2013年にユネスコの無形文化遺産に登録された和食は、料理の技術や食材だけでなく、文化的な背景や食に対する価値観が評価されたためで、「自然への敬意」「人とのつながり」「四季の感性」を未来に引き継ぐことを意味しています。
和食の良さは、四季折々の食材と、出汁のうま味がマッチングして、親から子どもへ家庭料理として伝えられ、それぞれの家庭で味の文化が備わっていました。しかし、核家族の生活となった今、共働き世帯が増え、インスタント食品や冷凍食品などの簡便食も充実し、食生活の家庭の味は大きく変化しました。
戦後の暮らしを経験してきた私としては、とても残念で寂しいことですが、食事は決まった時間にバランスを良くとること、こと幼児や児童に関しては食育の観点からも「家族と一緒に食べること」で、家庭の味、おふくろの味を覚えさせてほしいと思うのです。
戦後の食べ物が不足していた時代、米,麦などの主要な食べ物について、農家に育った私でも、白米だけのご飯は、祭礼や盆・正月など年に数回のみでした。料理があまり得意でなかったおふくろは、レパートリーが少なかったので、その味を今でも覚えています。
普段は麦の多く入ったご飯を食べやすいようにと、時折、飼っていたニワトリを自分で処理し、畑で採れたニンジン、ゴボウ、そしてコンニャク、油揚げ、タケノコ、山菜などを入れた炊き込みご飯や、焼き飯などに工夫し、煮ミソ(赤ミソ、砂糖、シイタケ、コンニャク、サトイモ、ネギなど)と一緒に食べたものでした。
故郷を離れて暮らす人へ、「わが家の味・おふくろの味」を料理して食べてみてはどうでしょうか。
