い気持ちで暗い顔をして学生アパートに帰って来る
と、一年先輩の武藤がそんな私を見つけて、武藤な
りに 只ならぬ気配を感じたのか?●●さん!何か
有ったでしょう
と言い、どうですか?山でも行って来ませんか
と突拍子のない事を言いだしたのです! 私は「山なんて行った事ないよ!」「行こうと
思った事も無いから持って行く物も、着て行く物も、
穿いて行く物も、何も無いよ」と、武藤に言いまし
た!其れにもう直ぐ夜なのに、まさか今からなんて
夢にも思わなかった。所が武藤、●●さん、最低限
必要な物は、僕のを貸しますから 直ぐに行けます
よ
と言うんです。私が何処へ行くんです?と言うと 此処からなら谷川岳が良いですよ
と、最寄駅前で必ずする事と、登山口と登山ルートの略図を書
きますから!と言う。子供とピクニックに行く山で
はないのに 略図で谷川岳に行くなんて有り得ない

と思って居ると、過去記事の1500m 持久走で
一緒に走った平井が誰に借りたのか山へ行く様な恰
好をして遣って来て、お前一人じゃ心配だから俺も
行くから支度しろよ
と言うんです。此処迄来たら仕方ないので観念しました。夜行電車に乗って夜中
の2時頃土合に着きました。駅前で水筒に水を満タ
ンにして人の後に着いて歩きました。ちゃんとした
地図も磁石も防寒着も非常食も無いのだから 絶対
山岳警備の人に怒られる
と思いながら。 帽子から上着から靴下迄と、重くサイズが全然ブカブカの登
山靴と水筒から懐中電灯迄(パンツは違うよ
)武藤の借り物です。前を歩いて居た先導役の人が山側を
ごそごそしてたが、其の侭先へ行ったので我々もご
そごそしてた所を電灯で照らしたら、武藤の略図で
指示された「西黒尾根登山口」の様に読めたので
其処から登り始めました。初めの間は余りの急斜面
の道で其処を超えると傾斜は少し緩やかに成りまし
たが炭を流した様に真っ暗です。全てが初めてで七
難八苦の連続でしたが頂上に辿り着いたら先日降っ
た雪が残って居て、今度雪が降ったら素人は、近寄
れないと分かります。別の下山方法で今度は水上駅
へ戻りました。下山 は登山ルートに大きく引けを
取らない先の見えない長いアプローチの天神平迄の
尾根道をはるばる歩いてやっと着いたロープウエイ
は、紅葉見物の団体で凄い行列でした。其れだけの
事は有って、枯れ木だった山肌は標高が下がると真
っ赤に萌えた紅葉の絶景で、此れだけ真赤な紅葉は
人生でも2度と無いだろうと感嘆しました

水上駅までの道路を下る途中に谷川岳で遭難死した
全ての人の名前の掘って有る大きな慰霊碑の前を通
り無事に水上駅に着きました


