天下人 #総括:幻想の先に | 鈴木篠千のゲームと釣りと少年時代の話。

鈴木篠千のゲームと釣りと少年時代の話。

レトロゲーム攻略、釣りと少年時代の思い出の話です。

毎日では無いですが、PM10~11:00に1~3本の記事をアップする予定。

ルール
①高額ソフトはやらない
②攻略本などは見ない。
③地元(浜松)で釣る。
④少年時代(無所属)の話。
(詳細はプロフィールで)

今回、長々と挑戦してきた『天下人』(PS2)。


元々は去年の大河ドラマ『女城主 直虎』を含め、現在の"キャラクター化"した戦国時代の人物に疑問を抱いたからだ。


『直虎』は地元(浜松)が舞台という事もあり、楽しく見ていた(母親が"但馬ロス")。


※個人的には、海老蔵の信長は雰囲気があって、かなり💮

しかし…、


こんな姿の家康も直虎も、現実では無い。

これにオレは危惧を感じているのだ。
(ちなみにオレは直虎=女性説には懐疑的)

このゲーム内でも、


"聖闘士"風な明智光秀。


"山賊"風な今川義元


インテリな石田三成。
(この時代にそんな眼鏡👓はないだろ?)


"ライガー"風な真田幸村。


"大西ライオン"風な本多忠勝。

…など、幻想のオンパレードだった。
ゲームだから、と余りにもキャラクター感を強めてないか?

また、ゲーム(仮想)どから、史実を曲げていないか?
信長と信玄が三方原で戦ったり、
死んでいる筈の毛利元就が生きていたり、
信長が本能寺では死んでいなかったり…。

俺のように既に大人になっている人間は、『ゲームだからな』と思えるが、小さい子供はこれが史実と、勘違いしないか?
戦国時代とはこんなに華やかな武将たちが、戦っていたと、思い込まないだろうか?

実際の戦国時代の合戦は地味であり、物量の差で決着が付き、当時の日本人はそのほとんどが、農民に近い土臭い中にいたのだ。

華やかさとは程遠いのだ。
ゲームは仮想であり、幻想であり、ファンタジー、フィクションでしかない。

『そんな感じだったら、良いなぁ』程度に思っているのが正確ではないか?

ゲームシステムは、いわゆる"シュミレーションRPG"であり、チュートリアルの『鍛練』できっちりとLvを上げたらなら、それほど苦労はしないと思えた。
(上矢印なら10ヶ月もかかるなや)

『フロントミッション3』の『シュミレーター』のようなものか?
(あれ、シビア感が無くなるんだよな…)

…ただ、『寡兵(少ない兵力)で大勢力を討つ』
とすると、戦略を練り、攻めかかるタイミングを計り、兵種の特徴、武将の特技を駆使して、闘う必要があり、


それで勝つ事ができる。そこがこのゲームの醍醐味かな?

そういう意味では、やりがいのあるゲームだった。面白いし、長くも出来る。
シナリオ制では無く、『戦国シュミレーションゲーム』だったら良かったか?
…そうすると、あの"合戦"がまだるっこいか?

純粋に『合戦を楽しむシュミレーションゲーム』と見た方が良い。(史実はめちゃくちゃだが…)

その合戦は運次第の感はあるが…。

『力押し』か、『戦略』か、

それはプレーヤー次第だ。

実際の合戦というのは、物資(兵糧や火器)と兵力の優れた方が勝たったのだろう。
そうならないのは、ゲームであり、幻想だからだ。

幻想の中であるなら、あらゆるファンタジーが"あり"だ。
シビアで世知辛い"現実"より、創造豊かな"幻想"の方が良いに決まっている。

 ちなみに、信長編の『三方原合戦』をやっている時に、甥っ子(弟の息子)が来ていた。

甥「僕、知っているよー。三方原って、ノブナガイエヤスが戦ったんだよね?」

…おいおい。ここにも"幻想"に巻き込まれた子供がいる。
何で覚えた? その誤情報。
アニメか現実で覚えたのだろう。

俺「違うぞ。三方原の戦いはな…」
甥「知っているよ。本当はイエヤスタケダでしょ!」 

分かっているなら良い。

幻想は愉しいが、どこまでいっても幻想だ。そして、現実は現実である。
現実(史実)は変わらない。

愉しい幻想は、やはり現実にはならない。

俺の大ファンの歴史作家・宮城谷昌光氏は、「何故、歴史小説に拘るのですか?」と聞かれ、

「歴史小説には"制限"があるから、そこが愉しい」

と答えた。
この制限とは、当然"史実"である。歴史を踏まえた小説には現実という"枠"があり、その枠をどう使うかがポイントである。(たぶん)

それ(史実)を"if"や"because"で展開させていくところに"愉しさ"がある、と思える。
(史実を無視した幻想歴史小説ってのもあったな…)

そう考えると、今回の『天下人』は歴史のifやbecauseを見せてくれたのかもしれない。


こんな白髪の信長…。
居るわけ無いが、"if"ならば、ありである。

…あくまでifだが。

それをif(幻想)と理解しているなら良い。

長々とかかってしまったが、『天下人』はここでクリアとしたい。


付録の『極編』も気になるが、五つのシナリオ(信長、家康、幸村、政宗、義弘)は全てクリアした。
ここら辺でよかろうかい…(西田敏行)。

250円の中古ソフト(ケース割れ?)の割にはかなり楽しめたから満足だ。
「ハマった」とまでは言えない。
長くかかってしまったのは、仕事の忙しさがある。

五つのシナリオどれも良かった。
何回(周)も出来るみたいだし、未踏のエピソードもある。

五つのシナリオの全てに出てきた"聖闘士"光秀や、"インテリ"秀吉の(隠し)シナリオがあっても良かった気もするが。


なかなか使い勝手が良かったな、秀吉。


俺のお気に入りは、鉄砲騎馬隊に成長させた政宗。
ここまで成長すると強すぎる。


だが、オレにはやらないといけない事があるんだ。

ん?

アレだ。アレ。(長州)