジュジュンピョ!?」
「本物だ…。」

ジュンピョが私の肩に顎を乗せてそんなことを言うから、びっくりして止まりかけていた涙がまた一滴落ちてしまった。

「う、うーん。」

さっきまで泣いていたジュンピョのお父さんが気まずそうに咳払いをしたから、慌ててジュンピョの腕の中から逃れようとしたのに、全然放してくれなくて、むしろもっと強くしめつけてくるから、段々息まできなくなってしまった。

「…た、たすけて…。」

「坊ちゃん、ジャンディ様が…。」
チョン室長の声がかすかに聞こえる。

「だめだ、だめ!俺様専用クム・ジャンディなんだから。」
そんなことを言いながらやっと嬉しそうにその腕を外してくれた。

あまりに苦しかったから、私は肩で息をしているというのに、その様子をにやにやしながら眺めているジュンピョに思わず、
「ク・ジュンピョー!!!!」
と、いつものように怒鳴り声を上げてしまった。

それでも嬉しそうにやけたままの顔でジュンピョが不意に額にチュッとキスをしてきた。

一瞬よく分からなくて固まってしまった私を、またおかしそうに笑うから、とうとう足で蹴り上げてしまった。

途端に、こらえきれなくなったのか、ジュンピョのお父さんとチョン室長が吹き出して笑っている。

「あれ?お父様どうしたんですか?」

ジュンピョが今まで気づいていなかったようで、驚いたような顔をして、それから私を背中の後ろに隠した。

「あ、あのね…。」
説明しようとした私の言葉を笑顔で手を上げて遮ったジュンピョのお父さんが、ジュンピョに看病のことを話してくれた。

ジュンピョの肩が震えている。

どうしたのかなと、そっと前に回ってジュンピョの顔を見上げたら、うううっと、嗚咽をもらしながら泣いていた。

そっとジュンピョの後ろに戻って背中をさすった。何度も何度もさすっていくうちに、この人に酷いことを言えるだろうかと、段々心が重くなっていくのを感じずにはいられなかった。

「じゃあ席を外すよ。ジャンディさん、今夜は夕食をご馳走させて頂くよ。」

そう言って、ジュンピョの肩をぽんと叩いてチョン室長と共に、部屋から出ていってしまった。

「…ありがとうな。知らなかった。」
「全然よ。実はね、あのおじさんがジュンピョのお父さんだって今日初めて知ったんだ。」
「そうなのか!?」
「うん…いつもお世話になってるチョン室長に少しでも恩返ししたくってね。」
「…そうだったのか。ますますありがとう。」
「だから全然だ─」

言い終わる前に、くるっと私の方へ向き直ったジュンピョからぎゅっと抱きしめられた。

「会いたかった、ずっと会いたかった。我慢してたんだ。」
「…私もだよ。」

会いたかったのは本当だ。会いたくて会いたくてどうにかなってしまいそうだった。でも、今、私の心にはもうジフ先輩しかいない。だから、この広い背中に自分の腕を回すことはできなかった。

「お前が急に会いに来たってことは…あんまり良くないことだろう。」

ジュンピョにしては勘のいいその言葉に、思わず息をのんでしまう。

「聞きたくねーな、聞きたくねー。聞かないとだめなのか?」

ジュンピョが両手で頭をぐしゃぐしゃっとしてうつむいてしまうから、私はどうしたらいいのか分からなくなってしまった。

このまま…このまま何も言わずに帰ってしまいたい。そして後一年なんとかやり過ごして、それから消えてしまおうか。
そんな最低な考えが頭を占め始める。

おい!クム・ジャンディ!何しにここまで来たのよ!もっと頑張んなさいよ!!!辛いのはあんたじゃない!目の前にいる誰よりも愛おしいと想えたク・ジュンピョでしょう!!この人を私なんかに縛りつけておいていいはずがない!幸せになってもらわないと困るんだから!

私はジュンピョの腕を優しく外して、何度も浅い深呼吸を繰り返してから、震えそうになる唇をなんとか動かし始めた。

「ジュンピョ。私ね、私…。」
「ちょちょちょちょっと待て!ちょっと待てよ!誰が聞くって言ったんだよ!勝手に喋りはじめるなよ、このブスが!」
「……ブス!?」

自分のこめかみがぴくぴくってするのを感じた。こんな喧嘩してる場合じゃないんだけど、どうしても許せなくて、自然にジュンピョを叩こうとしたその腕をぐいっと痛いくらいに引っ張られて、そのまますっぽりとジュンピョンの大きな胸の中に抱きこまれてしまった。

「ちょっと何なのよ!ブスだと思うなら放しなさいよ!」
「放さない。絶対に。」
「…意味が分かんないんだけど!」
「嘘だから。ブスだなんて思ってない。誰よりもかわいいって思ってること一番知ってるはずだ。」
「…知らないけど。」
「知らないなら知ってろ!お前はかわいい。俺にとってはだけどな。」
「………本当にあんたって意味分かんない。」
「分からなくない!愛してる女に別れを告げられそうになってるのに、冷静でいられるわけねぇ。」

胸がどきりとして、冷や汗が背中を伝った。

ジュンピョはもう分かっているの?私の気持ち全部?

「でも待って。」
哀願ともとれそうな切羽詰まった声に、涙がまた溢れてきてしまう。
「頼むから待って。だって約束しただろう?四年後に立派になってお前を迎えに行くって。まだ三年しか経ってない。」
「ク・ジュンピョ…。」
「今そんなことを言うのは駐車違反だ。」

…契約違反かな…。

「車は運転してないんだけどね…。」
「何言ってんだ!馬鹿にしてんのか!」

突っ込むんじゃなかったな…。

私が黙ってると、ジュンピョが大きくため息をついた。

「意味が分かんねーよ。お前には振りまわされてばっかりだ。」
「振りまわされてるのは私だよ!ジュンピョ。」
「この俺様がいつお前を振りまわしたって言うんだよ!」
「ふふふ、分からないならいい。」

泣きながら笑うという奇妙な私の顔をジュンピョは目をそらさずにじっと真っ直ぐに見つめている。
私も逸らしてはいけないと、じっとその真剣な瞳を見続けた。

「諦めねーから。」
「え?」
「諦めねーって言ってんだよ。これからのお前の一生に付き纏ってやるからな。」
「…嘘ばっかり。」
「はぁ?何で嘘なんだよ!」
「ジュンピョに私は似合わないよ。」
「もしかしてそんなちっぽけな理由で俺様を振ろうとしてるのか?」
「そうだよ。」
「…全部俺が持ってるから、そんなのお前が気にすることじゃない!そう言っただろう!」
「分かってる!分かってるけど、違うの。本当に最低だからだよ!」
「…もういい!もういい!それ以上言うな!分かってるから。それでも俺はお前も友情も両方手に入れる。死ぬまでにな。」
「え…。」

今、友情って言った?
私が絶句していると、ジュンピョは今まで見たどんな泣き顔よりも悲しい笑みを浮かべた。

「俺様がお前のことで知らないことがあると思ってるのか?つくづく馬鹿な女だ。」
「………。」
「ジフだろう?」

その名前をジュンピョから聞いただけで、飛び上がりそうになってしまう。
どうしてだろう。どうしてなんだろう。誰にも言っていないのに、誰にも知られないようにしていたのに、どうしてこの人には何もかも見破られてしまうのだろう。

ジュンピョを見上げると、神話に入ったばかりの頃のように、ぎらぎらとする背筋の凍るような目をしていた。

恐怖で足がすくみそうになる。けれどここで負けてはいけない。太ももを何度も何度も叩いて自分を鼓舞した。

「ジフ先輩は関係ない。気持ちを伝える気もないから。だから何もしないで!」

そしたら、ジュンピョがふーっと息を吐くと、さっきまで浮かべていた悲しい笑みでこう言った。

「俺がそんなことするわけねーだろ。さっきも言ったはずだ。俺はお前を諦めねー。ジフとの友情もそのままだ。俺様はこれからお前の気持ちを取り戻さなきゃならないからな。」

「ク・ジュンピョー。」

私は情けない声を出してしまい、ジュンピョから頭をぽんぽんっとなでられた。

「覚悟しとけよ庶民!最後にお前の隣にいるのはこの俺様だからな!!」



にほんブログ村
読んで下さってありがとうございます三日月
書きながら分かってきたのですが、私はジフ先輩しか目に入っていないようで、あらすじがあまり頭に入っておらず、時間軸もめちゃくちゃになっているようです…そりゃあそうですよね…ジフ先輩が登場するシーン以外を早送りで見直しているのですから…
もしおかしなことになっていたらすみません♥akn♥
「わー…やっぱり大きい…。」

神話のとてつもなく大きなビルの前で足が震えてしまう。
アメリカでの拠点である神話ビルは、地震のある国日本では考えられないくらい背の高いビルだった。

ジュンピョからのプロポーズを保留にした私は、三年の間ここへ来たことはなかった。ジュンピョもまたこんな意地っ張りな私のことを分かっているからか、真剣に誘ってくることはなかった。
まぁ冗談ではしつこいくらいこっちに来いと言われていたけれど。ははは。

思い出すだけで笑顔がこぼれてしまう。

ジュンピョとの幸せな思い出は私を笑顔にしてくれる。もちろん辛すぎたことは忘れることはできないけれど、それでもその全てが私の中にしっかりと刻み込まれている。
だからこんなに長い時間ためらってしまった。その手を放してしまうのを。

でももうそんな自分に別れを告げなければならない。

ぐっと両手で拳を握ると、大きく深呼吸をした。やるわよーー!!!!!

事前に約束なんてしていない。ジュンピョがここにいるかも分からない。
会えるまで何日でも待つだけだ!!

わざとどすどす音を立てながら大股で、その眩しいばかりに豪華なビルへと足を踏み入れた。

「すみません!ク・ジュンピョに会わせて下さい!」

受付のお姉さんたちに鼻で笑われた。

「…失礼ですが、どなた様でしょうか?専務とのアポイントメントは?」
「そんなものはありませんが、会いたいんです!ジャンディです!クム・ジャンディ!そう伝えて下さい!」
「……そのようなことはできかねますが…。」

「いいからいいから、ジュンピョに電話してあげなさい。」

急に見知らぬおじさんが来て、そう言うと受付のお姉さんたちが慌てて立ち上がって、深く頭を下げた。
誰なんだろう?

「ジャンディ様!」
チョン室長だ。私は嬉しくて自然と笑顔になっていた。

「チョン室長!お久しぶりです。」
「今日はどうされたのですか?」
「……実は、ジュンピョに、あっ!ジュンピョさんに会いに…。」
「お約束はされていませんよね?」
「はい…すみません。突然来ちゃったんです。」

チョン室長には私の気持ちが分かってしまったのかもしれない、先ほどまでの笑顔が消え、悲しそうな笑顔を浮かべたから。

「チョン、私のことをそろそろ紹介してくれないか?」
「はい!申し訳ございません。」

あれ?さっきの知らないおじさんは偉い人なのかな?室長が腰を90度以上も曲げている。

「ジャンディ様、お時間はよろしいですか?」
「はい…それはもう何日でも空いていますが…。」
「ではこちらへどうぞ。」

チョン室長に促されて、このビルの最上階にある最高に広い応接室に通された。

目がちかちかしてしまうくらい金ぴかの内装に驚いて入り口で固まっていると、知らないおじさんがそっと私の肩を抱いて中へ入らせてくれた。

「どうぞお座り下さい。」

私は無言で頭を下げると、皮張りのソファに恐る恐る腰かけた。
もうジュンピョのお母さんに嫌がらせされない、そう分かっているのに、今までの記憶が蘇り、顔が強張るのが自分でも分かった。

「クム・ジャンディさん、初めまして。私はク・ボニョンと申します。」
「…おじさんはどうして私の名前を?」
「あはは、おじさんか、まぁ確かにおじさんだな。でももしかしたら貴方の将来のお義父さんかもしれないよ?」
「…え?」

「ジャンディ様、この御方はジュンピョ様のお父様でいらっしゃいます。」

「え?えーーーー!!!!!」
私があまりに驚いたもんだから、おじさん…いや、ジュンピョのお父さんが声を上げて笑っている。その笑い声はたまらなくジュンピョに似ていた。

「ずっとジャンディさんにお会いしたかったんですよ。」

ジュンピョのお父さんが、これまたジュンピョそっくりな笑顔で私を見てくるから、思いがけず心臓が大きく動いてしまった。

「ああああの…どうして私に??」

「お礼が言いたくてね。入院中は本当にありがとう。」

そう言うと、立ち上がって、深々と頭を下げた。

「え?何ですか?私何もしていません!むしろ嫌われてるんじゃないんですか?」

「ジャンディ様、私の兄弟のような方のことを覚えておいでですか?」

「…もちろん覚えています!お元気ですか?あれからお会いできなくなってしまって…。」

「それが私ですよ。」

笑いをこらえきれないとばかりに噴き出してしまったジュンピョのお父さんを思わず凝視してしまう。

よく意味が分からない…え?あれ??あのおじさん…あれがジュンピョのお父さんだったのー??

時間差でやっと理解した私は、騙したわねー!って顔でチョン室長をひと睨みすると、チョン室長まで口元を隠して笑いをこらえている。

もー!!何なのよー!!!って怒りたかったけど、目の前で元気そうに笑っているジュンピョのお父さんを見ていると、そんな気は失せて、ただただ良かったなぁって安心してしまった。

「元気になって本当に良かった。」
そう言うと、ジュンピョのお父さんとチョン室長が、笑うのを止めて、深刻そうな顔をした。

どうしたのかな?

あ…

ジュンピョのお父さんとチョン室長は、目頭を押さえて泣いていた。

「ジャンディさん、本当にありがとう。そして、妻のこと。本当に申し訳なかった。」

「いえ…まだあんまり許せそうにはありませんが、何とか無事に生きているので大丈夫です。」
そう言うと、ジュンピョのお父さんの側まで行って、そっとその肩をなでた。それからチョン室長の背中もさすった。

大の大人の男の人が声を上げないように泣いているのを見ていると、何だか私まで泣けてきてしまって、
「本当に良かったです。」
と、もう一度小さく呟いた。




にほんブログ村
読んで下さってありがとうございます三日月
こんな状態でジャンディはジュンピョに別れを告げられるのでしょうか…心配になってきました。
でもこの今もジフ先輩が悲しい顔をしているかと思うと、安心させてあげるまで書き続けてしまいたくなってしまいます。