今回は「虚宿(きょしゅく)」についてです。

 

虚とは訓読みで「むなしい」と表します。「空しい」とも書くように、中身が空っぽで、実が伴わない様子を表しているのですが、虚宿の性格もそれに相当するような意味があります。

 

これから書く内容は深い部分でのお話です。宿曜経典にも深意として記されています。

 

虚=空とすれば、物事に対しての「虚しさ」を一番に請け負うのがこの宿の宿命です。

 

空即是色と般若心経にあるように、空=色、つまり色を財産と捉えるとですね。。。

 

一家に虚宿が生まれると、今まであった物質的な形が虚構だったことにより、無に戻るそうです。

 

私が阿闍梨に習っていた時に学んだことですが、虚宿の子が産まれた時からその家は衰退するよ、と言われました。

 

しかし今は私なりに、こういう風に捉えています。

 

家族がもしも形だけの家族だった場合、この子が生まれた後からジワジワと一族の因縁が出始めるのだと。

 

家族の因縁で考えられるパターンはいくつかあります。

 

・両親の離婚として出るパターン

・一族の財産が無くなるパターン

・跡継ぎとして虚宿に継がせた場合に起こる一代限りの稼業となるパターン

・夫婦二人の相性が前世による因縁で結びついてしまった場合(特に安・壊の関係)は、その因縁を修復させるのがこの宿の子

 

家族以外にも本人に顕れる場合もあります。

 

例えば、人間関係で裏切りに合うとか、不倫という形で泥沼化してしまうとか、大きな組織に就職した後で精神的に病んで辞めてしまうとか。。。

 

とにかく、一度偽物の形が崩れてしまうのです。

 

しかし逆に言えば、虚宿の持つ強運が根底にあるためなので、周囲を一度破壊した上で強固な新しい形が出来上がる、という意味にもなります。虚宿のお陰で、本当の関係に気が付くということでもあります。

 

虚宿が生まれた場合には、虚構がハッキリとした形で表れてしまうかも知れないけれど、はじめにそれを知っていれば虚宿の強運を生かしてあげることが出来るのです。

 

こういう点を抑えて虚宿を見て欲しいのです。

 

 

だからこそ、もしも虚宿の子が生まれたら必ずやって欲しい子育て法があります。

 

幼少期にはこの子の運気が最高潮の時です。だからこそ甘やかさず、幼少期から基礎教育をしっかりつけておくことです。また、命の尊さを教え込むことです。

 

虚宿は幼少期から、大人のしている身勝手さを良く見ています。両親の喧嘩している姿を見て心に傷を付けているかも知れません。だから虚宿の前では絶対に喧嘩はしないことです。

 

また、青春時代(15歳前後から20代くらい)に内面が暴れ出します。外面は穏やかに笑っていても、心の中には怒りが詰まって爆発寸前です。ですから小学生卒業までには、この子の内面の奥底にある「悲しみ」「むなしさ」に気が付き、内面的なフォローをしてあげることです。

 

時にはその内面の怒りを消すために、「道」とつくような「柔道・剣道・合気道・書道・華道・茶道」などに親しむことも良いことです。

 

また宗教的な縁もある宿なので、祈ることで得る「定(じょう)」という心を定めて怒りを鎮め、己の心と対話し、心を穏やかに変える法に出会えると良いでしょう。

 

そして30歳代には二度目の危機、つまり財的な危機が訪れます。人に騙されたりしないようにしたい時です。

 

そういう意味でも、虚宿は一度や二度、物質的な学びをするようですが、その後に急成長し、人としても内面も伴い、おだやかな晩年を迎えられる一生を送ることができます。

 

ですから虚宿に関しては、絶頂期の幼少期に甘やかさないこと。基礎教育をしっかり身につけること、そして精神的な学びをさせるようにすることがとても大切です。

 

一般的に、人はこういう辛い時期を乗り越えていく最中に、人の心の内面と社会での外面は全く真逆だと知るものです。誰でもはじめに内面は隠すはずで、良い事しか口にしません。騙された経験がある人は、人を信じ過ぎず、かといって人を怖がらず、そういうものが人間社会なんだと悟ります。

 

虚宿は若い内に、もしかしたらもっと早くの幼少期に、人間の中にある闇と表の光のアンバランスさを、本能的に感じ取っているのかも知れません。だから内面はとってもナイーブなんです。

 

またもう一つ、知っておいて欲しいことがあります。

 

もしあなたの一家が家業をしているとしたら、なるべくなら虚宿を跡継ぎにしないことです。これは特に覚えておいて欲しいのです。

 

逆に、その稼業の先行きが不透明で、終わりたくても決心が出来ずに続けている場合には、ぜひ虚宿に継がせてください。この場合には虚宿の持つ空のパワーで、きれいに清算をしてくれるはずです。

 

深い意味の前置きはこのぐらいにして、本題の虚宿の性格に入っていきます。

 

 

虚宿(きょしゅく)

 

 

~「いつもお金が無いの」が口癖の落ちつかないネズミ~

 

ネズミに喩えられるように、扱うものの単位(お金、仕事、社会、職場)が小さい。あまり大きな組織に入ると居場所がなくなる。細かい事柄をたくさん収集するような専門的な分野に向いている。

 

幼少期から、おもちゃは細かく小さなものが好き。同じようなものがたくさんある。細かいものを集めるコレクター。

 

口癖は、「いつもお金が無いの。」「私、何も買ってないの。」と言っているが、たびたび何かを買っていることが原因。

 

動きが細かくて、ソワソワしている様子は忙しそうにみえるが、その動きには落ち着きがない。要領が悪い。椅子にずっと座ることが無く、すぐに動きたがる。

 

細かいことをすることが得意。

 

いつも誰かにくっついていたい甘えん坊さん。孤独に弱い。この状態で大人になれば子離れが出来ない原因となる。親離れは早い内に。

 

いつも誰かと居たいので気が多い。誰でも良い。そういう意味では恋愛しやすいタイプ。結婚も良く考えないですれば失敗しやすいと言える。

 

大きなお金を使うことに躊躇してしまう。賭け事は絶対にやらないこと。小さな単位の負債でもそれが次第に増えてしまうので。

 

貯めるのなら、毎月の積み立て貯金が向いている。

 

資金面のこととなると苦手。お金の管理が下手。(壁紙を決めるとか、インテリアはこれが良いとか、そういう細かいことは決められる。)

 

意味なくいつも不安を抱えている。リラックスが下手。

 

カレンダーに予定が埋まっていないと不安な人。心宿と並んで鬱の傾向が強い。(虚宿と心宿は『二大鬱(うつ)の宿』。

 

長所は用心深いこと。優しいところ。子供思い。

 

女性では多産傾向にある。多くの子供に囲まれていたいという願望から。

 

虚宿の開運方法として、ぜひ知って欲しいことは、目的を定めて行動すること。意味も無くただ動くのは虚しさを感じてしまうので。

 

何といっても宗教縁がある。お参り、祈り、宗教関連は開運には近道。

 

細かいことが好きなので、細部の繊細さを求められるような仕事が適職。英会話など外国語の微妙な発音に敏感な聞く耳を持つので、ヒヤリングが得意となる。ここも生かせれば強みとなる。

 

 

二重丸虚宿に縁がある神社・仏閣・場所

 

万九千(まんくせん)神社

出雲市斐川町併川258

祭神:大国主(オオクニヌシ)命

   櫛御気奴(クシミケヌ)命→火の神 

   少彦名(スクナヒコ)命

   八百萬(ヤオヨロズ)神

 

万九千神社の公式HPによると、由来は以下の通りです。

 

万九千神社は、神在祭(毎年の神在月、旧暦10月)に際し、全国から出雲へと参集された八百万神が最後にお立ち寄りになるとの神話を今に伝えています。 八百万神は当社において、出雲路における神議り(かみはかり)を締め括り、神宴(直会=なおらい)を催したのち、神在月26日から翌未明にかけて諸国へとお旅立ち(神等去出=からさで)なさるとされています。

 

 

私的にホツマツタヱから見れば、万九千神社は天照大御神を率いる中央政府に歯向かったハタレの総数「七十万九千人」から取った神社名かも知れません。

 

ハタレとソサノオは深い関係があったようです。日本の神さまの中でもかなりの強烈な色情で悩み、その後に無常を知り、悟りを得られたのは、他の神々の中でダントツでトップだったでしょう。

 

~「ソサノオ尊」の正しい文字について~

 

ホツマツタヱの一文字ずつの大和言葉解明に生涯をささげた「鏑邦男(かぶらくにお)」氏よると、五母音表記では、「ヲ」は接続詞や「おおよそ」の単位の時にしか使わないそうです。

 

鏑氏による「ヲ」と「オ」の違い↓

 

 

ヲシテ文字(ホツマツタヱの文字)で「ヲ」は

 

 

です。

 

トメ」「トコ」「ラジ」など、「ヲ」は数多くの「おおよそ」を指す場合に用いていた。

 

その他に接続詞として、「○○した」のように使う場合がある。

 

また、「ヲ」の使い方として「オ」より一段へり下って使う場合には、謙遜として「オ」を引き上げるために敢えて「ヲ」を使っている事例が、ホツマツタヱのアヤ各所にあり。

 

ヲシテ文字で「オ」は、

 

と書くのが一般的。「母さま」「父上」「おお叔父」などの時。

 

自分より目上の者に対して使う場合には上記の通り。

 

一方、特別な存在の偉大なる方に使う場合には、そのヲシテの変形が各種ある。

 

例えば、「天照大御神」に使っている「オ」のヲシテは

 

 

で、中央に点「・」が入る。

 

 

「ソサノオ」の「オ」のヲシテは

 

で、中央に横線「ー」が入る。

 

 

「天照大御神」のホツマツタヱでの正式名は「あまてらしますオオンカミ」

と表記されています。中央に点「・」が入るヲシテの「オ」が」二つも続きます。偉大さを表していますね。

 

 

さて、ここからは私的な考えで「ソサノオ」の血筋の秘密に迫ってみます。

あくまでも私の考えです。

 

「ソサノオ尊」はクニトコタチの八人の皇子「トホカミヱヒタメ」の中で、日本皇統の「ト」の直系であった、と私は考えています。

 

傍系の血縁の方が天照大御神であると考察しています。

 

この辺りの説明は大変難しいので、今回はNAVI彦さんのこのブログ記事を参考に、是非読んでみてください。

 

カグツチ考2 NAVI彦さんのブログ

 

なぜ神武天皇から人皇初代としたのかも見えて来ます。

 

六代アマキミであった「ヲモタル」から実は続いていたソサノオ直系の四代後の子孫で、女性としてイソヨリ姫がいます。この姫は再婚してタマヨリ姫を産みました。

 

一方、傍系である天照大御神の玄孫にウガヤフキアワセズがいます。

 

トの皇統直系であるソサノオの血筋を受けたタマヨリ姫と、イサナギ・イサナミが継いだ傍系から生まれた天照大御神の血筋を受けたウガヤフキアワセズが一緒になって「神武天皇」が誕生したのです。

 

つまり、神武天皇から傍系と直系が一つになったと考えられます。

 

だから直系であると考えられる「ソサノ尊」の表記は、「ソサノ」でもなく「サノオ」でもないのです。

 

※なぜか六代「ヲモタル」の表記は「ヲ」

 

 

になっています。「ヲモタル」ではなくて「オモタル」

 

 

で良いのに。。。ホツマツタヱの原文表記は「ヲ」

 

 

でした。「オ」よりへり下った「ヲ」です。

 

ここは私的に???です。

 

「ソサノオ」の「オ」

は四角形が重なる文字に中央横線一本入り「ー」ですから、「ヲモタル」の表記とは違います。

 

 

話を万九千神社に戻します。

 

ハタレ達(中央政府に歯向かった者たちの総称)は、ソサノオ尊が「ト」の直系であることを知っていた可能性がありますね。

 

万九千神社にハタレ達が集結して、傍系・天照大御神を立てる中央政府と、直系・ソサノオ尊を立てるハタレ達(出雲の鉄を作る者たち)との間での戦いであった時代を彷彿させます。

 

虚宿の持つ因縁は、今までの風習を一度洗い流して、新しい未来へと向かうための一掃させるパワーがあります。そういう意味から、私は虚宿に縁がある神社に、この万九千神社をあげました。

 

ここでハタレ達が蜂起した場所だとしたら、ソサノオがシムの道(血筋の因縁)によって永い間苦しんだ因縁から解放された「熊野大社」(島根県松江市八雲町熊野2451)もまた、一緒に訪れたら良いと思います。

 

ここの熊野大社の横には、ソサノオの母・イサナミが祀られています。

 

出雲周辺は本当に良いところです。いつか島根にある「大山(だいせん)」にも登ってみたいと思っています。もちろんこの山は、カグツチ集団の崇拝していた炭焼き一家の聖地だと思っています。まるで鬼滅の刃に出て来る竈門 炭治郎の一族の山のようです。もちろん私の推測ですけどね。。。