近年、水切りは過去最高の発展をしています。世界記録もジャンプ数38回から41回、そして51回と増えています。そして昨年、Kurt Steinerさんが88回のジャンプを記録しました。この方は、41回の世界記録を出してから、記録の更新はしていませんでいたが、それ以上の力があると感じていました。
 アメリカでは、プロの水切り集団が切磋琢磨して記録を伸ばしてきました。他に差をつけて君臨するチャンピオンという考えは、水切りもプロスポーツになり、経済的価値を得ることも可能です。それが記録に影響しているのかも知れません。イギリス、スコットランドの水切り大会では飛距離で勝敗を決めます。これは勝敗を決めるには合理的なルールです。20以上の波紋を正確に数えるのはほぼ不可能です。ここにはDougie Isaacsさんという何度も優勝している肩の強い若者がいます。
 一方、日本の場合はだいぶ違います。15年前から石投げ選手権大会を運営している宮城県丸森町では、別の考え方を感じます。10部門があり、多くのヒーロー、ヒロインを作ります。また、ジャンプ数を少なく数えます。記録は少ない方が、後で遊ぶ人が楽しみ易いためだと思われます。また、四国の仁淀川の水切り大会は今年が第11回ですが、数は数えません。ジャンプの数と、飛距離、また、投げ方などを総合し、パフォーマンスとして勝者を決め、それを審査と呼んでいます。
 これは水切り大会を運営する団体の想いが現れていて面白い違いです。日本では、水切りを自然現象や遊びとしてとらえているようです。私はとても素敵な発想で素晴らしいと感じます。同じ現象でもとらえかた次第で、意味は大きく変わります。
 今、水切りが発展しているのは、今まで限られた地域の限られた仲間だけの遊びだったものが、映像機材の発達で、目にすることが増えたためだと思います。水切りで何ができるのか、改めて考えてみる時期なのかも知れません。続く