自分の理想の街と自分が成りたかった人物を書いていますので、
なかなか、おわりません。後2回で終わろうと思っています。
最後まで、お付き合いくださると、うれしいです。

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絵里のマンションは、秋葉原から、電車で5つ目のところにあった。
電車の中で、ヒロミは、たくさん聞いた。
・マシュマロ5は、プロダクションなどなく、
 全部自分達の経営でやっていること。
・劇場のオーナーに、月100万円納めること。
・音楽の著作権料を、著作権協会に収めること。
・5人の他に、照明と音楽のミキシングの2人がいて、
 アルバイト料を払っていること。
・5人は、それぞれ役割があって、会計、宣伝、美術、渉外、
 そして、振り付け・歌の仕事が、リーダーの絵里。
・土曜、日曜は、4回公演だが、
 普段の日は、7時、9時の2回公演であること。

「私達学生でも、なんとかやれるようになってるの。
 部活だと思えば、それより断然楽。
 それに、お金が入るから、やりがいがあるよ。」
と絵理は行った。
「うん。お客さんに見てもらえるだけで、あたしはうれしい。」
とヒロミは行った。

絵里のマンションに行って驚いた。
1階で中に20畳ほどの何もない部屋がある。
「みんな、ここで練習するの。」絵里は言った。

練習場を除いて、2LDKのマンションだった。
「『マシュマロ5』やっているから、こんなすごいマンションに入れるの。」
ヒロミは聞いた。
「うん。でも、学生の内だけ。社会人になったら、やれないから。」
絵理は、大学の3年生だった。

ヒロミは、ソファーに座った。
絵理は、ハーブティーを入れて、小テーブルに置き、
ヒロミの隣に座った。

「ヒロミは、ノンアダルト?」と絵里が聞く。
「どういう意味?」
「その女装のとき、セックスしない子は、ノンアダルト。
 する子は、アダルト。」絵里が言った。
「みんなは、どうなの?」
「白い服の由美は、ノン、黄色のレナもノン。
 青の愛子と緑のミミは、二人でできていて、アダルト。」
「絵理は?」とヒロミは聞いた。
「アダルト。つまりあたしだけ、相手がいないの。
 だから、ときどき美加先輩に相手をしてもらう。」と絵理は言った。
「あたしは、完全にアダルト。絵里がいちばん好き。」
「ほんと?あたし、ヒロミがいちばん好き。
 今日会って、一目惚れ。」
「ほんと?それ、夢見たい。
 ステージでいちばんカッコよかった絵理のそばに今いるだけで、夢見たい。」
ヒロミは言った。

ヒロミは、可愛い絵理を今すぐ抱きしめたい衝動にかられた。

「ね、ヒロミ。レオタード着たことある?」とヒロミは言う。
「ないけど、着てみたい。」とヒロミはいった。
「じゃあ、ヒロミの分もあるから、着てみよう。」

二人で、練習室に行った。
絵理は、オレンジ色のレオタードを持って着た。
「ショーツの中、男の子を股の下に回してる?」と絵理は聞く。
「うん、大丈夫。」とヒロミ。

スカートの下から、レオタードをはいて、
ワンピースを脱いで、ブラをしたままレオタードを着た。
半そでのレオタードだった。
絵理も着終わって、二人で、壁一面にある鏡を見合った。
「ヒロミ、脚長いね。あたしより長い。」絵理が言った。
「そうかなあ。絵理の方が長いよ。」

「思ったとおり。」と絵理が言う。
「何が?」とヒロミは聞いた。
「ヒロミとあたし、仲間かも知れない。」と絵理。
「どういうこと?」
「そのスタイルは、男の子じゃありえない。」と絵理はいう。
「脚の長さ、あたしと同じ。ウエストは58cmくらい、
 女の子のウエストの位置。狭い胸囲、狭い肩幅、
 筋肉のついてない肩と腕。
 大きなヒップ。
 太ももは、むっちり、すねはほっそり。
 ウエストからなだらかなヒップライン。
 男の子としては、ありえない。」絵理は言う。

「うん、家族から、後姿が女みたいだってよく言われた。」とヒロミ。
絵理は、ヒロミに後姿を見せた。
「男に見える?」
「ううん。まるで女の子。」
「ヒロミもそうだよ。きっと小さいときから、女の子体形だった。」
「小学生のとき、気がついた。」とヒロミ。
「あたし達、男性ホルモン足りないんだよ。多分。」絵理。
「そうなんだ。もしかして、IS?」ヒロミは言った。
「まだ、わからない。今度いっしょに、クリニック行こう。」絵理は言った。
絵理は知っているのかもしれなかった。

「1曲、踊ろうか。あ、そう、ヒロミは踵10cmの靴に慣れて。」
と絵理は、踵の高い靴をヒロミに渡した。

そして、ラジカセで、ノリのいい曲を掛けた。
絵理は、曲の気分に合わせて、自由に踊った。
ヒロミも、自由に踊った。
「わあ、ひろみ、カッコイイ!」
「絵理は、もっとステキ。」

二人は、うれしくて3曲踊った。
絵理がヒロミに抱きついてきた。
ヒロミは絵理を抱き返した。
「神様が、あたしをヒロミに合わせてくれた。」
「それは、あたしのセリフ。」

二人は顔を見つめあってキスをした。
なんだか、昔からお互いに好きだった同士という気がした。

二人で鏡を見た。
「だれでも女の子同士って見るよね。」と絵理。
「うん。体形が女の子だもん。」

「ベッドに行こう。」絵理が言った。
「うん。」ヒロミはついて言った。

二人並んで、毛布をかぶった。
レオタードを着たまま抱き合うのも、よかった。

「ね、ちょっとHだけど、『男の子』を前にまわそう。」と絵理がいう。
「うん。いいよ。」
二人は前に回した。
そして、重なりあった。
「ああん、ヒロミは、やっぱり男の子。」
「絵理もやっぱり男の子だったんだね。今まで、信じられなかった。」

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ここから、第2ブログに続きます。
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「ヒロミと絵理の絆」のつづき