これはお母さん、お父さんへのエールであり、
実在した人物に少し関係があります。
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某首都圏ナンバーワンの塾にいたとき、
受験前の面談がありました。
こんなときお母様が多いのですが、
稀にお父様だけ見えたり、ご両親というケースがあります。
今回はご両親のケース。
お父様は丁寧に名刺までくださり、お勤め先は一流商社。
ほえーと思いつつ肩書きではもっとすごい方にお会いしてたので私は平静を保ちつつお話を伺いました。
成績は中程度。お父様がいいます。
「この子はK中学にどうしても入れたいんです。
私の母校で、この子はどうしてもKラグビー部に入りたいといってるんです。」
なるほど、納得。とお父様の高級時計を見ながら私は頭を回転させたのでした。
しかしタケコプターではないので飛べません。
正直、合格可能性は75%と弾き出して、面接のアドバイスをしました。
この話を思い出したのはちょうどこの時期です。
1月校。中学入試は埼玉から始まります。
悲喜交々の電話を受け、時に泣き、時に悩み、
時に強気でアドバイスをしていた時に鳴った電話
そう、あのどうしてもK中に入りたいお子様のお母様でした。
お母様の声は震えていました。当然です。
同じクラスの子が合格した学校の不合格の結果を知ってしまったからなのです。
「先生、どうしたらいいのでしょう。」
私の師匠がかつて教えてくれました。
中学受験は必死です。
なぜならお父様と並べないとき、ご親族から育て方が悪いと責められるのはお母様だからです。
その震える声に私は答えました。
後編に続く。