“社長”という男
すでに書いかもしれないが、小学生になると日曜日に必ずソフトボールの練習をさせられた。
近所の連中が集まり、ソフトボールのチームを組まされ、たまに大会があり、他の地区の奴らと試合をする。
運動が嫌いな俺には嫌な事の一つだった。
小4からは平日の放課後はサッカー部⚽、土曜はスイミングスクール、日曜はソフトボールと、小学生の俺達は忙しかった。
俺が“無所属”中も“ともさん”(仮名)の家でファミコンを見させてもらったのもこのせいか?
近所の子供らと合同だから、ともさんもいた。
唯一の救いは、俺の嫌いな“テン君”(仮名)などが地区が“ギリギリで”違っていて、一緒には練習しなかった事だ。
していたらイジメられて辞めていたか、またケンカになっていただろう。
彼らが嫌で、俺は“無所属”になったようなものだ。
なので、俺達の世代(俺、“タケシ”、“サダヒト”、“ウイルソン”)は毎週日曜日、近くの公園(俺には遠かったが)に集まり、上級生や下級生らとソフトボールの練習をしていた。
これは、俺達が小5に上がった頃の話。
ある日、練習に見覚えの無い男が加わっていた。
年齢は俺達の一つ上、小6だという。
「誰?」
俺達は誰もその人を知らなかった。
だが、上級生らは皆知っているらしく、すっかり馴染んでいた。
(転校生?)と当然、そんな予測が出来た。サッカー部では、見たことない顔だった。
そして、上手かった。たちまちレギュラーになった。
ショートを守っていたが、かなり上手かった。
俺は仲の良い上級生に「あれ、誰?」と尋ねた。
すると、「アイツは“社長”だよ。エロ本会社の社長の息子だよ(笑)」と笑いながら言われた。
「エロ本~」というのは冗談だろうが、実家が金持ちか、親が社長らしかった。
もちろん分からない。
挨拶も何もなく、ある日突然、そして、小6の途中から参加してきた、この“社長”という人物…。
俺は1度も話をしてないし、校内でも見覚えがない。
中学校でも見ていない。
しかし、いた。絶対にいた。
みんなから「(エロ本)社長~」などと気軽に言われていた。
社長…。
あれは誰だったのか。
そして、何故突然、ソフトの練習に出始めたのか?
※他にも『消えるサダヒト』や『謎のレコード店』『シュンスケの母親』などのエピソードがあるが、ここまでとしたい。
俺の記憶もかなりあやふやで、正確に思い出せない💦
だが、“ワクちゃん”と“みっちゃん”は(特にみっちゃんは#)は、絶対にいたと今でも思っている
というか、いたし…。