チョコの花より美男ですね -17ページ目

チョコの花より美男ですね

美男ですね、花より男子、成均館スキャンダルの二次小説、スイーツなど、日々のささやかな幸せについて

先輩と私は、ジュンピョがまだ居るであろう海辺へ向かって、しっかりと手をつないで歩いた。

ジュンピョに何を言えばいいのか、全く見当もつかない。
それでも素直な自分の気持ちをちゃんと分かってもらいたいと思う。それがジュンピョのこれからの幸せにつながるはずだと信じているから。

そして、何よりも私が守りたいのはジフ先輩なのだ。
年下のしかも女の私が、こんな大きな年上の男性を守りたいだなんて、おこがましいのは分かっている。でも、何を犠牲にしてでも守りたい、例えそれが自分であっても。

「先輩、私頑張るからね!」

「頑張らなくていい。」

えっ!?と先輩を見上げると、暗くてよく見えないのに、なんとなく怒っているような、むすっとしているような顔をしていて、急に不安になる。

「ジフ先輩。」

何かに怒ってますか?って聞けなくて、そっと名前を呼んでみたら、明らかに不機嫌そうな視線を私に向けた。

「誰が頑張れって言ったの。」

「だって…。」
頑張らないと先輩に私の気持ち分かってもらえないでしょう?いや違うな…。頑張らないと私のこと好きでいてくれないでしょう?
そう心の中で呟いてしまう。

「頑張らないで。頑張る必要がないんだから。」

「…それはどういう意味ですか?」

頑張らないでいいだなんて…。不安で声が震えてしまう。

「俺はジャンディだったらどんなジャンディでもいいんだ。」

先輩がむっとした顔なのに、少し顔を赤らめている。

「頑張ってるジャンディも好きなんだけど…、俺の為に何かを無理して頑張ったり我慢したりする必要はない。怠けてるジャンディも大好きだし、甘えてるジャンディだって好き。自然にありのままでいてくれたらそれでいい。分からない?」

私はまた涙で視界が揺れていた。

今まで私に頑張らないでいいだなんて言ってくれた人がいただろうか。
いつも正しい行動を求められていた気がする。何にも屈せず、何にも負けないで居なければならないとずっと思いこんでいた。

「俺はジャンディのこと強いだなんて思ってない。泣き虫だし寂しがり屋だし、素直じゃないし意地っ張りでもある。」

「先輩…。」

先輩はにこっと笑って頭をくしゃくしゃって少し乱暴になでてくれた。

そしたら涙が止まらなくなっちゃって、どうしようもなくなって、先輩とつないでいる手をぎゅっとにぎりしめたら、先輩がもっとにぎりしめてくれる。

「先輩、今言ったこと後悔しない?」

私が泣きながら先輩に言うと、先輩は大きな瞳を細めて嬉しそうに笑ってくれた。

「するはずがない。俺しか知らないジャンディをこれからいっぱい見たいな。」

空想していた世界は、あくまでも私の心と頭が作りだしたものでしかなかったことを知った。
現実はこんなにも幸せにあふれているのだから。




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読んで下さってありがとうございます三日月
やっと一息つけるかと思ったら、もうすぐ明日ですねくま 悲しい…
一年前に書きました番外編、 「花より団子より」 の、一年後です桜**

ミナムはいつまで手術をしているのか!という感じですが…やはは…

最近ジフ先輩に浮気ばかりしてしまってすみませんくま 少しでも楽しんでもらえますように桜

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DSC_0104.JPG 

去年はテギョンさんと桜見に行けたのになぁ。

ミナムは満開の桜の下での雑誌撮影に、思わずため息をついてしまう。

今年ももしかしたら…なんて淡い期待を抱いていたのに、今年初めての桜をお仕事で見てしまうことになったのが残念で仕方ないのだ。

大きな桜の幹に片手をついてかっこよくポーズを決めるテギョンをちらちらと横目で見ながら、きっと去年自分をお花見に連れて行ってくれたことなど記憶にもないのだろうと、またため息が出てしまう。 

お昼の眩しい太陽の下で見る桜は、白っぽく見えて桜じゃないみたいで、その下に真っ黒のスーツをびしっと着こなしているテギョンもなんだかミスマッチな気がしてしまう。

でも本心はお昼に明るく咲いている桜も大好きだし、全身真っ黒なテギョンも大好きだ。

「ミナムさーん!笑顔お願いしまーす!!」

あぁ、なんて馬鹿な私。
キレイな物を見てキレイだと思えないなんて、なんて馬鹿げているのだろう。

ミナムは無理矢理に笑顔を作って、またちらっとテギョンをぬすみ見ると、ばっちりと目が合ってしまい、慌てて視線をそらせた。

さっきカメラマンさんに怒られたから、テギョンさんが監視していたに違いない…。
しっかりしないと…。

そうこうしているうちに辺りはすっかり暗くなり、 撮影も無事終了し、ミナムは満開の桜に後ろ髪ひかれる思いで、事務所の車に乗り込もうとしたその時、テギョンからぐいっと腕をつかまれた。

びっくりして声を出せないでいると、恐ろしく意地悪な顔で片口をつり上げたテギョンの顔が近づいてきて、

「これから花見するぞ。」

と、信じられないことを言った。

「え?」

ミナムは聞き違いなのかと真剣に思い、もしかしたら空耳かもしれないと、辺りをきょろきょろと見回した。

「聞こえなかったのか!」

「いいいいえ、その聞こえたのですが…あの本当ですか?」

そう聞き返すと、テギョンがおかしそうに目を細めて笑っている。
ますます現実のことなのかと思うが、でもつかまれた腕は少しだけ痛い。

「マ室長、ちょっと散歩してくる。」

テギョンはミナムの腕をつかんだまま、後ろで騒ぎ始めたジェルミやマ室長、無言でにらみつけているシヌを無視して、どんどん桜の方へ歩いていく。

ミナムは夢見心地だった去年のお花見に逆戻りしたような錯覚に陥っていた。

「テギョンさんどうして…。」

「今年もお菓子買ってやろうかと思ったが、どうせ食べないだろう?」

と、あの大好きな小犬の笑顔で言うものだから、ミナムはどうしようもないくらい胸がどきどきしてしまって、きっと真っ赤になっているであろう顔を隠すように手で覆い、うつむいてしまった。

「桜が見えない。」

テギョンが、ミナムの頭をがしっと持って、ぐいっと上を向かせる。
ミナムは真っ赤な顔をして、金魚のように口をぱくぱくしているものだから、テギョンは笑いが止まらなくなってしまう。

去年は見ないふりをしていた自分も気持ちも、一年も経てば分かってしまう。

テギョンは幸せな気持ちと、少しの怖い気持ちで夜桜を眺めた。
来年も、この豚うさぎの隣でこの桜を見ることができるのであろうかと。

ミナムもまた、今年も何故かこうしてテギョンが桜を一緒に眺めてくれていて、それがどういうことなのかは分からないが、去年のことも覚えてくれていたようで、やっぱり全く意味が分からないが、それでもとても心が温かくなって、でも来年はもうないかもしれない、そう思うと泣きたくなってしまうのだった。

まだ冬なのかと思う程の寒さの中、しばらく無言で桜を眺めていると、ぽつりとテギョンが口を開いた。

「来年も桜はまた咲くのだから、もう帰るぞ。」

やっぱり…。

ただの気まぐれで桜を見てくれただけなのだと思うと、悲しくて泣いてしまいそうだったのだが、夜桜の為のライトに照らされたテギョンの耳がとても赤くなっている。

あれ?もしかしたら悪い意味ではないのかも??

きっとミナムの顔中に、はてなマークが浮かんでいたのであろう。
テギョンは気まずそうに口を左右にくいくいっと動かしてから、ポケットに手を突っ込んでこう言った。

「来年もまた一緒に見てやるってことだ!」

ミナムは急に桜もテギョンも見えなくなってしまって、どうしてかと顔を触ってみたら、頬が濡れていて、泣いているのだと気がついた。

目をごしごしとこすると、桜の淡いピンク色だけが残像として残り、その中で背の高い愛しい人がゆらゆらと揺れていて、やっぱり幻想の中に居るのかと不安になる。
けれど、自分の手に落ちる涙は温かくて、そしてすぐに冷たくなる。その感触で、やはり現実なのだと思い知る。

そんなミナムをテギョンは横目に見ながら、何と声を掛けるべきか迷っていたが、ただ一緒に桜を見ていれば、そのうち自分の気持ちが伝わるのではないかと思い、そっとミナムの小さな手を自分のポケットに入れてにぎりしめた。

来年はきっと本物のミナムが帰ってきているだろう。
その時も俺はこの手を放すつもりはない。違う形できっと一緒に桜を見たい。

そっと横のミナムを見ると、驚きですっかり涙も止まっているようで、口をぽかんと開けている。

テギョンはまた笑いがこみあげてきて、柄にもなく大きな声で笑ってしまったのだった。



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読んで下さってありがとうございます
桜って本当に不思議にきれいですよねぇ桜**