イジョンがジュンピョの唇の端の血を拭った。
「初めてお前に殴られた。」
「俺もまさかジュンピョを殴るなんてな。」
二人で、砂浜に足を投げ出して苦笑いを浮かべた。
「これでいいのか?」
「…今はな。」
イジョンは、ジュンピョの顔を見なくても、悲しい顔なんかではなく、熱く燃えるような瞳をしているに違いないと思った。
「俺がジフから奪ったから…だから今だけ…返してやるだけだ。」
「木のロボットかよ。」
「…その借りを返してやっただけだ。」
「あれ?前も返されなかった?」
「うるせー!あれは無効だ!」
イジョンは笑いながら横を向くと、ジュンピョが燃えるような瞳に涙を浮かべていて、なんとも言えない気持ちになった。
ジュンピョがどれだけジャンディを好きか、ジフがどれだけジャンディを想っていたのか、全て分かってしまうから。
でも正直、今までの経緯を考えても、ジャンディがジフに気持ちを持っていかれるのは必然だ。どんな困難にも打ち克ってきたジャンディだが、それは全て傍で常に支えてくれたジフがいたからこそだと思うから。それに気がついてくれたジャンディに感謝さえしている。
それに…
「俺も…カウルちゃんに出会ってなかったら、ジャンディのこと好きになってた。絶対に。」
本当にそう思う。
ジュンピョは何も言わずに俺を射抜くように凝視している。だから俺も目をそらさずにじっと見つめ返した。
もしかしたら…ウビンは今もジャンディが好きなのかもしれない。そんな風に思うのは俺の考え過ぎだろうか。
イジョンは自分の考えにまた苦笑いを浮かべた。
「ジャンディ、行こうか。」
ジフ先輩の瞳の色が深くなった気がした。
「はい。」
きっとジュンピョのとこへ行こう。そういうことだ。
私は立ち上がると、白衣についた砂を払って先輩を見上げたら、その深い色の瞳に飲み込まれそうになって、少し怖くなった。
この手を取ってしまった今、私はもう離せそうにない。大切過ぎて、失ってしまうくらいなら手に入らない方が良かったのかも。そう思うから。
先輩が私の腕をぎゅっとにぎった。後悔しないで、俺の手を取ったことを、そう言うように。
「先輩が好き過ぎて怖いんです。」
違いますって、そういう意味じゃないんですって意味を込めて、先輩の腕にそっと触れた。
「きっと俺の方が何倍も怖いよ。」
「どうして?」
「今だって…ジュンピョに会わせてしまったら、やっぱりジュンピョの方が好きって言われちゃうんじゃないかって怯えてる。」
私は驚き過ぎて先輩を見上げたら、物凄く悲しげな困った顔をしていて、胸の奥が痛くて痛くてどうしようもなかった。
そうよね…。私は先輩を好きだと言いながら、ジュンピョに惹かれていったのだから…。
どうしよう、どうしたらいいだろう。何て言えば?何をしたら?
気がついたら涙がどんどん流れてしまって、視界がぼやけて先輩が今どんな顔をしているのか見えなくなってしまった。
「ごめんね。信じてるから。」
慌てたように先輩が私の体を包み込んでくれたけれど、どうしたらいいのか分からなくてうつむくと、左手の薬指の指輪が目に入った。
そうよ。この指輪を信じないでどうするの!!
まずは目の前のことを一つ一つクリアにして、先輩から本当の信頼を得よう。そう心に誓った。
「先輩、ジュンピョからは私が話します。だから見てて。」
「嫌だ。」
「え?」
「俺がちゃんと言いたい。」
先輩はさっきとは違うとても凛々しい顔をしていて、きっとまた同じようなことを考えていたんだなって思ったら、自然に笑顔になっていく。
「ずっと一緒にいて下さいね。」
そうお願いすると、
「ジャンディが俺のこと嫌いになっても放してあげない。」
って先輩がとんでもなくかわいい顔で笑った。
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