雨の日などは極力屋外に出たくない。
どこかの国の大王ではないので、そういう訳にもいかないが、外へ出てみると
なにかと気がかりに過ごさなければいけなくなるのが、うっとおしいのだ。
どこへ行くにも濡れた傘を持ち歩かねばならず、コンビニなどでは店先の傘立てに入れはするが、盗まれるのではないかと気に掛かる。
混み合う電車やバスに乗ってしまうと、隣り合わせた誰かの濡れた傘のしずくが服を濡らす。
傘の先端から、靴の中へ雨を注ぎ込まれることも。
同じく私の傘も誰かの服を濡らし、不快な表情をこちらに向けられ、こちらも同じく不快になる。
空いている電車やバスであったとしても、後車時に忘れてしまうのではないかと気に掛かる。
肌に密着した服を着たままで、長時間椅子に座っている不快感と直接的な風を仇のようにぶつけてくるクーラーの仕業で、室内にもかかわらず内蔵から氷結してゆくのを感じる夏。
要は一日、濡れた傘の心配と、生命の危機を案じなくてはいけないということなのだ。
テーマパークでは自ら進んで水に当たりに行くというのに、天からの恵みには憂鬱になる。
女心と夏の空。
秋に限らず男女も問わず年がら年中、雨に対しては天の邪鬼な気持ちになる。
