今シリーズでは、ユキは柔道をします。

どんな柔道をするのでしょう。

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ユキと雪之介②「青春編」(柔道部の中のユキ)

 

教室に帰ると、めずらしく高木公平の方から話しかけてくる。

「この前、教わった1本背負いが、バシバシ決まってね、

 キャプテンから、訳を聞かれたんだ。

 そのとき、大川さんのこと話したら、

 是非、部に一度来て、何人かにアドバイスしてほしいって     言うんだ。どう?いい?」

「もちろんいい。」とユキは意気に感じて言った。

「早速今日は、だめ?」

「OKよ。でも、あたし、柔道着今日はないけどいい?」

「うん、この前みたいに、コーチしてもらうだけだから、制     服でいいと思う。

 近々、県大会の予選があるから、とっても助かる。」

と高木は言って、うれしそうな顔をした。

 

道子は、それを聞いていた。

学校の柔道場は、合気道部と一日交代でやっていた。

今日は、柔道部の日なので、道子は、柔道部を見に行くつもりでいた。

 

「さよなら」の後、ユキが、柔道場へ行った。

そのあと、道子はついて行った。

それを、梨花がしっかり見ていてついて来た。

(梨花は、レズビアンでユキに憧れている子。)

そして、もうひとり、可愛い女の子のような男子、小川正志が来た。背は、158cmで、勉強は、梨花と学年で1位を争っている。

「君たち、大川さん見に行くんでしょう。じゃあ、ぼくもつ     いていく。」と正志が言う。

「小川君、ユキは、好きな人いるのよ。」と道子。

「知ってる。片思い同士、一緒に行こう。」と正志は言う。

 

「変な子が増えたね。」と道子は、梨花に言った。

「あたしも、変な子だから、人のこと言えない。」

と梨花は言った。

「あはは、あたしは、変じゃないよ。」と道子。

「1年で合気道3段って、普通じゃないよ。」と正志は言った。

「えへ、それをわかってくれると、うれしいなあ。」と道子は機嫌をよくした。

 

3人は、剣道場と併設された武道場のギャラリーへ行った。

道子が触れ回ったので、合気流のみんなも来ていた。

 

ユキは、制服姿、裸足になって、みんなのところへ行って、挨拶をした。

女子部員もいて、合計30人くらいだった。

みんな、ユキを丸く囲んだ。

「はい。」と2年生のA君が手を挙げた。

「ぼくは、出足払いができるようになりたいんだけど、

 うまくいった試しがないから、教わりたい。」

「では、私に出足払いかけてください。」

 

A君は、ユキに、出足払いを何度かかけたが、ダメであった。

「わかりました。1つに、Aさんは、下の足を見てしまって     いるので、相手に気づかれてしまいます。

 もう一つは、払うタイミングが早いです。

 1、2、1、2と出歩いていたとすると、1、2というリ     ズムの、2を言う寸前に掛けます。」

 

こうして、ユキが倒されるまでやった。

やっとユキが、出足払いにかかった。

「そのタイミングです。」とユキが喜んだ。

 

みんなが大きな拍手。

 

こんな風に、次々に、みんなは、ユキに頼んでいた。

巴投げ、大外刈り・・・。

 

その内、部長の佐伯が言った。

「ところで、ユキさんは、合気流がすごく上手と聞いたん 、

 だけど、ちょっと見せてくれない。柔道がどのくらい通用     するか見たい。」

「わあ、見たい、見たい。」とみんなが拍手をした。

ギャラリーでも、わあーとみんなは喜んでいた。

「柔道対合気流ってわけね。」とみんなは、うきうきと言った。

 

■次回予告■

ユキの合気流対柔道がはじまります。

ユキは、合気流10段の圧倒的強さを見せます。

そして、10段だと告げます。

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