アメリカ ハロウィン体験

 

 

我が国では、最近ハロウィンは、若者のお祭り的ですね。

仮装して、渋谷などに集まり、取り締まりは、大変だそうです。

 

私が、アメリカで体験したハロウィンは、完全に子供のものでした。

10月31日、その日は、学校に仮装したまま行っていいのです。

気の利いた先生は、ご自分も仮装してやってきます。

 

そして、家に帰って来た子供たちは、例の、

「トリック オア トリート」と言って、家々を回り、

キャンディをもらいます。

集まったキャンディを枕元に置いて、幸せに眠りにつきます。

でも、ハロウィンを成功させるために、大人たちは大変です。

 

10月29日、夕方に、ピンポンがなりました。

私は、夜もワンピースです。

ドアを開けると、お母さんが2人います。

「あの、あさってのハロウィンですが、

 子供たちは、5、6人で家々を回ります。

 そのとき、こちらに訪問させてよろしいでしょうか。」

とお母さんはいいます。

「ああ、こうやって、前もって家々を確認されるのですね。

 そうじゃないと、どんな人の家かわかりませんものね。」と私。

 

「はい。かつては、火を灯したカボチャのランタンを置いてあるお宅は、

 無条件でOKだったのですが、最近は、それだけでは、不安なのです。」

「そうでしょうね。子供を喜ばせるのって、親は大変です。」

「はい。でも、ハロウィンは、クリスマスの次に、

子供たちが楽しみにしている行事なんです。

 だから、親も、がんばっています。」と、お二人。

 

お母さん二人は、夕方の5時ごろ子供を伺わせたいと言います。

 

「はい。5時に確実に家にいるようにします。

 キャンデーは、もうたくさん買ってあるんですよ。

 それから、おもちゃのランタンに明かりをつけて、

 ドアノブにつるして置きます。

 私は、留学生ですので、初体験で、楽しみでなりませ           ん。」

「そうですか。尚、こちらにお訪ねするグループは、1度だ     けで、他のグループは、もうきません。」

「わかりました。不公平にならないようにですね。」

 

お母さん二人は、お礼を言って、次に回りました。

地域の地図を持っていて、それに、チェックを入れていました。

 

 

当日になりました。

ガールフレンド・ウォンは、ハウスの旅行のため、いませんでした。

私は、早くアパートに帰って来て、

考えていた服装をしました。扮装ではありません。

赤と白のチェックのワンピースを着て、

長い髪のウィッグを被り、それを左右三つ編みにして、

先を赤いリボンで結び、

麦藁のハットをかぶりました。

さしずめ、赤毛のアンといったところです。

ちょっとメルヘンチックにしたかったので、

頬に左右、赤のリップで真ん丸に頬紅を描きました。

そして、アイライナーで人形のような付けまつ毛を描きました。

 

バスケットに山盛り入れたキャンデーをテーブルに置き、

その横で、うきうきしながら待っていました。

 

時計を見つめ、そして、5時ジャスト、ピンポーンと鳴りました。

私は、ドキドキ、うきうきして、「はーい。」と言ってドアを開けました。

わあ~いるいる。

5、6人。

思わず、胸に拳を当てて「キュート!」と叫んでしまいました。

子供たちは、にこにこしています。

魔女、海賊、着ぐるみの黒猫・・・もう可愛くてたまりません。

顔に、所々、色をつけています。

一番背の高い、魔法使いの女の子が、

「せーの!」と言って、

「トリック オア トリート!」と声を揃えて言いました。

わあ、ついに本物を聞いたと私は、興奮し、

「トリート!」と大声で言いました。

そして、アメが山に盛ってあるバスケットを持って来ました。

子供たちの、キャンデー用のビニール袋に、

「ハッピー・ハロウィン!」と言いながら、

一つかみずつキャンデーを入れていきました。

「サンキュー。」と、一人一人が言います。

最後に、魔女の子の合図で、みんなは声を揃えて、

「もう、この家は安心だよ。誰にもイタズラされないよ。」と言いました。

それは、期待していなかった言葉でしたので、

私は、「それは、うれしいです!」と頬をほころばせました。

 

子供たちが、移動するとき、一番後ろの魔女の女の子が、

「お姉さんも、可愛い。」とにっこりして言ってくれました。

「わあ、ありがとう。」と、私は言いました。

赤毛のアンにした甲斐がありました。

 

子供達の先に、お母さんが一人いて、「次はここ。」というジェスチャーをしていました。

やっぱり、大人が目立たぬように、一人ついていました。

 

やがて、お隣の部屋でも、儀式の声がして、私は、心が温まりました。

 

しばらくして、外を見てみると、辻のところに子供たちが、全員集合していました。

互いに、もらったキャンデーを見せ合いっこしています。

点呼が終わり、子供たちは、それぞれの親に連れられて解散しました。

家では、子供の大好物のお料理が待っているのでしょう。

 

ハロウィンは、クリスマスの次に楽しみな日。

うなずけるな…と思いました。

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                        ハッピー・ハロウィーン

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