『胸の奥に残された水』
水は
流れている。
川へ
雲へ
雨へ
そして
海へ。
あなたの中にも
流れがある。
血、
そして、
呼吸。
ひと打ち、
ひと息。
胸がひらき、
縮み、
また、ひらく。
酸素が運ばれ、
細胞が目覚め、
見えない場所で
命がつづく。
止まれば・・・
生きる作業は終わる。。。
でも・・・
意志は残る。
怒りを抱くとき、
不安に縛られるとき、
悔いに沈むとき、
息は浅くなり、
流れは重くなる。
整えるとは
足すことではなく、
ゆるめること。
私は
その呼吸と
めぐりを
ともに見つめる。
地球もまた
めぐっている。
水が流れ、
風が巡り、
森が息をする。
大きな
ひとつの体。
私たちは
その循環の中で
生かされている。
堰き止めているのは
そっと胸にしまったままの想い
かもしれない。
——
いま
あなたの流れを
止めているものは
何ですか。
そして
それを
手放せますか。
〈あとがきに代えて〉
私は
密教占星術師として、
星のめぐりを盤で読みます。
けれど本当に見つめているのは、
あなたの内にある
小さな光
です。
運命は
決められた線ではなく、
めぐりの中で
静かに変わっていくもの。
胸の奥に残された水も、
いつか
やわらかく動き出す。
その時を
急がず、
恐れず、
ただ信じる。
星もまた、
黙って
巡り続けています。
どうか
あなたの流れが
あなた自身の速さで
未来へ向かいますように。






