外界はすっかり冷えて、寒くなっている。
何号か台風は通行き、高気圧を残して去って行いく。
日中、太陽の陽射しはまだ夏を気取っているため、暑さを浴びせてくるが、
日陰には別空間が存在するのかと思えるほどに、冷気が立込めている。
夕暮れを堺に、ゆっくりと拡大してゆく日陰が闇へと変わり、今度は冬を演出し始めた。
外出時にどのような格好をすれば異なった時間帯にも都合がよいのか、
人それぞれ体温も外気の体感温度も違うがゆえ、てんでバラバラな服装で行き交う人々は全く参考にならず、すでにカーディガン1枚羽織って出て来ているだけの私には、快適に過ごすことなど許されないのだ。
しまった、寒い。
冬服にはまだ早いだろうと考えていたが、見渡せばコートを着込んでいる女性や、
マフラーを撒いている若者までいるじゃないか。
周りの目を気にするあまり、平均的な秋の装いをして出掛けてしまった自分の浅はかさ、
大多数に同調しなければという勝手な強迫観念に取り憑かれ、結果的には大多数の人々よりも軽装で飛び出してしまっている。
薄着健康法だ乾布摩擦だのと言われる類いのもの、私には通用しなかったのに。
もともと体温が低く薄着健康法に信念を持つ幼稚園で風邪をひき、
もともと敏感肌な上に乾布で摩擦など、寒空の下で日々繰り返される苦行の末、
皮膚科に通い軟膏を塗っても尚、強制参加に信念を持つ幼稚園。
辛かった、あんなに辛かったのに、叩き込まれた右に倣え精神が
大人になった今でも抜けきれず、大多数との同調を心がけてしまっている。
いま喉がイガイガして、止めどなく流れ落ちようとする鼻水をかむため、
固いテッシュを大量消費している。
そして鼻の皮膚がカサカサと乾燥し摩擦によって、ヒリヒリと痛む。
あとで、セレブなティッシュを買いに行こう。
もちろん充分に着込んで、風を通さないフリースを羽織って。
