ジャレド・ダイアモンドの本に以下がある。



タイトルがすごい。

銃・病原菌・鉄。

実は世界史はこの歴史を語れば済んでしまう。

そのうちの一つ、

今回はリクエストにお応えして、

結核を扱う。


  死の病

かつて結核は死の病であった。



結核は古代エジプトから存在するとても古い病気です。

日本で最古の結核は、

青谷上寺地遺跡(あおやかみじちいせき)で

発見され弥生時代後期と言われています。

その後、明治以降の産業革命による

人口集中に伴い、

結核は日本国内にまん延し、

「国民病」とまで言われていました。


紀元前5000年前頃にはすでに実在する!!


  結核の怖さ

新型コロナが猛威を奮った経験を

多くの人は知るだろうが、

結核は半端ないのである。

なぜなら

空気感染するから。

【結局 空気 吸います】

1.結局
2.空気
3.吸い
4.ます
1.結核
2.空気感染
3.水痘
 4.麻疹

そういうわけで
看護師国家試験の常識でもある。
ではなぜ空気感染できるのか。

  菌とウイルスの違

実は構造が違う。

結核とは菌であり、

コロナとはウイルスである。

この違いが何に影響するかというと、

ウイルスは

体内に栄養タンクを持たない点である。

水分も、栄養分もない。

したがって、水分蒸発すると死ぬ。

これゆえ空気感染できない。

さんざんコロナについて

空気感染するとかしないとか議論していたが

ウイルスである時点で空気感染できない。

気体を移動するうちに水分蒸発すると死ぬ



卵より弱い。すぐ死ぬ。


なので、

マスクの穴を通過できる大きさではあるが、

マスクの繊維に触れると水分吸われて死ぬから

コロナウイルスの感染力は低かったのだ。


一方、とは完全な一個の細胞である。

真菌は完全に植物なので言うに及ばず。

結核菌は細菌であるので、結構長生きする。

新型コロナ 3時間

結核菌は加熱や

直射日光(紫外線)には

比較的弱いのですが、

冷暗所では 3~4 か 月間生存可能

です。

https://www.pref.aichi.jp/uploaded/attachment/29019.pdf


まさにジオン、脅威のメカニズム。

それだけ寄生生物完全独立生物では
ザクとわ違うのだよ、ザクとわ!

そんなわけで、

空気感染するために日本中に蔓延しました。


  ​ほととぎす。

このため、

多くの人が結核で命を落としました。

風が吹くと桶屋が儲かると言う通り、

それまでは風邪として処理されていました。


なので、幕末以降にならないとわからない。

明治になり、西洋医学知識から

病名特定されるようになった。


みなさんの先輩、共立学校(開成中)卒、

帝都(東京)大学哲学科に入学、

のち国文学科に転部した。

文豪のくせに

日本野球界殿堂入り、


正岡子規、その人である。


雅号の子規とはホトトギスの異称で、

結核を病み喀血した自分自身を、

鳴いて血を吐くといわれる

ホトトギスに喩えたものである。


初の喀血は帝都大学本科1年。

この時、正岡18歳。

結核によるカリエスによりて死す

享年わずかに34。


このような話は山ほどある。

国民病と言って良い。


ちなみに

となりのトトロのお母さんが入院していたのも

サナトリウム、結核専門治療施設であった。

※そもそも引っ越しが母親の養生のためである


  結核という病

結核とは空気感染をし、

潜伏期間が1ヶ月から数十年と幅がある。

※これに関しては行政文書ですら

本当にまちまちなのだが。


比較的長い方に入るので、

感染してから発症したときには

手遅れであることも多い。

ツベルクリン検査は

可能な限り受けておいた方がいい。

ちなみにツベルクリン反応「陽性」だと感染済み

ツベルクリン反応「陰性」だとBCGが必要。

ここを間違えないでほしい。


この結核菌脊椎腎臓リンパ節、

恐ろしいのは脳に感染する、

結核性脳髄膜炎である。


  なぜ今更?

日本は結核を一度根絶寸前まで追い込んだ。

といっても2021年にやっと

低蔓延国となったので、

全然珍しくない病気であり、

さらに近年は

多罪耐性を獲得している。


結核菌の薬剤耐性は、

染色体遺伝子の突然変異により

一定の率で発生します。

結核を一剤だけで治療すると、

図のようにその薬剤に耐性な菌が

増殖してしまいます。

続けて他の薬剤を一剤だけ使って治療すると、

さらに多くの薬剤に

耐性な菌が発生してしまいます。

このような不適切な治療が

多剤耐性結核菌を作り出します。

また、治療の方法が正しくても

結核菌の薬剤感受性を無視した

化学療法を行うと、

多剤耐性菌が発生してしまいます。

化学療法や使用薬剤の選択が適切でも、

きちんと6ヶ月の服用をせずに

投薬を中断してしまうと、

生き残っている耐性菌が増殖し

多剤耐性菌発生の元となります。


現実の危機として、

予防につとめよう。


お父さん、そこに見えないの?

魔王がいる

怖いよ


©️お受験のお医者さん