今回は、哲学の話題です。17歳当時の私として、語りますので、稚拙な知識、間違い等をお許しくださいませ。

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ぼくは、名物図書委員長<哲学編・スピノザ>(前編)

 

いつもに増して、美咲ちゃんが、浮かない顔で、図書カウンターに両肘をついています。

「美咲ちゃん、今日は、特別にブルーですね。」私は言った。

「倫理社会で、6人のグループ研究をやることになったんです。」

「ああ、ぼくもやりました。6人でやったのに、誰も読んで    こないの。だから、ぼく一人でやったも同然だった。」

「委員長は、誰をやったの?」

「カント。純粋理性批判と実践理性批判。」

「わあ、それ、哲学の3大難書じゃありませんか。」

「初っ端からは無理だから、小牧治の入門書を2冊読んでか   ら、本書を読みました。」

「委員長が、本を読んだんですか?やっぱり2行だけ?」

「まさか、授業課題だもの、全部読みましたよ。」

 

「ね、3大難書は、わかりました。カントは何番目?」

「3番目。」

「2番目は?」

「ハイデッカーの『存在と時間』だと思う。」

「じゃあ、1番の難書は?」

美咲ちゃんは、胸に手をあて、ドキドキの様子です。

「スピノザだと思います。『エチカ』の第4章と第5章が有     名だけど、ぼくは、第3章の感情論が好き。」

「キャー!」

「美咲ちゃん、どうしたの?」

「あたしの班の割り当て、まさに、スピノザの感情論なんで    す。」

「スピノザの感情論こそ、世界1の難書。でも、きっと読む    だけの価値がある本だと思いますよ。」

「委員長読んだんですか。」

「カントは、苦しみながら読んだ気がする。でも、スピノザ     は、うきうきしながら読んだ気がします。」

 

後編につづく

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