げんこつ その2


温かい5月の風がここちよく吹き抜けていく


今日の3時間目は算数だ

あまり回転のよくない頭で

一生懸命に問題を解いていた


コツコツと足音が聞こえる

竹の根のムチを片手に持った先生の足音だ

その音が後ろで止まる


まさか まさかと思った瞬間

頭のてっぺんに 激痛が走る

何の防備もされていない とらがり頭にだ

まだ完成されていない頭蓋骨は悲鳴を上げる


なんで なんで まったく理由がわからない

次々にみん小突かれている

俺たちは木琴でも 木魚でもない


こんな日が 一年続いた と思ったら

また一年持ち上がり

つぎの一年は天国かと思えるぐらい

シアワセな時間をを過ごせた

また 最後は逆戻り

小学校6年間 なんと6年間も続いたのだ


おかげで成長期の頭は鍛えに鍛えられ

ウン十年もたった今でも その名残が残る

その先生の顔立ち 声 体型は鮮烈に記憶に残る

理由なき暴力は今の時代には通用しないだろう


○○先生昔でよかったね





勉強嫌いになった言い訳を

女の子(決して孫ではありません)の歌で

思い出した


(次は来週会いましょう)