チョコの花より美男ですね -14ページ目

チョコの花より美男ですね

美男ですね、花より男子、成均館スキャンダルの二次小説、スイーツなど、日々のささやかな幸せについて

ようやくリビングの広い机についたジフとジャンディ。

「それで…何から訊けばいいのか…。」

先ほどまでの怒鳴り声から一変して、もごもごとするおじい様と、真っ赤な顔でうつむいたままのジャンディに、ジフは笑いがこらえきれない。

「おじい様、ジャンディと正式に婚約させて頂きます。」
「婚約!?」
「はい。結婚を前提にお付き合いすることをジャンディが認めてくれました。」
「ジフ!それは本当か?」
「はい。」
「本当なのか?ジャンディ!」

急に名前を呼ばれて驚いて立ち上がったジャンディは、
「はい!よろしくお願い致します!!」
と、勢いよく頭を下げたら、そのまま机の角に頭をぶつけてしまい、その反動で後ろに倒れてしまった。

慌てたジフは、ジャンディを抱き起こすと、ソファに横たわらせ、キッチンへ氷嚢を取りに行った。

ジャンディはこんな大切な時に何をやっているのかと悲しくなってきて、少し涙ぐんでいると、おじい様がそっとジャンディの側に跪いた。

「大丈夫か?この薄情娘が。」
「おじい様ー。」
「なんじゃ、この一年わしを放っておいたのは誰だ?」
「…すみませんでした。」
「ふんっ、まったく不器用な奴め。」
「えっ?」
「まぁいい、それで、あんな無愛想な男でいいのか?」

氷嚢を手に急いで戻ってきたジフは、ソファで会話する二人の声が耳に入り、そっと扉の影に身を隠した。

おじい様は、ジャンディが俺にはもったいないって言っていたものな…。ジャンディは何て言うのだろう。

不安から肩に力が入ってしまうジフ。

「ジフ先輩のことですか?」
「あれ以外に誰がいる。」
「いや…先輩のこと無愛想だなんて思ったことがなかったから。」
「そうなのか?」
「はい!分かりにくいですけど、無愛想ではないと思います。」
「そうか…。本当にジフでいいんだな?」
「当然じゃないですか!ジフ先輩以外考えられません!!むしろ…。」
「なんじゃ?」
「私なんかでいいのか、そっちの方が心配で…。おじい様だって本当は反対でしょう?」
「何を言い出すかと思えば。わしはお前が高校生の時から、娘にするならジャンディしかおらんと思っておったぞ。」
「嬉しい!!」

ジャンディが弾かれたように、おじい様に思いっきり抱きついた。

「こら、苦しいではないか。」
「だってー!本当に嬉しくって!!」

涙声で笑いながら、まだおじい様にくっついているジャンディ。

ジフは、そんな二人に、扉の影でそっと涙を流した。

数年前までは、この広い屋敷にいつも一人だった。
それが今では、自分の何よりも大切な人たちが涙を流して抱き合っている。昔の自分からは想像もできない光景だ。

そして、その全てを形成してくれたのが、この宇宙の中で一番愛おしいジャンディだ。

ジフは、ぐいっと涙を拭うと、抱き合う二人を丸ごと、その長い腕で抱きしめた。

ジャンディは、ジフとおじい様に抱きしめられて、息もできない程の幸福を味わっていた。

おじい様もまた、ジフの幸せがこのジャンディと共にしかないことを改めて実感していた。

ありがとう。ジフを選んでくれて…。本当にありがとう。




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ジフ先輩が幸せそうで本当に嬉しいですはーと

テギョンさんが眠っている。

自分の手をにぎったまま無理な体勢で頭だけをベッドにつけて眠るテギョン。ミニョは胸に熱いものが込み上げてきて、涙を止めることができなくなっていた。

もう自分は独りではない。もうテギョンと離れることはないのだ。

テギョンの手を外さないように横向きになると、自分の掛け布団を一枚取って、テギョンの体に片手でどうに掛ける。

テギョンさんが風邪をひくくらいなら、自分が風邪をひいた方が嬉しい。

ミニョは少しの間、月明かりに照らされたテギョンの艶やかな黒髪を眺めていた。
これからはずっとこの愛しい人の傍に居てもいいと許されたのだ、もうどこへも行かないでいいのだ。そう思うと安心して、再びその瞼を閉じた。


あれ?俺いつ布団なんてかけた??

一瞬睡魔に襲われていたテギョンが、はっとしたように目を覚ますと、自分に薄手の布団が掛っているのに気がついて、ミニョの布団に手をやると、毛布の柔らかな感触しかなく、やはり掛け布団がなくなっていることに気がつく。

こんな時にまで寒い思いをしてどうするのだ。

テギョンは呆れたようにため息をつくと、その掛け布団を再度ミニョの体にそっと掛け直した。

これからは、この愛おしい存在が、無理や我慢をしないで、幸せに笑っていられるようにしてあげたい。
そして、何に遠慮もすることなく、安心した生活を送らせることこそが、俺が結婚した意味だと思っている。

俺にこんな想いがあることを分からせてくれたのは、コ・ミニョ、お前だからな。

ちょんと、ミニョの額をつつくと、眉間にしわをよせて顔を背けるのが、なんだか面白くて、二度三度とつついていると、うーんと少し唸り声を上げたので、慌ててその手を引っ込めた。

そして、飽きることなく、その寝顔を見続けたのだった。



「あんたたち!もう帰りなさーい!」

いい加減自分が帰りたくなってきたミジャから、無理矢理お店を追い出された一同。

スタッフやマ室長たちとはその場で別れ、慌てて家路を急いぐ、ミナムとジェルミ。

「シヌさんが先に帰ったのもちょっと怪しいよな。」

さっきまで泥酔していたとは思えない程、しゃきしゃきと歩き出すジェルミに、笑いがこらえられないミナム。

「そんなにミニョが心配?」

「当たり前だろ!テギョンさんと二人にしておくのも嫌なのに!あっ、でも別に反対って訳じゃないんだけどさぁ…。」

ぷくっと膨れたジェルミの頬に指を立てたミナムは、分かってるからって感じで何度か頷いた。

「もしかしたら今日は帰って来ないかもな。」

少し寂しげな顔でミナムが言うと、ジェルミが、

「それは困るーーーー!!!!!」

と、住宅街に響き渡る大声を出したのは言うまでもない。





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読んで下さってありがとうございますお星様
なかなか進めなくて、本当にすみませんくま

ジフの家に近づくにつれて、急に口数が少なくなるジャンディ。

よく考えてみたら…。
この一年、おじい様に会うのも我慢していたから、会えることが嬉しくてたまらなくて頭が回っていなかったけれど、もしかしなくても、先輩の相手として、私は失格だ。いくらおじい様でも…。

到着すると、緊張の面持ちでジフをそっと見上げた。

「どうしたの。」

優しい優しい先輩の甘い声に、なんだか泣いてしまいそうになるジャンディ。

「あ、あああのね、その、もしおじい様が…反対しても、それはそれでちゃんと受け止めるから安心して下さいね。」

うつむきながら、なんとか言葉にするものの、自分で発したその言葉が胸に突きささり、なんとも言えない痛みが伴う。

何も言ってくれないジフに更に不安を募らせて、恐る恐る見上げてみると、今までにない程の怖い表情をしており、つないだ手が少し震えている。

「あ、あの…。」

ジャンディが慌てて何か言おうとする、その言葉を遮るように、

「ジャンディ、それ本気で言ってる?」

と、ジフが強い口調で訊ねると、何も言えずに困った表情のジャンディに、深いため息をついた。

「おじい様は絶対に喜ぶから。断言できる。」

「で、でも!それはただ、診療所を手伝う人間としては、その…嫌われてはいないかもしれませんが…ジフ先輩のその…。」

「婚約者?」

「はい…その…ここここ婚約者ともなれば、また話しは違うような…。」

『婚約者』という単語を恥ずかしがって言えないジャンディがたまらなくかわいくて、本当は怒っているのに、何だかきゅんとして胸の奥が詰まるような息苦しさを感じる。
しかも、とんでもない勘違いで勝手に胸を痛めているジャンディが、もう言葉では形容できない程に愛おしい。

「会ったらすぐに分かるから。」

ジフが極上の笑顔をジャンディに向けると、ジャンディはたまらずに顔を赤くしてそむけてしまった。

本当にこのジフ先輩の顔反則!!

ふふふって横で笑っているのが分かるけど、恥ずかしくてどうしても先輩の顔が見れない。けれど、もうここまで来てしまったのだから、その全てを受け入れるしかないのだ。

ジャンディは、ぐっとお腹に力を入れると、玄関の敷居を大股で、跨いだ。

「お帰り。おっ!?」

ジフだけが帰ってきたものと思って出迎えに来たおじい様が、ジャンディも一緒で、更にその手がつながっていることに、目を見開いて驚いている。

「…おじい様、お久しぶりです。こんばんは…。」

どうしても引きつってしまう笑顔で、何とか挨拶をすると、ジフの背中に隠れてしまったジャンディ。

そんなジャンディを、溶けてしまいそうな顔で見ているジフを、口をぽかんと空けて見つめているおじい様。

なんとも言えない空気のまま、少しの沈黙の後、ジフが喉の奥で笑いをかみ殺しながら、

「ただいま。ジャンディも一緒。」

と、おじい様にただいまの挨拶で頭を下げた。

ハっと我に返ったおじい様は、
「こら!ジャンディを連れてくるなら電話の一つもよこさんか!」
と、照れ隠しに怒鳴った。

そんなおじい様に、とうとう耐えきれなくなったジフが、珍しく声を上げて笑っている。

「早く上がらんか!ジフの背中に隠れている薄情な娘も、早く上がってお茶でも淹れんか!」

と、怒鳴って、さっさとリビングへ行ってしまったが、その顔は真っ赤で、口元が完全ににやけている。

ジフは、胸がいっぱいで、自分の背中に貼りついているジャンディの方へ向き直すと、そっとその唇にキスをした。

「先輩!こんなところで!」

ジャンディは真っ赤な顔で頬を膨らませているが、ジフはぺろっと舌を少し出して、
「だってここ、これからジャンディの家になるのに、こんなところも何もないでしょう?」
と、いたずらっこのような笑みを浮かべた。

「おい!!いつまで待たせる気か!」

おじい様の大きな怒鳴り声に、二人は笑顔を見合わせると、今度はどちらからともなく、自然と唇を重ねた。




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読んで下さってありがとうございます三日月
私は根性がないので、なかなか物事が長続きしないのですが、こうして文章を書くことだけは飽きずに続けていられるようです。
物凄い駄文なのですが、PCに向かっているととっても楽しいですクマ
いつも読んで下さる皆様がいて下さるからこそだと感謝しております。ありがとうございますはーと