さて、宿の説明もいよいよ後半に入りました。
今回は「房宿」です。
私の感じる房宿の特徴をあげるなら、「おしゃべり大好き人間」です。そのおしゃべりの内容を聞いていると、必ず誰かの噂話や悪口が軽~く入っています。
そして話の中でかなり「盛る人」です。つまり少しオーバーな言い方が入ります。でも本人には悪気はなく、ちょっとした話題作りをしたいだけ。
日本神話にも出て来る「因幡の白兎」の「ウサギ」さんのような、少しいたずら好きなところ、お茶目なところがまた、憎めない人です。
あちら岸に渡ろうとしていたウサギさん。でも近くにはサメがたくさん集まっていました。
どうしたらあちら岸に渡ることが出来るだろうか。。。と考えたウサギさん。
ワニを騙して、自分の仲間とワニの仲間とどちらが多いか比べっこしようとしました。
ワニを一列に並べさせてワニの背中に乗り、楽々とあちら側の岸にたどり着こうとしたところ、あともう少しのところで嘘をついてワニを利用したことをつい、しゃべってしまったのです。
頭を使ってワニをだまし、難なくむこう岸に着くのが嬉しくなってしまったのですね。過信とでもいいましょうか。。。
怒ったワニに皮をはがされたウサギさんは、痛くて泣いていたところを、だいこく様の八十神という多くの兄弟の神様が通りかかりました。
八十神たちは、皮をはがされて赤く腫れて痛いと泣いているウサギさんに、海水に付けると傷が早く治るよ、と騙します。うさぎさんは八十神の言葉を信じてしまったのです。
傷は更に悪化。痛みも激しくなり、更に激しく泣いているところを、八十神たちの荷物持ちをしていた下働きのだいこく様が通りかかりました。
呻き苦しんでいるウサギさんを見て、ウサギさんに本当の傷の治し方を教えました。真水で体を洗い、ガマの花の上で寝転んでいれば良くなるよと。。。
この神話の中で出て来るキーワード「あちら側の岸」あるいは、「向こうの岸」という表現です。これえはまさに「お彼岸に渡る「あの世」を意味しています。
あの世に渡るには、ちゃっかり人を騙したり、欲を捨てないでいれば必ず岸を渡ることは出来ないのだよ、という教えが入っているように思います。
また、だいこく様の兄弟で神様といえども人間を騙すものだ、良く悟りの目で見なければ本物の神様には会えないよ、という教えも含まれているような気がします。
また、この神話の中には、大乗仏教のような泣いている、苦しんでいる人を助ける教えも入っているように思えてなりません。
ワニを騙したことが原因でこのような目に遭ったのだというウサギさんの反省の心をくみ取って、だいこく様が助けてくださったのでしょう。
まさに因幡の白兎のお話は、本当の大乗の教えが詰まっているのだなあ、と思います。
では房宿さんの説明に入っていきましょう。
房宿(ぼうしゅく)
~サービスするお節介な愛嬌ウサギ~
ぴょんぴょん跳ねるウサギのように、自由奔放な性格の人。
サービス精神旺盛。友人にも平気で奢ってしまう。友人が困っていると放っておけない。しかし決して媚びない。
自分が損をするところまで人を助けない人。自己犠牲は無いなので身銭を切って金銭を貸すことはない。あくまでも同情で止まる。本当の奉仕心は無い。
愛嬌がある。茶目っ気がある。人間関係が軽い。
行動するまでがとても速いが考えが浅いので失敗も多い。
世間の噂話が大好き。この人に「内緒にしておいてね」と言ったら必ず破られるので注意。
自分の悪いところを本人は気が付かないで他人を指摘するところがあるが、決して悪気はない。
好き嫌いが分かりやすい。食べ物にも好き嫌いが多くある。
喜びを体中で表現するのが得意。この人が喜んでいるのは本当に喜んでいる。計算高くないので、裏取引は苦手。つまり素直な性格。裏表がない。
海外に縁がある。
大きな規模の仕事、スケールの大きな仕事は微妙。小さな規模の仕事の方が合っているかも。
食べるのに困らないだけの財運はあるが、大きな財を追えば財運は逃げていくので注意。
甘え上手。巨大なわがままは言わない人。可愛いわがままな人。人の懐に入るのが上手(豊臣秀吉的)。悪運強き房宿の中には、人たらしの人もいる。恋多き惚れやすい人。
上司の心を掴み、可愛がられるタイプ。この人に何かあげたくなってしまう。
ポジティブな考え方をする。大きな不満を抱えていない。→口でしゃべって心の憂さを晴らしているから。
房宿の開運方法
まず、交際好きで軽いので、人に騙されやすい点に注意。
また、おしゃべり好きなので、ついうっかり言ってしまったことが相手の心に突き刺さることもある点を戒めた方が良い。あなたとしては話のネタだったとしても、陰口は必ず広まるということを知ること。多くの敵を作り、ワニに皮をはがされたウサギさんのように大きなものを失う羽目にもなりかねないので。
海外縁が深いので、貿易関係、旅行業、外国語を使う仕事、海外の食品や雑貨などを扱うことも良い。こういうところを生かせる職も良い。
ウサギは草食動物なので、草はどこでも生えているため、食べるのには困らない。小さなことを積み重ねて節約しながら、いつか大きな物(家や土地、車)を手に入れることが出来るので頑張って欲しい。
房宿に縁がある神社
白兎神社(はくとじんじゃ)
鳥取県鳥取市白兎603
祭神:白兎神、保食神(ウケモチの神)、豊玉姫(大正元年に合祀)
ここが因幡の白兎に由来する神社。だいこく様(大国主命)が八上姫と一緒になったことから、縁結びの神社としても有名です。
ただし、因幡の白兎の伝説や八上姫の話は『ほつまつたゑ』にはありません。『古事記』にある話です。
また、『古事記』では大国主神の妻にスセリ姫が出てきますが、『ほつまつたゑ』では大国主神とスセリ姫は兄と妹ですから、妻ではありません。
こういう点から、白兎神は何か謎めいたものがある神社かもしれません。
出雲神の大国主を正しい神として、その他の八十神(多くの兄弟神)を落としていますから。
『古事記』でいうならば、大国主神と八上姫との間に「木俣神(このまた・きまた)」が生まれているそうです。またの名を御井神とも言います。
この神の正体もまた大きな謎です。
阿太加夜(あだかや)神社では「阿太加夜奴志多伎喜比売(あだかやぬしたきひめ)」が祀られています。この神が木俣神ではないかと噂されています。
この謎の女神は、宗像三女神の一人、「多岐都比売命(湍津姫命)」(たぎつひめ)のことではないかともいわれています。
木俣神が多岐都比売命だとすると、ソサノオと不義を犯したハヤコ姫(ヤマタノオロチ)の生んだ三人の三つ子の女の子の二番目「タキコ」になります。
タキコはカグヤマツミの妻となり、江の島神社に祀られています。カグヤマツミは、神奈川大山神社周辺のあの大山祇の一族です。
木俣神=タキコだとすれば、その母である八上神は「ハヤコ」ということになります。
私的には、ハヤコの生んだ三女神の父親は、天照大御神ではなく、天照大御神の弟:ソサノオだったのでは?!と考えています。
そうだとすれば、八上姫の夫となった大国主神とは、ソサノオのことになってしまうわけで。。。
もう頭がぐちゃぐちゃですね。
どちらにしても、出雲国を作ったのはソサノオであり、その子:大国主、そして、ハヤコの姉:モチコの生んだ男の子:アメノホヒ命が、母モチコと妹ハヤコの弔いをしていたことは確かです。
ですから公にハヤコの名を書けなかったことから、木俣神として静かに守り続けていたのかもしれません。
ハヤコの生んだ三人の姫たちは、母の罪を償うために、生きている間中ずっと国のために働いていたそうですし、日本中を旅をしながら、民の生活を見て助けていたようです。
そういうところが泣けますね。
2023年は房宿さんの年、そう「卯年」です。密教占星術は旧暦で数えますから、新暦に換算すると、卯年は2024年2月9日までです。
卯の年は飛躍の年と言われていますが、みなさんはいかがでしたか?
早いものでもう2024年の歳神さまは、大自然の精霊たちと新しい年を迎え来る準備をしているようです。
私も2024年に向けての準備に入りました
毎年作っている自分暦。来年2024年の「大師御法暦」に記入しました。
また、密教両部界(胎蔵・金剛)の「密教曼荼羅守り」の準備に取り掛かっています。
またそちらのお知らせもブログ内で発信していきたいと思います